ご案内します
7/7は過ぎてしまった。
栃木にいい神社があるの。
そう聞いてはいたけれど、まさか今日行くとは思っていなかった。私たちには弾丸という言葉が似合うのかもしれない。
織姫神社、名前を聞かされたのは彼女からだった。運転が好き、神社が好き、海も森林浴も好き。気が合う2人。時折出かけては、男性ともこうやって気軽に過ごせたらいいのに......なんて話す。男女の関係というのは悩ましい。
到着は日暮れ後すぐで、まだ少し空が明るかった。しかし今日は小雨も降り天気が優れない。
恋人の聖地と書かれた鐘を横目に市街地を眺める。暗くなった方が綺麗かな?
戻ってきてからもう一度眺めよう。
本坂を降りて、鳥居のコースで進もうと言うので、一旦降りて七色の鳥居へ。
1人ではないとはいえ、足取りも重たくなってきた途中、鳴き声が聴こえる。
「猫いる」
「どこ?」
振り向いたベンチの下に猫がいる。雨が降っていたせいか雨宿りか。
鳴いてくるので、しゃがんでご挨拶。
「餌はないんだよ、何も持っていないの」
バイバイと言っても鳴いてくる。
触ると逃げるので、人嫌いかとも思ったが
猫飼としてはそこは慣れっこなので、抱き寄せてみた。爪は立てないが、抱っこは嫌だよのご様子。木の影に隠れてみたり、そっとしておこうと先に進む事にした。
すると後ろからノコノコ出てきて先頭へ。
「案内してくれるの?」
次の鳥居の元までのご案内、そしてお見送りとなった。可愛いキジトラさん。
出会いはいつだって偶然だ。
心動かされる出会いも。
本殿のライトアップも綺麗だけれど、街並みの夜景が素敵だった。次は渡良瀬橋の夕日と八雲神社も一緒に。