随想⑤


濁った目で雨の中を歩いて昼食を買いに行く。
同じ目で同級生の輝くばかりのSNSを眺める。
一畳半の書斎で、数日前から着ている寝巻を着て、カップラーメンを啜る。
恋人も予定もGWの連休もない社会人二年生の休日。

他人に対する苛立ちは、自分の理想を押し付けているからだという。
「他人に対する悪意は結局、奥底にあるのは嫉妬ではないかしら」

学問に戻りたいと思う。
そうは言ったが、何一つそれを迎える努力をしていない。
そんな願望も日に日に霞む。

長らく同期の姿を見ていない。
あらゆるところで様子を聞かれるが知らないものは知らない。
彼が何をしているのかも知らない。
知っているのは周りの人からの彼への評価だ。

現場に立つと、性格が変わる。
仕事のモードと普段のモードは入り混じることがない。
エネルギーの消費が激しい。

無意味に金を支払い続ける。
人生とは無駄をいかにつくるかで変わってくるのだと……




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