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下調べ、下準備

下調べや下準備を一人で黙々とやっている時がとても楽しい。正直なところ、本番よりも楽しんでいるんじゃないかと思うくらいだ。

「こうやったらもっと面白くなるんじゃないかなー」とか、「これをやったらきっと相手が驚くに違いない」なんて妄想しながら、あれこれ考えて手を動かしていると止まらなくなる。その時間は、自分にとって小さな宇宙のようでもある。

なぜそんな風に思うのだろうか?
自分の深層心理に問いかけてみても、はっきりとした答えは出てこない。
『地道な積み重ね』というキーワードで記憶を遡ると、中高生の頃に吹奏楽部で経験した記憶が蘇ってくるが、ちょっと違う気がする。

毎日の練習、音を揃えるための基礎練、何度も繰り返すパート練習。
定期演奏会やコンクールといった本番の一瞬が終わったときに感じる快感や達成感は、言葉では言い表せないほどだった。
ただ、その感動は仲間と苦境を乗り越えた結果や、やっと解放された安堵感から来ている部分が大きい。
冒頭で話した「一人での下調べや準備が楽しい」という感覚とはまた別物だ。

では、今の自分が下調べや準備を楽しめるのはなぜなのだろうと再度考える。
ふと「自由だから」という答えが浮かぶ。誰かに「あれをやれ」「これをやれ」と指示されてやることには、そもそもの源泉が自分にはない。だから、そこには楽しさも湧きにくい。

一方で、下調べや準備は、誰にも命令されるわけでもなく、やらなくても誰も文句を言わないようなものがほとんどだ。むしろ、やるかやらないかは自分次第。世の中に影響を与えるわけでもなく、自分の好きなように進められる。だからこそ主体的に取り組むことができるし、どこまでもこだわれる。

今も、作ってみたいものや人に伝えたいアイデアがいくつかあって、考えているだけでワクワクする。
頭の中で膨らんでいくイメージは、いつでも自分の心を躍らせてくれる。

自分の有限な人生の中で、できる限りたくさんのアウトプットを形にしていきたい。
小さくても、地道でも、一歩一歩が自分の足跡になると思うから。

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