セラムン二次創作小説『夢幻想』



この人たちはだぁれ?

まだあたしお昼寝から覚めてないの?夢?幻?ゆーれえ?


日課のお昼寝から目を覚ますとパパもママもお仕事でいないことをおもいだし、さみしい気持ちになって泣きながらベットからおりて部屋を出てどこへ向かうでもなく自然とパパの部屋の前まで来て立ち止まる。


パパのお部屋のドアが少し空いていることに気付く。


いつもは入ることを禁止されているからすこし躊躇ったけど、パパを知りたくて少しだけと思い切って入っていった。


初めて入るパパの部屋は広くて大きくて、ベッドも大きくてあたしのよりふかふかしてて気持ちいい♪


目新しいキラキラしたものがたくさん置いてあって心がとてもときめいた。


その中でも一際目立つ宝石が4つ、とても大切に保管されていて、ママが持ってる銀水晶と同じように厳重に持ち出せないようにされていた。


目立っていてキレイだったこともあるけど、なんでかとても心が奪われ手に取ってみたくなってしまった。


どうやっても取り出せない宝石にイライラしてしまい、部屋を出る時に持ってきたルナPで保管容器のガラスをわろうとしたその時だった。


キレイな宝石からうすぼんやりとした人のかたちみたいなのが次々現れておどろきすぎて声が出なくなった。


これは夢…なのかな?あたしまだねてるの?幻?この人たちはなに?だぁれ?どうやってここにはいれたの?分からない…知らない人たち。


みんな空中で私を見るなり跪いてお辞儀してきた。


「初めまして、スモールレディですね?高い所から失礼致します。」


おどろいてなにも言えなくなってるあたしにその中のひとりが話しかけてきた。


あたしの名前を知ってるみたいだった。


「あたしをしってるの?あなたたちはなぁに?」


「私の名前はクンツァイト。四天王のリーダーです」


くん…つぁい…と?言いにくい名前だな…


「私はネフライト。あなたの父上とは古くからの友人、とでも言うべきかな?」


ねふ…らいと…パパの昔の友達?


「私はゾイサイト。突然出てきて驚かせたね?許して欲しい」


ぞい…さいと?女の人みたい、キレイ!


「私はジェダイト。君の事はマスターから色々話を聞いてるよ」


じぇ…だいと。マスターってパパの事かな?


「あたしはプリンセス・うさぎ・スモールレディ・セレニティです。キング・エンディミオンとネオ・クイーン・セレニティの娘で、クリスタルトーキョーの第一王女です」


「立派に挨拶出来るんですね。関心です。流石は我がマスター、しっかり教育が行き届いている」


くんたぁーとと言っていた人があたしとパパを褒めてくれて嬉しくなった。


「これって夢なのかな?あたし寝ぼけてるの?よくわかんないや」


「大丈夫!君は正常だよ。俺たちがおかしいんだ」


ねふらーとがガハハと笑いながら夢でも寝ぼけてるでも無く現実に起こっていることだと教えてくれた。


「どぉなってるの?おにいちゃん達はゆーれえなの?」


「幽霊みたいなもんかな?この世にはいないけど、魂だけが石に宿っていて特殊な方法で呼び出されたら出てこられるんだ」


じぇだいとが自分たちがどういう状態にあるのが分かりやすく説明してくれた。


「とくしゅなほーほーって?私はそれをやっちゃったの?」


「本来なら俺達ととても近しい人、つまり君のお父様がヒーリングの力で呼び出す事が出来るんだよ」


ぞいさいとが呼び出す方法を教えてくれた。


「マスター、つまり貴女の父君だけでは無くても母君や側近のセーラー戦士もヒーリング能力で私達を呼び出す事が可能なのですよ」


何だかムズカシイけど、星の守護を持ってる人達は呼び出せるってことなのかな?だから無意識にみんなを呼び出せたって事かな?

あたしにはまだなんの力もないって思ってたけど、ちゃんとパパとママの子供として特殊な能力があるってよろこんでいいのかな?


