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「デザインのミラノ」が実質的な内容を伴いつつある。
ミラノのデザイン界がほんとうに次元を変えて動きつつあるのを実感します。
以下の日経COMEMOの記事で、ミラノサローネがミラノ工科大学に「サローネのエコシステム」の調査を委託したことを紹介しました。2月13日のプレス発表のことです。
その翌日、2月14日、今度はトリエンナーレ美術館でプレス発表がありました。ここに年間、開館時にはいつでも誰でも無料で使えるスペースとサービスがあるデザインセンター”Cuore Centro Studi Archivi Recerca"がオープンしたのです。
30万点以上の本、カタログ、写真、図面などがアーカイブされており、開架式に見られる資料とアポをとって司書に見せてもらう資料の両方があります。ル・コルビュジェの図面なんかもありますよ。
まさしく、ぼくのやっているプロジェクトにバッチリの相談役になってくれる場です。さっそく司書にお会いし、資料の検索をお願いしました。来週、深く相談にのってもらうことになりました。ぼくがお願いしたのは以下です。
1960年後半から1990年あたりまでのイタリアデザインの変化に関して調べている。ラディカルデザインからはじまり、80年代のメンフィスとドムスアカデミーの隆盛期まで。作品をもとにした通史や個々のデザイナーの作品集は多くあるが、デザイナーのネットワークがどうだったか、そこでどのような会話が交わされ、どのようにコンセプトが形成されていったのか?については資料が乏しいように思える。特に、それがイタリア国外に知られていない。そこで、それが分かる資料を探して欲しい。
そうしたら、「やってみよう」と言ってくれたのですよ。で、来週後半までに彼女がそれなりに資料をあたり、その報告をくれるのです!当然、すべてを満足する結果はないでしょうが、いわば「イタリアデザインの殿堂」がどこまで資料をおさえているのかが分かる意味は大きいです。
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なによりも、写真にあるように、光があってとても明るい気持ちの良い空間に通うのは嬉しいです。位置としては入り口から入って左手にあるチケット売り場を通過してすぐ左です。外観からすると、以下、日本式の1階にある窓にスクリーンがかかっているところです。
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(因みに2階のスペースではカルティエ財団のサポートでRon Mueckの展覧会をやっています。そっちはこんな作品が展示されています)。
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コンテポラリーアートの作品で頭を刺激した後、過去のデザインのアーカイブに浸ったり、その逆ができるわけです。デザインを考えるに相応しい空間と時間が用意されているということです。
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