踊り続ける私たち
「今年は緑とオレンジが流行色!」
そういわれると弱い。ついつい、緑とオレンジが目に入ってしまう。
ついつい、流行りものには踊ってしまいがちだ。
いまだに、ファッション誌などで「これが今!」という記事に弱いため、ついついチェックをしてしまう。
色については流行などについつい影響されてしまう私だが、形にはある程度のこだわりがあって、かなり吟味して買っている方だと思う。
幸いにも、「いいね!」と褒めてくれる方に励まされ、自分でも似合っている!と感じながら好きに着ていた。
ところが最近、今までは好きに着ていたのが、急にこれまでのように「好きに」着れなくなってきた気がする。
年齢や好みの変化もあるし肌の質感の変化や髪の色、顔の変化やさらには体型の変化なども大きく影響しているんだと思う。
色々と考えて模索する中で、やっと最近、ある一定の答えが見えつつある。年齢で服装に悩む同年代同志の「あるある」になるかも?
50代、着る服に悩む
幼いころから子供にしてはシンプルな服や色を好むほうだった。
小学生の頃から、子供なのにカーキとかベージュが好きで、差し色にスカーレット的な赤とか、ビビットな色を合わせるのが好きだった。
父はよく母に「妹は女の子らしいピンクとかを選ぶのに、Mはちょっと変わっているよな…」と買い物のたびに心配そうに聞いていたらしい。
要は、子供らしくない好みだったようだ。(苦笑)
可愛いフリルや花模様が苦手で、無地や水玉、幾何学模様的なものが好き。
その延長線上で、今まで来た。
幸い、安くても高くても「自分の一番好きな服」を着ている時は、周囲から褒められることが多い。
だからいつでも基準は、値段ではなくて「自分が好きか嫌いか」。
ちょっと高価なワンピースでも、近所のスーパーで偶然見つけたラインが綺麗な1500円のスカートでも、職場の友人からは「その服、すごく素敵だね!どこで買ったの?」と褒められる事が多かった。
昔、女性の上司から「Mさんはいつも質の良さそうなものを着てるけど、被覆費って結構な割合なの…?」と心配そうに聞かれたりしたことも。
(実は当時の超薄給だった私が、何かのブランド物を着ていると思ってたらしく疑問だったらしい?もちろん、ブランド物からスーパーのものまでまぜこぜだと、種明かしはしなかったが。)
自分の「好き」を信じて、服を選んできた。
そして結婚してからは、夫の服も私の「好き」で選んだ。
(夫は結婚前、服に全くこだわりが無かった。)
結婚後、実は夫は急に周囲から「おしゃれ」扱いされるようになった。
夫の着ているセーターやTシャツは友人たちからも注目され、「そんなにかっこいいのは…もしかして全部日本製?」(いえ、こちらのもの。)と言われたり。
そうなると夫も、ちょっとおしゃれに敏感になり、以前よりも着るものに何かと気を付けるようになった。
今ではすっかり、女性のファッションや私の服の批評までしてくれるほどになった。(最近では私の服を選ぶのも付き合ってくれ、要望も言うようになった。笑)
・・・そうだったのに。。。そう信じてたのに。
だから、好きなものが似合わなくなってきた自分に、今すごく戸惑っているのだ。
50代、私なりの服選びの突破口
でも、ちょっとわかってきたことがある。
体のラインが昔と違う。
だから、今までこだわってきたラインが、似合わなくなってきた。
元々、メリハリはっきりした体系だったが、今はそのメリハリが消えつつある。。。
昔と同じ巨乳だけれど、今は胸はそのままに肩にも肉が乗ってきた。(涙)
だから昔と同じようなラインだと、もさっとしてしまうのだ。
まあ、もっと痩せれば一番いいのかもしれないが、私は今この時に似合う服がすぐ着たいのだ。(わがまま)
これをカバーするために必死でいろいろ見つめ、自分なりに見つけたポイントは、以下。
・以前よりちょっと長めの袖(例えば、七分→八分ぐらい)
・細い部分(手首・足首)にポイントを付け、出すようにする。(ブレスレットや、靴下の模様や飾りなど)
・ウエストマークをできるだけ心掛ける。(ベルトやデザイン) など
