読書『「原因と結果」の経済学』
中室牧子さん・津川友介さん共著の『「原因と結果」の経済学』を読んだ。
あらすじは下記の通り。
「〇〇が起こった原因は〇〇だ!」と日常から誰もが考えたり、その推論に基づいて行動すると思う。
しかし、その因果関係は本当に正しいのだろうか。
ということを改めて感じた本だった。
特にこの本は経済学の書籍なので、仕事や商売で扱う数字(結果としての売り上げ)が行った施策や払ったコストに妥当性があったのかを検証するために必要な考え方や要素がとても丁寧に紹介されていた。
ただの偶然の相関かもしれないし、まったく別の交絡因子が原因であることになかなか考慮できず、見えている数字だけで因果関係を推論してしまうことは多いように感じる。
特にビッグデータを扱う現在の世の中では、この因果推論を正しく知っておかないと、せっかくのデータが無駄になるだけでなく、大きな損失になりかねない。
大きな判断や決断を下す人は単に数字に強いだけでなく、こういう因果関係が正しく成立しているかの心眼も持つ必要がある。
難しいことを書かれていそうなタイトルの本だが、数式などはいっさい登場しないし、冒頭にも記載あった通り「入門の入門」として楽しく読める一冊だった。