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自作キーボード #1:Soyuz

在宅ワーク環境を整えようと勤しんでいたら、いつのまにか自作キーボード沼に片足を突っ込んでいました。とりあえず1個お試しで作ってみて、今はパーツが届くのを待っている作成予定キーボードが3つほどあります。あれ、手遅れ……?

と、いうことで、自作録を記しておこうと思います。記念すべき第一回は、自作キーボードキット『Soyuz』です。


そもそもなぜ作ろうと思ったのか

以前の記事で書きましたが、私が現在使っているキーボードはテンキーレスモデルです。これには、マウスとの距離が近いほうがいいなとか、テンキーレスのほうが安いよなとか、そもそもアキバのヨドバシにテンキーレスしか在庫なかったとか、それはそれは複雑な事情があるのですが、やっぱり数字を打つ際テンキーは欲しいものです。

もちろんテンキーボードは1000円くらいで市販されているものがたくさんあります。

これは某密林で一番売れてるモデル。

しかし、市販テンキーには、致命的な欠陥がありました。

それは、キー配列。

私は簿記2級ホルダーなのですが、これを取得する際、相棒だったのがCASIOのJS-20WKという電卓です。

簿記というのはいかに電卓を自らの一部として素早く正確に扱えるかの試験なので、奮発して高級電卓を使っていました。おかげで我ながらそこそこの早打ちができるようになりました。神の電卓なので、おすすめ。

脱線しましたが、私はテンキーというものを打つ際、このJS-20WKのキー配列以外を受け付けない体になってしまったのです。しかし、このなかなか特徴的なキー配列、そりゃあ市販テンキーではお目にかかれません。

理想の在宅ワーク環境を整えようという熱意に燃えていた私は、ここで妥協を許さず、JS-20WKナイズドした理想のテンキーを自作することに決めました。


【蛇足】
電卓って、右利きなら当然左手打ちだと思うんですけど、市販のテンキー付きキーボードってどれもこれもテンキー右側にあるんですけど、なんでなんでしょうね……???


買ってきた@遊舎工房

なにせ電子工作初心者、当然自作キーボード初心者なので、ハジメテから個人輸入でパーツを選び、集めて、組み立てるのは不安がありました。なので、日本で唯一のキーボードパーツ専門店、自キの聖地こと「遊舎工房」で一式揃えることにしました。

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事前にホームページで予習してきていたので、Soyuzを買うことは決めていたのですが、Soyuzはキットの他にキースイッチ、キーキャップ、スタビライザーを追加で購入しないといけないので、店員さんに確認してもらいながらパーツを買い揃えます。

それから秋葉原の街で必要工具も買い揃えます。

そんなこんなで買ってきました。いちおリンクも貼っておきます。

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自作キーボードキット「Soyuz」
(内容物:PCB、プレート、ProMicroとピンヘッダ、ダイオード、タクトスイッチ、スペーサー、ネジ、ゴム足)

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DSAプロファイルの無刻印キーキャップ

肉球キーキャップ

2Uスタビライザー

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Kailh Speed Pink Switch(クリッキー軸)

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・工具たち
(ほんとは温度調整できるハンダゴテが欲しかったけど、高いので見送ります。やっすいやつですが、まあなんとかなります)

いざ、組み立て!


組み立てる

説明書のQRコードを読み取ると、ごくごく簡単な組み立てガイドのページが出てきます。流石によくわからないので、そのガイドに貼ってあるYouTube動画を参考に組み立てました。外国の人がSoyuzを組み立てている動画で、何を言ってるのかは全くわかりませんが、大体の手順がわかります。


①ダイオードをひたすらはんだづけする

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ダイオードを台紙からペリペリ剥がし、画像のように折り曲げて、PCBの穴に差し込みます。

このとき、ダイオードの向きに要注意です。ダイオードの黒いラインと、PCBのダイオードマークで線が引かれている側を合わせます。

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ぜんぶ差し込んだら、私はここでダイオードの上からマステを貼って動かないように固定しました。良いのかは知りません。

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裏っ返して、はんだづけしていきます。写真を取る余裕はありませんでした……

はんだづけし終わったら、長い足をニッパーで切っていきます。

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終了。


②ピンヘッダとタクトスイッチをはんだづけする

これらも、ダイオードと同様はんだづけしていきます(写真はない)。

が、わたしはここで2つミスしてしまいました。

まず、ピンヘッダの片方が基盤に対して少し傾いた状態ではんだづけしてしまいました。あとでProMicroをピンヘッダにはめる際、めちゃくちゃ大変でした。最終的に、ピンで指を負傷しながら力づくでなんとかはめることができましたが、私のようにならないよう、ピンヘッダは両端のピンだけはんだづけして、歪みないことを確かめてから他のピンをはんだづけするようにしよう。

