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<読切シリーズ>私の婚活思い出話その9 「女性の社会進出」が分からない男たち

※このシリーズは、全話読み切りなので、どの話から読んでもオッケーです。

ブログ書く主婦のANSYです。
しばらく私の婚活の思い出話を書きます。
10年以上前の話ではありますが、こんなこともありますよと、参考にしていただければ幸いです。

今のご時世(というか10年以上前だけど)専業主婦希望は良くないとか、女性も共稼ぎでがんばるのが良いとか、そういう意見が多数派になった。
そう言われると、(素直な)私も「そうか。結婚してもがんばって働くのだな」という覚悟をした。
私は婚活していたころ、無職だったとか、そういうわけではなかった。仕事してた。父親の介護も。
でもフルタイム働いて、家に帰って、老いた父親の世話をするのは、たいへん辛かった。
介護兼会社勤めって、まあキツいんですよ。
家を出て所帯を持った兄は、家族そろって父親には触れず。
同居していた妹は、残業の多い仕事に就いていたため、なかなか平日に食事を作るとか、してくれなかった。
こういう生活は何年も続いた。めちゃくちゃ辛かった。
そういうのを、私は身に染みて経験したので、軽く「共稼ぎの方が偉い」だの「専業主婦はラクしてる」なんて言えない。
専業主婦をバッシングする人は、本気で育児も介護も経験していないんだと思う(後はべらぼうに体力がある超人か。ごく稀なケースだけども)。
だから、私は、育児または介護経験の無い人が、専業主婦を揶揄するのは、全部茶番だと確信している。

それはさておき、私の婚活時代の話だ。
やっぱり「共稼ぎ志望の男性」はいた。少なくなかった。
パート勤めでもいい、という人から、フルタイム正社員共稼ぎを希望する、と、そこはバリエーションがあった。

私は3人くらい「フルタイム正社員共稼ぎがいい」という男性に会った。
彼らは全員「女性の社会進出に理解があります」と言った。
私は、それを真に受けた。
でも彼らは女性の社会進出に理解なんか無かった。1ミリも無かった。

ひとりは「うちの母は、味噌汁を作るとき、ダシを丁寧に取るんです。あの味を継いでほしいな」と私に話した。
え?この人、私にフルタイム正社員で働いて欲しいんでしょ?
そのあと、家に帰って、ダシから味噌汁作ってもらいたいのか。
だから私も「いいですね!そういうの好きです!あなたがそのお母さまの味を継いで、私に教えてください。一緒にキッチンに立ちましょう!」
とか言った。
……彼は私からフェイドアウトした。

次に会った共稼ぎ希望の男性は、やっぱり「女性の社会進出に理解があります」と言った。
ベンチャー企業に勤めている彼は、ちょっとオシャレな感じで、ああ、こういうタイプが先進的な考えを持つんだなあと思った。
ちょっとイケメンだったので、私もフラっと前向きになった。
後日「共稼ぎなら家事は分担ですよね。スケジュールとか立てて、がんばりましょうね」みたいなメールを、私は送った。

その、イケてる(ように見えた)彼からの返信は、
「あのさ、家事とか俺に言わないでくれる?そういうくだらない話とか、なんですんの?こっちは外で働くんだよ。女と違うんだから」
だった。
え?あなたフルタイム正社員共稼ぎ希望って言ったよね!
女性の社会進出に理解があるんだろう?
なんだその謎の反論!
驚いた。リベラルそうな話をしていたので、てっきり本当に、女性の社会進出に理解があるんだと思ってた。でもぜんぜん違っていた。

3人目の共稼ぎ希望の男性は「友達夫婦が二人で正社員でさー。結構稼ぐんだよね。羨ましい!」としか言わなかった。
ずっと、その「稼ぎのいい奥さんって、いいよね」ってな話ばっかりだった。
私が「でも奥さんを外で働いてもらうには、いろいろたいへんなんじゃないの?」
ときいたら、まあスルーですよ、彼。
そして、将来子供ができたら、という話をしたら「健康な子ならいいよね」としか言わず。
私は彼と別れてしまった。
なんだかなあ。

この共稼ぎ希望の男性たちに共通していたのは「家事育児介護プランは未定。なんならそれ奥さんがやるんじゃないの?なんで俺にその話振るの?ナメてんの?」
という態度をしたことだ。
本当だ。彼らは「きみが働くなら、僕も家のことやるよ」なんて一言もいわなかった。
見通しの甘さにビックリするんだけど。あれ本当に婚活してた人たちなんだろうか?

彼らの言う「女性の社会進出に理解があります」は、
「俺は、妻が(それなりの)給料持って帰って来るのを、クチ開けて待ってまーす!」
という意味だった。
……私にはそんな彼らと家庭を持つような、そんな甲斐性なかった。
たまにパワーのある女性が、家事も仕事もやるとかね、そういう話を聞くけど、そういう配偶者を持つのは、やっぱりそれなりに取柄のある男だよ。

後日、私は、婚活で出会った共稼ぎ希望の男性たちの話を、とある既婚女性にした。
写真も見せた。
彼らの写真を見た、その既婚女性は、
「……え?この人を婚活で相手にしたの?よく見なさいよ。いかにも仕事できなさそうな雰囲気よ?もっと考えて選んだら?」
と、私に忠告した。
私も「ですよね」とつぶやくしかなかった。

まあご自身の収入や立場に不安があるから、妻にも正社員でいてほしい、という強い希望があったんでしょうね。
でも、やっぱり、結婚後の家事育児介護についての話し合いすらできず、妻が正社員で働き続けた場合の、将来の計画も一切しないってのは、本当にどうかと思う。

彼らは結婚に関するリサーチもプレゼンもぜんぜんできてないんだから、仕事もできなさそう。そういうのって、トータルで繋がるものだからね。

ところで何年か前に「専業主婦は2億円損をする」という本が出版された。
要は、妻が専業主婦になると、2億円稼げたはずだったのが、ダメになってしまう、という話ですよ。
この話を夫にしたら、すーんごいビックリされた。
「え?そもそも女性社員を生涯雇用して、2億払う会社って、そんなにあるの?」
って言ってきたから、まあ世間知っていれば、そーゆー考えに至るよね。

もちろん、妻と家庭内のことを強力しつつ、共稼ぎを実行する男性もいる。
ただそういう人は、婚活の場では超少数派。
まともに共稼ぎで家事分担できる男性は、あんまり婚活には来ないって書いてる人いたし、私も体感的にそう思った。

逆に、フルタイム正社員共稼ぎ希望で、婚活している男性は、女性に対して、家事できますアピールとか、将来的な計画をプレゼンできれば、まあマシな方には入るのかもしれない。
ただし、正社員で働き続けたいという女性は超高倍率なので、もう、がんばってねとしか言いようがない。

ちなみに現在離婚理由の上位に「配偶者が家事をしない」というのがあるので、やっぱり、本気で夫婦共稼ぎでいきたい、ペアローンくらいがんばりたいのなら、家事育児介護については調べて考えたほうがいいですよ。
ペアローン組んでの離婚を、知人が考えているんだけど、地獄みたいな感じだった。


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