セラムン二次創作小説『蚊取り線香Tシャツの理由(クン美奈)』





今日は久しぶりのデート、だったはずなのに…

何故か公園のベンチに座って暇をしていた。



隣にはちゃんと恋人の公斗がいる。

なのに、相手をして貰えず暇を持て余している私。


何故かって?仕事の電話が入って来て、目下対応中で私の事は忘れているからよ。

難しい話をしているから入っても行けないし、つまらない。


久しぶりだから色々回ろうと思っていたのに、待ち合わせ場所の公園からまだ動けていない。


「…じゃあそういう事で」


やっと終わったみたい。


「すまなかった。どこか行きたい所あるか?」

「やっと終わったのね。忘れられてるかと思ったわ」


素直じゃない私は嫌味のひとつも言ってやる。

行こうと立ち上がると、遠くからうさぎとまもちゃんが歩いてくるのが見えた私達は話しかけようとしたその時だった。

まもちゃんの着ているTシャツを見て呼びかけるのを止めた。

何と蚊取り線香柄のクソダサ…っと失礼、お世辞にもカッコイイとは言えない柄のTシャツを着ていた。

公斗を見ると彼もTシャツを見て絶句していた。

2人顔を見合わせると話しかけずにデートに行く事にした。



しばらく沈黙が続いていたけど、重い口を公斗がようやく開いた。


「なぁ美奈子、衛のあのTシャツの柄どう思う?」

「蚊取り線香Tシャツ?ムリ!面白すぎるわwww」

「俺が着てきたらどうする?」

「一緒に出歩きたくないわね。着替えてもらいます!ファッションセンスがない彼氏なんて嫌よ?」


この日のデートは見事に出鼻をくじかれてしまった。


その後もあのTシャツのお陰でデートは持っていかれた。でも1ついい事があった。

公斗が新しい服が欲しいと言い出して、洋服屋さんへ行く事になった。

そこで、私に選んで欲しいって言うから私好みで公斗に似合いそうなファッションをチョイスしてあげたら、嬉しそうに買っていた。

それを見て私も幸せな気持ちになった。


それにしてもよっぽど蚊取り線香Tシャツが衝撃だったのね。

マスターの事は何でも受け入れる、マスター星人なのに珍しく拒絶反応示しててちょっと面白かった。


それにしても何故、蚊取り線香Tシャツなのかいくら考えても分からない。



その日の夜、公斗とデート終わりにうさぎに電話で聞くことにした。


「うさぎ、今日まもちゃんとデートしてたでしょ?見かけたわよ~」

「見てたなら声かけてくれたら良かったのにぃ~」

「ラブラブな所に割って入るの悪いし、私も公斗とデートだったし、それに変なTシャツ着てて声かけづらかったしぃ~」


それと無く蚊取り線香Tシャツに触れてみる。


「蚊取り線香Tシャツの事?可愛いよね~」


食い付いてくれたけど、か、可愛い?聞き間違え…じゃないわよね?

可愛い?どういう事?疑問しか沸かないんだけど…


「可愛いってどういう事?」


思い切って聞いてみた。


「何かね、蚊取り線香はアース製薬で、アースといえば地球、地球といえば地球を守護に持つ俺だろ?だって。可愛い発想だよね~」


なるほど、そういう事か~。だからって可愛いとはならないわ。流石はうさぎだわ。


「へぇ~そういう意味だったんだ~」


収穫はあったからその日の電話はそれで終わった。

公斗に早速教えてやろうとうさぎとの電話終わりに電話する。


「もしもし公斗?今日は楽しかったわ。ありがとう」

「わざわざお礼の電話か?珍しいな、どういう風の吹き回しだ?」


なんでコイツはこんな言い方しかできないんだろ。まぁいいわ。


「用が出来たからかけたのよ!まもちゃんの蚊取り線香Tシャツの事で」


「すまん。で、何か分かったのか?」


うさぎから聞いたことをそのまま話すとカミナリに撃たれたみたいに衝撃を受けていた。


「そうか…なるほど、流石だ衛。俺も見習わなければ」


と言いながら電話を切ってしまった。

訳を知った途端まもちゃん褒めだした。

やっぱりマスター大好き星人なのね。



後日、四天王全員にまもちゃんと同じTシャツが公斗から押し付けられたらしいと聞いて私が衝撃を受けて固まってしまった。 



お願いだから私とののデートや外では着ないでね!





おわり



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