それから、タクトスイッチですが、PCB側が4ホールなのに対し、付属のスイッチが2ピンだったんです。実装方法が全くわからず、あてずっぽうで片方のサイドの穴に差し込んではんだづけしたんですが、後のファームウェアの書き込みの際、いくら押してもリセットすることができませんでした(そりゃそうだ)。

ちょっと調べてみた感じ、となりあうホールではなく、対角線上の2ホールにはんだづけしないといけなかった?ような気がします。わかりませんでした。まあリセットスイッチなくてもなんとかなるのでいいんですが、有識者の方、後学のため教えて下さい。


③プレートにスイッチをはめ、PCBにはんだづけする

プレートにキースイッチをもりもりはめていきます。

と、その前に前回作った導通チェッカーでキースイッチが壊れていないことを確認しておきます。

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下のピンに導通チェッカーをつないで、導通が確認できればオッケー。チェッカーも自作しただけに、地味に感動です。

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こんな感じではめます。プレートは一部2Uサイズの穴が空いていますが、そこにスイッチを2個はめることももちろん可能です。すべては製作者の思い次第。VIVA自作キーボード。

すべてはめ終わったら、PCBとがっちゃんこします。このとき、スタビライザーを使う場合はPCBに取り付けておくことを忘れずに

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こんな感じになります。左下、プレートの穴からスタビライザーが覗いてますね。

裏返して、スイッチとPCBをはんだづけしていきます。結構ホールが大きいので、多めにハンダを流し入れました(写真はない)。


④ProMicroをはんだづけする

スイッチをはんだづけし終わったら、最後にProMicroをはんだづけします。なお、これはusb部分が非常にMOGEしやすいらしく、接着剤を盛ったり、取り外しできるようにスプリングピンヘッダを使ったりしたほうが良いらしいです。今回は面倒だったので素でつけました。

最終的にPCB裏はこんな感じになります。

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これで、キーボードの基礎部分は完成!


⑤ファームウェアを作成し、書き込む

このままではこれはただの愛らしいインテリアです。キーボードとして機能させるためには、ファームウェアを書き込む必要があります。

USBケーブルでPCとつなぎます。今回はファームウェア作成にQMK  Configurator、書き込みにQMK Toolboxを使用しました。

この作業については、偉大なる先人による超わかりやすい解説がたくさんあるので割愛します。

参考文献様:
(初心者編)QMK Configuratorを使ってキーマップを書き換えよう
(初心者編)自作キーボードにファームウェアを書き込む

私が詰まった箇所についてだけ記しておきます。

1つ目。先述の通り、私はリセットスイッチの実装に失敗したため、リセットスイッチが使えません。でもまあ、これは簡単です。参考文献様にて解説されている通り、ProMicro上のRSTとGNDというピンをピンセットとかで触ってショートさせます。これでオーケーです。

2つ目。私の場合、初めての書き込みまでは普通にできたんですが、2回目以降、なぜかそれまでに書き込んだキーマップが残存してしまいました。主にレイヤーに関連するキーについておかしな挙動がでていました。なんだかよくわかりませんでしたが、QMK Configuratorを一度閉じて、開き直す(これまで作成したファイルやコンパイルの履歴を消す?)した後再びファイルをコンパイルし、書き込むことで解決しました。QMK Configuratorの仕組みを理解していないので、原因はわからずじまいですが、まあ解決したからヨシ!

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最終的にこんな感じのキーマップになりました。なんやかんやでもとのJS-20WKとちょっと違う感じの配列になりましたが、使用感は似ていて気に入っています。


⑥バックプレートを取り付け、キーキャップをかぶせる

最後の仕上げです。

工夫したのは3つ。

まず、プレート横を黒の油性マジックで塗りつぶしました。

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これだけで、見た目クオリティーが何倍も跳ね上がります。

次に、ゴム足を一部でかいのに交換しました。

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ホームセンターとかで売ってます。

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これのおかげでキーボードに傾きが生まれ、ぐんと打ちやすくなります。

最後に、ホームポジション(数字の5)に「ポチ」をつけました。

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100均で売ってるレジン液を1滴たらし、10分くらい太陽光に当てればオーケー。無刻印だけに、このポチがあるとないとで大違いです。

そんなこんなで、完成!!!!!

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レイヤーキーに配置した肉球キーキャップがプニプニしてひじょーにいい感じです。


終わりに

多少の失敗はあれど、無事初めての自作キーボードを完成させることができました!ちょっと無骨な見た目ですが、自分で作ったと思うと愛着もひとしおです。

ファームウェア書き込みに要した時間を除けば、制作時間は3時間くらいかな?やっぱり、電子工作楽しいですね。

とりあえず普通のキーボードは今使ってるProgresTouchが気に入っているのでいいとして、いろんな変わり種キーボードを作っていきたい所存です。

頼んだパーツ、早く届かないかな……

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