「あたしも呼び出す力があったから4人が出てきたの?ちゃんとパパやママみたいに能力があるって思っていいの?」


「貴女は父君と母君のれっきとした立派な娘です。自信を持って!」


「そうそう、まだまだ不完全な能力でもこれから成長と共に備わって来るって!」


「父君や母君だって最初はそんなに強くなかったんだよ?徐々に力をつけて強くなって行ったんだ」


「立派になろうなんて気張らずに貴女は貴女のペースで貴女らしく成長していけば良いのですよ」


4人が不安に思っていた事を見透かしたのか、エールを送ってくれた。優しい人達だ。パパのお友達はみんないい人たちだ。パパは幸せだな。石になってもずっと見守ってくれてるんだもん。



「スモールレディ?何処にいらっしゃるの?」


マーズの呼ぶ声がして、ハッと我に返るとパパの部屋にいる事を見つかってしまった。


「こんな所にいらしたの?ご自分のお部屋に戻るのよ!」


マーズに怒られちゃった。


「ごめんなさーい」


慌てて謝りながらマーズを見ると、お兄ちゃん達の方を見て固まっていた。


「ジェダイト…」

「やぁ、相変わらず君は美しいね!そして厳しい」

「どうして…?」

「そこのおチビちゃんがね」


驚きながらもじぇだいとと話しているマーズは何だか楽しそうに見えた。


「マーズ?スモールレディは見つかったの?」


マーズを追って少し遅れてすっごい剣幕でヴィーナスが入ってきた。


「相変わらずお前は慌ただしい奴だな」

「って、えぇ?く、クンツァイト?どうして?」

「そこの姫君がな」

「うっそぉ~マジで!?」


ヴィーナスも驚いてたけど、何だか嬉しそう。


「あっ!いたいた」

「みんなキングの部屋で何しているの?怒られるわよ?」


遅れてジュピターとマーキュリーも来て守護戦士全員集合しちゃった。


「来た来た!やっぱいい女だなぁ~」

「下心が見え透けててキモイぞ!マーキュリーは落ち着いてて知性の塊だ」

「ええ?なんでいるんだ?」

「どうやって?メカニズムってどうなってんの?調べなきゃ!」

「まぁ落ち着けよ。研究熱心はいいけど、君たちも本来は俺たちをいつでも呼び出せるんだけどな」

「そうなのか?全然知らなかったよ」

「寂しかったぜ」

「そんな柄かよ」


ジュピターもマーキュリーも驚きはするものの、やっぱり嬉しそうにお兄ちゃん達と話している。どーゆーことなんだろ?知り合い、以上の何かを感じる。


「いつでも呼び出してくれよな!」

「特に呼び出す用事はないわ!」


「相談や愚痴の相手くらいしてやるぞ!」

「バカ!そんな暇なんて無いわよ!」


「チェスのお手合わせならいつでもするよ!」

「遠慮しておくわ。あなた強いもの」


「毎日でも会いたいんだけどな?」

「まぁ気が向いたらな!」


みんなお別れのあいさつしてるみたい。

いつでも呼び出せるみたいなのにみんな何だか辛そうな顔してる。


『じゃあな』

『それじゃあね』


それぞれお別れのことばを言ったら四天王は消えてしまった。さみしいなぁ…。


「キング、ずっと持ってたのね?」

「キングにとってとっても大事な存在だからな」

「時々呼び出しては相談してたのかしら?根暗ねぇ~」

「あの翡翠、一体どうなっているのかしら?スモールレディの事と言い、調べたいこと沢山出来ちゃったわ」


みんな切り替えが早くて付いてけない。


「スモールレディ、行きますよ?そろそろキングとクイーンが帰ってくるから、ここにいるとまずいので」


マーズがあたしの手を取ってパパの部屋を後にする。

パパの部屋を初めて入ったからもっと色々見たかったけど、みんなに見つかっちゃったのと四天王とおしゃべりして時間が経ってしまって、ちょっと残念。また入る機会は来るかな?


「スモールレディ、今日キングの部屋に入った事も、四天王とお喋りした事もお2人には内緒ですよ?」


マーズが口の前に右手の人差し指を立てて、目はウインクして楽しそうに言ってきた。


「どーして?」

「キングのお部屋に入ってはいけないことになってるでしょ?」

「そっか!そーだったね」

「でも、私達も滅多に入れないから結構楽しかったわ!根暗な趣味も健在だったし笑」


ヴィーナスは何だか楽しそう。


その後、自分の部屋に戻ったあたしは非現実的な出来事に疲れて寝てしまい、パパとママをお出迎え出来なかった。

そして、この日の出来事は昼寝の後だったこともあり、記憶からいつの間にか消えてしまい、思い出す事も無く石の存在も覚えてなかった。





おわり



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