沖縄に住む
明日から沖縄に住む。
読谷という村だ。
うちから成田空港まで1時間、
成田空港から那覇空港まで3時間半、
那覇からさらにバスで1時間。まあまあ遠い。
静岡県沼津市で生まれ、3歳で千葉県某市に引っ越し、そこからずっとこの街で育ってきたわたしは、初めて実家を出ることになる。
沖縄は、帰ろうと思ってその日に帰れる距離じゃない。陸で繋がってないのがでかい。
うん、やっぱり、まあまあ遠いな。
はじめは寮があるから、キャリーとリュックだけで引っ越し。身軽なもんだ。
まあ、日本だし、どうとでもなるだろって思ってる。
まじでこんな生き方しかできない。
でも、こんな生き方が好きだ。
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決めてからは、早かった。
会社を辞めて、イントラ試験を受けて。
ここまでで2週間。
仕事を決めて、準備をして、そしていろんな人に会って。あっという間に3週間が過ぎて、明日が出発。
中学の友達、高校の友達、
大学の部活の同期、学部の友達、バイト仲間、
1社めの同期、かわいがってた後輩、
2社めの仲良かったお客さん、
二丁目の仲間、よく行くバーのママ、
母方の実家、父方の実家、家族。
べつにもう二度と会えないわけじゃないのに、
チョイと沖縄に行くぜ、ってだけなのに、
本当に色々な人が会ってくれた。
遠方の友達や叔父叔母は、何時間でも電話をしてくれた。
めちゃくちゃありがたいことだ。
つくづく、周りに恵まれていると実感する。
自分が過ごしてきたコミュニティで、数人ずつ、こうしてずっと友達でいてくれるってチョー贅沢だ。
頻繁に会ってた人もいるけど、1年に一回の人もいるし、下手したら3年ぶりの人もいた。
そんなに久しぶりのくせに、みんな変わらず温かくて、そんなに会ってなかったくせに、遠くに住むとなると寂しい。わたしは意外と寂しがりやなのかもしれない。みんなのこと大好きだ。
一人が言った。
「頻繁に会ってなくたって、何かあったらすぐ駆けつけられる距離にいるってのが大事なの!」
でも安心してくれよ、
お前らに何かあったら、沖縄からだって駆けつけるよ。わたしには、きっと何もないから大丈夫。
何もないけど、遊びに来てくれたら嬉しい。
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遊びに来る、で思い出したけど。
「東京帰って来るときは連絡してね」はだいたいみんな言ってくれるけど、私の友達はそれに加えて「沖縄に遊びに行くよ」と言ってくれる人が多い。どんなフッ軽だよ。愛してるぜ。
べつに、実現しなくたっていいんだ。
そう言ってくれるだけでも、すごいことだ。
本当に来てくれるんなら、何時間でも飲もうや。
そして、めいっぱい沖縄を案内しよう。
絶対休み取るからな!
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調子いいことばっか言ってるけど、
沖縄にも友達は数人いるとはいえ、ツテもコネもなんにもないところにいきなり一人で行くのは、こんなアホちんでも1ミリくらいは不安!
キャリアなんか年始にダイビングを仕事にした時点で捨ててしまったからもうとっくにないし、安定した正規ルートもない。
あーあ、めちゃんこ貧乏になるかもしれんな!!
まあそんときゃそん時だ!!!
行きたい気持ちが勝ったから、行く。
なんとシンプルな人生!万歳!
男子小学生みたいな無敵感が、抜けきらない。
こんなしょうもないわたしが死んだら、
骨は海に撒いてください。
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悠長にnote書いてるけど、想像通り荷造りは終わってません。
部活の合宿でも、仕事の出張でも、プライベートの旅行でも、前夜に荷物が完成したことなんかただの一度もない。
26歳、ちゃんとやらんかい。
荷物に隙間があったら、
お気に入りのぬいぐるみを、1つだけ連れて行こう。
明日から沖縄に住む。
死ぬまでにやりたいことをひとつ叶える。
破天荒で、無鉄砲で、大バカ野郎だけど、
また次に会ったらおかえりと言ってほしい。