離婚のこと② 真夜中のソフトクリーム
離別する決意を決めてから
兄と共有する時間が一時的に増えた
報連相である
頼る人はいつの間にか父でなく
兄に切り替わっていた
世代交代ということだろうか
証人になってよ、とお願いして
仕事帰りの兄を呼び出した
兄は私と意見も性格も違う
私は感情を入れ込み過ぎる
悪い癖がある
そして感情が表に出やすい
兄は私よりもドライで冷静だ
そんな兄だけど、今回の件に関して
お前は親父の影響もあるよと
私に言ってくれた
受け止め過ぎてしまうこと
相手を許して飲み込んで
我慢しすぎてしまうこと
自己肯定感が低いこと
言動の背景を懸命に探ろうすること
表向き明るく振る舞ってしまうこと
子供の頃の回想を色々話してくれた
私の記憶に残っていないような話まで
会う都度に話す、幼い私が作った工作を
父が激情した際にビリビリに破いて、
泣いている妹を見てられず
セロファンテープで全部貼って
直したという逸話は、
よほどの事だったのだろうと思うのに
本人は記憶残っていないという事実で
なんだか申し訳なさを感じる
兄はそうやって妹の私を
かばってくれたり、慰めながら
守ってくれていたんだと思った
じーんときてしまう
行動力もなく頼りない
お兄ちゃんはいつだって
やらない、動かない!!
そう叫んでいた自分を恥じる
なにか買ってく?
アイス食べたい!
そう言ってコンビニの
ソフトクリームを手にした
俺もと言って、カフェオレが
同じソフトクリームに変わった
真夜中1時
車で食べるソフトクリーム
横並びに映る姿は
あの日の写真の2人のまま
歳を重ねても変わらないものって
あるんだね
たまにはアルバムでもみてみよう