セラムン二次創作小説『マーメイドのように(ゾイ亜美)』


まぁたここに来てる。


彼女に会いたいと思い連絡をしても全然繋がらない。


日々のほとんどを勉強に当てている彼女、どんな難題に取り組んでいても連絡すればすぐにとは言わないまでも鳴らし続ければ電話に出てくれる。


まぁ仕方なくと言う時もあるけど、稀に私にも問題を質問してきたりもする。


そんな彼女に、もう時間をおいて5回程鳴らしているのに出ない。


こんな時は大概あそこにいる。


スポーツセンターのプールだ。


勉強に煮詰まったり悩んだりすると泳ぎたくなるらしい。


ぐちゃぐちゃした考えの頭がまとまってくると言っていた。


天才少女も楽じゃないのね?と思った瞬間だった。


今回もそうだろうと思い立ち、彼女がよく通うスポーツセンターへ好きなサンドイッチを買って差し入れに行く事にした。


スポーツセンターに着くと案の定、泳ぐ彼女を発見する。


相変わらず綺麗でしなやかな泳ぎ、まるでマーメイド。


流石前世は水の星出身者。


だけど引くほど必死に泳いでる。


これはまだまだかかりそうだと思いプールサイドに座り、眺めて待っていることにする。


今日の水着はスクール水着か…。


実は彼女に会いたいのは勿論大前提だけど、わざわざここに来るのは亜美の水着姿が見たいから。


口実なくタダで見られるチャンスじゃない?見ないと損でしょ?笑


女口調だけど心は男だから見られるなら拝みたいでしょ?


今日はスクール水着だけど、他にも何着か持ってるみたいで何度か来てるけど今の所被りは無い。


こうなると全部見て目に焼き付けたいのが男心ってもんでしょ?


ぼんやり見ていると満足したのか彼女が上がってきた。


私に気づき、驚き謝りながら慌てて近づいて来る。


「来てたなら声かけてくれれば良かったのに」


「真剣に泳いでるから声掛けづらかったのよ。それより大丈夫なの?何か悩み?」


「難しい問題に煮詰まっただけ。でも泳いでスッキリしたわ。解けそう」


「そうみたいね。いい笑顔よ」


「所で何か用だったの?よくここにいるって分かったわね?」


「用は特に無いのよ。ただ顔が見たくなっただけ。何度も連絡したけど出てくれなかったからここかなって。はい、サンドイッチの差し入れ。お腹すいたでしょ?」


「ありがとう」


好きなサンドイッチを嬉しそうに頬張る彼女を見て、何でもない日々だけど、彼女とこうして普通の日常が遅れるこの時間が幸せだと思う真夏の昼下がり。





おわり



いいなと思ったら応援しよう!