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広告にあるFX必勝法やEAってどうなの?(2)

では「広告にあるFX必勝法やEAってどうなの?(1)」の続きになります。前回は現在世界一と言われている投資家がどの程度の利率なのかに触れました。今回はドルと円の値動きから計算をしてみようと思います。       前回書きました「1ヶ月の利益率300%(元資金が4倍)とか、10万円を1年で1,000万円にした方法」というような必勝法やEAですが、この利率をトレードでしようと思ったらどうすればいいかを計算してみようということです。

まず用いるデータですが、少し過去になりますが、USD/JPY(ドル円)の2010年1月~2017年12月までの8年間の日々の終値の変動(銀行発行の数値)を参考にしていこうと思います。終値とは毎日の終わった時の相場価格の事です。

そして、そのデータから3つの数値が現れたのでそれを使っていこうと思います。その数値とは「14円」「55円」「53円」の3つです。では順に説明していきましょう。

まず「14円」ですが、これは年間の最安値の価格と最高値価格幅の8年の平均値となります。(1円未満は切り捨てています)いわば1年間で開く相場の幅の平均になります。※近年を入れると15円~16円になります

次に「55円」ですが、これは翌日の終値の価格が前日の終値の価格に比べて下がっている(円高になっている)場合に、下がった価格分を1年間合計した数値の8年の平均となります。

最後に「53円」は「55円」の逆で翌日の終値の価格が前日の終値の価格に比べて上がっている(円安になっている)場合に、上がった価格分を1年間合計した数値の8年の平均となります。

では、ここから資金が100万円(1万ドル計算)あるとして計算してみます。

まず「14円」を使って計算しますと、FXの取引で仮に1年間の最安値と最高値が分かったとしてレバレッジなしの100万円=1万ドルで取引をしたとすると利益は14万円となり、年利は14%になるという計算結果です。

次に「55円」「53円」を使って計算しますと、毎日翌日の終値がどれだけ上がるか下がるかを確実に予測できて毎日1回1万ドルで取引したとすれば、1年間で55円と53円の合計108円分の利益を取れるということなので、利益は108万円となり、年利は108%になるという計算結果です。

この2つの方法を比べると毎日取引した方が利率がいいので、年利108%の利率を元に"月300%の利率や1年で10万円を1,000万円する"にはどうすればいいのか考えてみます。

そうすると2つの方法に至りました。

"1万ドルでの取引回数を上げる"か"レバレッジを使って取引額を増やして取引をしていく"

のどちらかです。

FXで取引できるに日数は年間約260日で、先程の55円+53円の計算からすると260日毎日1回の取引(260回)で108%の年利となりますから、これから算出すると

"1万ドルでの取引回数を上げる"方法で"月300%の利率や1年で10万円を1,000万円する"には約8,000回~26,000回(1日30回~100回)の取引を勝率100%で取引し、更に合計108円(10,800Pips)幅以上の利益幅をする必要があります。

次に"レバレッジを使って取引額を増やして取引をしていく"方法ではレバレッジ25倍で計算すると限界まで資金とレバレッジを利用した場合で毎日2回の取引を勝率100%で取引し、先程と同じく合計108円(10,800Pips)幅以上の利益幅をする必要があります。

そして投資という資産形成ではこれを継続していくということになります。

確かにトレードで利益を出せていければ資金も増加するのでここまでの勝率や回数はいらないかもしれません。しかしそもそも100%の勝率は不可能ですから、"損切り"が発生し、"損切り"を行なうということは、資金額の増加に比例して損失額も増加するので、結局それを補うために取引回数を増やさないといけないんです。

こう考えていくと"継続"という点では非常に難しいというのは分かります。「短期ならそれでもいい」と思うかもしれませんが、もし月300%の利率がでたとしたらその時点で投資をやめられますか?欲が出てやめずに増えた資金を使ってさらに継続しようとするのが人です。そうなれば結局長期間の運用になり最終的に待っているのは損失の可能性ということなのです。そのリスクを取る覚悟があるかということです。

それと同時に、億以上のお金を自身のトレードで稼ぎ続けている人がその方法を有料で販売する必要があるのか?ということも考えてみてください。

私は実際に高い利率を狙ってしまって失敗した経験があり、今では「銀行より金利がよければいい」と割り切って年利10%~20%くらいでかつ損切りを一切しない手法で、貯金として資金を追加しながら運用していっています。将来の為にはそれが一番だと思いますが、短期でいっきにを狙う方は高い利率の手法を試してみてもいいかもしれません。

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