セラムン二次創作小説『幸せの形とは?(ジェダレイ)』


「寒いわね」

「はい、手袋とマフラー」


「喉が乾いたわ」

「はい、温かい紅茶♪飲んで温まって」


「そろそろ御札が無くなりそう」

「昨日、発注しといたよ!」


亜美の受験祈願に、和永の様子見がてら火川神社へとやって来た私は、目の前の光景に絶句した。

和永がまるでパシリの様に、レイの尻に敷かれていた。

慣れているのか、かなりテキパキとレイの一言一言に右往左往。

きっと日常茶飯事的に尽くしているんだろう。行動がとても早い。

レイもレイで当たり前のように受け入れている。恐ろしい子。


「和永、来てやったわよ!もてなしなさい」


助け舟?を出してやる。

と言っても客だから余り変わらないけど。

ってか私もこき使うけど。


「おう、彩都か」

「あんたさぁ、今の何?」

「へ?今のって?」

「自覚ないわけ?下僕化してたわよ」


そう、バイトと言うよりは下僕。

バイトの領域は最早超えていた。


「ああ、下僕じゃねぇよ!したくてしてるんだ」

「あんたそれで幸せなの?」

「俺がしたくてしてる事だから、幸せだけど」


あっそ、余計なお世話様だったかしら?

まぁそうよね。幸せの形なんて人それぞれだし。

和永かこれが幸せだっつってんだから、それ以上私が言う事じゃないわね。


私も、他の人から見たら亜美に放ったらかしにされて可哀想なんて思われてるんだろうな。

でも、一緒に勉強したり、彼女の勉強の合間にデートしたりして楽しいのよ。

だから、和永も私が知らない所でレイとよろしくやってるならいいのよ。

恋人間でしかない分からないことが多いものね!


「そ、でもあんた、四天王の一人としての威厳ゼロよ」

「レイの前に四天王なんていらないよ!」


キッパリ言い切ってくれたわね!

恋愛脳の脳内花畑化……。

まぁ前世ではみんな実らぬ我慢の恋愛だったから、分からなくもないけど。

レイもレイよ。和永が四天王の一人って事、忘れてんじゃないでしょうね!

まぁ“忍耐と調和の騎士”だから、それは今でも変わらずな感じなのは嬉しいけど。


「でも、衛の事はレイと同じ位大事だと思ってる。何かあれば絶対、四天王の名のもとに駆けつける!」


へぇ~、失望してた矢先、言ってくれるじゃない!


「それでこそ四天王の一人、“忍耐と調和の騎士”に相応しいわ」

「お前はどうなんだ?」

「私も、衛が大事よ!何があっても最優先!」

「流石、“浄化と癒しの騎士”だな」


私たちはいついかなる時も衛の為にこの命がある。

それは亜美達も同じで、互いにそこは譲れない。

だからこそやっぱり四天王は四守護神でなければならない。

彼女達をそれぞれ選び、惹かれた理由の一つ。

だから今は和永は思いっきりレイの尻に敷かれてるってことで理解して良いかしら?





おわり



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