セラムン二次創作小説『ある日の商店街で(ジェダレイ)
※画像はnoteにアップされていたフリー素材を使用させて頂きました😊クリエイターの方、ありがとうございましたm(_ _)m
火川神社に行くと私服姿のレイに「十番商店街に買い物を付き合って下さらない?」とお上品なお嬢様言葉で頼まれ、半ば強制的に着いて行かされることになった。
いや、別に買い物に付き合うのが嫌なんじゃない。寧ろ合法的にデートが出来るので単純に嬉しい。
いつも火川神社ばかりで基本デートみたいな色気のあるものはほとんど無い。白状するとクリスマス以来の2度目だ。まぁレイと一緒にいられるなら俺はなんだっていいんだけどな!
「で、十番商店街の買い物って?」
向かう道中に要件を聞き出す。
普通に会話したいだけなのもあるけど、付き合って数ヶ月、初めて買い物に付き合って欲しいと言われたから単純にどういう了見か知りたかった。
「家や神社で使う消耗品やいるものが無くなりかけているからよ!荷物持ち要因でちょうどよかったのよ」
アハハハァ…ですよね?分かってました、荷物持ち要因。俺は男で力持ち!有難くレイの買い物を持たせていただきます!
その後も喋りながら商店街に着くとレイは何かに気づいた様子で目的に向かって走って行ってしまった。
「ルナ、アルテミス、それにダイアナじゃない。偶然ね?」
「レイちゃん!…と和永さん」
世にも奇妙な喋る猫でお馴染みの月の王国からの使者であるプリンセス付きのルナ、守護戦士リーダー付きのアルテミス、そして未来の衛とうさぎちゃんの娘付きのダイアナだ。
ルナとアルテミスはいいとして、ダイアナは30世紀の住人(ん?猫だから住人はおかしいのか?住猫?)なのに何故ここにいるんだ?と言う疑問はさて置き、3匹一緒に商店街をとても仲睦まじく散歩していて癒されるな。
「どうも。3匹だけか?」
「美奈達はデートさ」
なるほどと察する。俺達も一応デートなので何か言いたげな顔のアルテミスに深入りはしないでおこうと決めた。
「スモールレディはエリュシオンに行きました」
「ちびうさも隅に置けないわね」
俺達2人は一応猫目線になる為腰を落として喋ってはいるが、ふとアルテミスの目線が気になった。
下から見上げる形のオス猫だからレイ達の下着が見える時があるのでは無いのか?注意はしているだろうけど、100%防ぐなんて不可能に近いだろう。俺だってまだ見ていないのに万が一にも見ていたら氷漬けの刑にしてやりたい。
自由自在に人間の姿になれると聞いているけど、未だに人間のアルテミスにお目にかかれていない。何故人間にならないのか?人間の姿のが圧倒的に楽だと思うんだが?と思っていたけど、案外目当ては下着を覗く事だったりするのでは?と邪な思いを抱いてしまう。(羨ましいな畜生!)
俺達はほとんど関係ないけど、公斗はきっと色々大変だろうな…と余計なお世話な事を考え同情する。
「お前達は何してるんだ?」
「パトロール兼ねて散歩。後、家族サービスしないと怒られるし、久々にダイアナが来たから麻布を色々と案内してるんだ」
「お前も色々大変なんだな?」
「周りは女ばっかりだからなぁ…気を使うよ」
アルテミスも苦労が絶えないらしい。
公斗の次はアルテミスに同情する羽目になった。
最も俺自身もレイ付きの世にもおかしなカラスのフォボスとディモスと言う双子の姉妹の監視下にあり、洒落では無いが苦労している。何かしでかそうもんなら嘴でつつかれるという刑にあう。一応自分の名誉のために言っておくが、今の所変な事はしていないので付き合う前の話だ。付き合う前は本当によくつつかれたし、痛かった。
まぁ下着の件はそれとこれとは別だから万一覗いていたら許さんけど。
今回は家族サービス中に免じて追求はしないでやる。俺、寛大!
「お互い大変だな」
男は男同志、女は女同士一頻り話した後それぞれ目的の為に別れる事になった。猫を連れては店に入れないからな。人間になる気もなさそうだしな。
猫と言えど、人間と同じ悩みを持っている事が分かりちょっと安心した。
どこに行くのかは分からないが、レイが何か危険に陥らないとも限らないからと心配して姿が見えなくなるまでアルテミス達を見守っていた。幸い何も無く猫家族は無事に十番商店街を後にした。
気持ちを切り替えレイの買い物に付き合う事になったが、思いの外色々回っては必要品から無駄そうな物までいっぱい買っていて、俺の両手はあっという間に埋まってしまい、視界も狭まってしまった。
初めてのレイの買い物、半端無かった。
おわり