肌に映える質感が違う。
はちきれんばかりのぴちぴちな肌と、ちょっとくすんで「ちりめんジワ」が出てきた肌では、洋服を着た時の服地の質感で見え方が違うのだ。
私は肌の色が薄く、きめが細かかったので、老いが早い気がする。(涙)
ということで、服の質感を変えてみた。
・以前好きだった薄地から、ちょっと張りのある厚地に。
・袖や裾の大きなフリルあり。(細かいフリルはまだ嫌いなので。)
・薄地のプリント生地なら、柄は物がわかりづらい入り組んだ柄を選ぶ。(最近はなんと、抽象的な花柄も着る。) など
似合わないと思っていた花柄も、モノによっては似合うし、フリルは大きめのものを選ぶとそんなに甘くならないことを知った。
私の固定概念(花柄は似合わない、フリルは自分に甘すぎる)が最近変わってきた。
そして、おしゃれな年配の方が、プリーツ地を好んで着るのが分かってきた。布地の出す質感だ。
でも、私はまだプリーツ地が着こなせないので、もう少しこの辺であがく。
…そして多分、近い将来はプリーツ地も着こなせるようになりたいものだ。
日本は流行に敏感すぎる
常日頃から日本のファッション雑誌は見てきた。
海外に住む今も、日本の雑誌の流行チェックはやめられない。(たとえ自分が着なくても。笑)
でもこんなに流行を追っているのは日本ぐらいなのかもしれない?と思ったりもする。
日本に帰国するたびに感じるのは、小物や質感にこだわるなら、やっぱり日本製が一番だ。
ヨーロッパでも確かにブランド品を着るならもちろん質感はそれなりだ。
が、安いものは日本のほうが断然質感がいい、といつも感じる。(たとえよくあるMade In Chinaでも、日本企画のものは段違いだ。)
そして、実は今回ちょっとだけ、今年の目標だった「アクセサリー処分」にチャレンジした。
「譲る」という形での処分だったが、すべてお気に入りなので、悩んで点数を絞り、思ったより良い結果だった。
流行、というよりも、私が年齢的に「もう付けれないな」と感じた繊細な造りのものを中心に。
(年齢が上がると、やはりアクセはインパクト勝負のものに限る。)
手を挙げてくださった相手の方が「大事に使っていきますね。」と言ってくださって、本当にうれしかった。
さて、私が住む欧州では、老いも若きもそんなに皆、普段は流行は追っていない。(職業モデル以外は。)
よく日本のファッション誌の「各都市の素敵なマダム特集」で見るような人なんて、ほんの一握りだ。(欧州なら、そんなマダムがゴロゴロいるんだなと思っていたが…日本だってそうだったよな。苦笑)
若い子も、毎年着ているだろうセーターだったり、自分で着倒した古着っぽい服を着ている人が多い気がする。(都市にもよるだろうが…)
たとえ田舎でも、最先端の流行りが行き届いている日本とは違う。
化粧ひとつとってみても、こちらではきっちりフルメイクしている人はほんの一部。ほとんどの人がノーメイクだったり、うぶ毛さえ気にしてない人も多い。
でも日焼けが好きな人が多いので、肌がきれいな人は少ない。
ちなみに、私が思わず素敵だと感じて振り返ってしまう欧州マダムは、「その気迫で着ている」人だ。
流行を追わなくても、流行が彼女を追っている、という感じ?
自然で、人柄が出ていて、何よりそのおしゃれさに目が留まる。
そういうマダムを見るたびに、ものすごく羨ましくなる。
いつかはそんなマダムに私もなれないものか?といつも思う。
今の私個人としては、流行は好きだし、いつも同じセーターで気にならないのはやっぱり嫌だ。(このへんが日本人?)
ということで、私は50代で迷走しつつも、これからも日本の流行をチェックし続けて、着る服でも悩みつつもチャレンジしていきたいと思っている。
そして、いつかは「気迫」で服を着こなせるようになりたい。
プリーツ地もプリント柄も、フリルも花柄も「気迫で」似合わせたい。
だから私は流行にも、着る服にも、付けるアクセサリーにも、心をワクワクして踊れる限り踊り続けたい。
・・・ということで、今の素直な私の決意表明として。(笑)