セラムン二次創作小説『秋の香りに包まれて(ゾイ亜美)』
夏も終わりを迎え、茹だるような暑さはどこへ行ったのか。すっかり肌寒く過ごしやすくなった日。亜美と彩都は大学の帰り道でデートを楽しんでいた。
公園の近くを通ると、どこからとも無くいい匂いが鼻腔を擽る。彩都はいい匂いだと目を閉じて香りを感じていると、隣に歩く亜美が少し急ぎ足になっている事に気づく。
どうしたのだろうと目を開けて視線を合わせると、そこには匂いの正体である橙色を着けたそれが咲き誇っていた。
「金木犀だわ!」
感嘆の声を上げながら亜美は嬉しそうに金木犀を見上げて