Wio BG770Aへの道①検証前の準備
株式会社Seeed様より、既報のとおりLTE通信対応のマイコンボード、Wio BG770Aをお預かりしています。今週のSORACOMUG もくもく会で従前のWio LTEの復習も必要かと思わされ、過去の資料を引っ張り出してみました。
リンク先は「SORACOM UG Online」の発表資料スライドで、Wio LTEに関する内容のです。Wio LTEは、SORACOMなどのIoTプラットフォームと連携可能なLTE通信モジュールを搭載した開発ボードで、IoTデバイスの開発に適していました。
まずはこのドキュメントを読んで、復習することから始めていきます。
過去の資料の復習とBG770Aでやりたいことをまとめる。
私は、Wio LTEを畑の見守りのために設置したソーラーIoTの検証用に、ソーラーとは完全に独立した電源系統のIoTデバイスとして使用しました。測定していたのは主にソーラー系統の電圧値です。また、2.4GHz帯のWiFiが使用できない展示会場でのIoTデモに使用しました。
BG770Aでも基本的には上記の利点は変わらないので、より魅力的な使い方ができるかを検証していきます。
Wio LTEの利点と特徴を踏まえて、Wio BG770Aを使う上でやってみたいこと
1. サンプルコードの改造
WioBG770Aを効果的に活用するために、他のボードで提供されているサンプルコードの修正が求められる場合があります。Wio LTEでの作例を踏まえたうえで、現在予想されている特徴的な修正点は下記のとおり。
Unified Endpointの定義
通信のエンドポイントを指定する際に、目的に応じて適切なUnified Endpointを選択する必要があります。例として、Wio.SocketOpen("uni.soracom.io", 23080, WIOLTE_UDP); のように指定します。Grove電源の制御
下記は、Wioの特徴的な関数のひとつです。電力供給を効率化するために、Wio.PowerSupplyGrove(true)(false); という、GROVEコネクタに電源の供給を開始/停止する関数が用意されています。これを利用することで、3.3V-Bの電源をON/OFFすることができます。VSCode+PlatformIOを使用する場合…一部のライブラリをPIOから直接取り扱えない場合があります。その場合、lib_depsに参照先を記載するなどの作業が必要です。この項目は検証して後日記載します。
VSCode+PIOに関しては、下記のQiitaがたいへん参考になりました。
2. 通信環境に関して
屋外や電波環境が悪い場所で使用する際に、以下の点が利点となります。
WiFi依存ではない
屋外ではWiFiが利用できない場合があります。また、5GHz WiFiのみが提供されている場合には、LTE通信には利点があります。SORACOM Airの利点
LTE通信が可能なSORACOM Airを利用することで、これらの制約を克服できます。
3. 省エネ運用の工夫
バッテリー駆動での利用を前提とする場合、省エネの工夫が必要です。
Wio BG770Aでの有効な方法について、今後調べていきます。
4. 電力管理
電力不足が課題となるケースが多いため、以下の点を重視:
ここは、今後の実験から導出されると期待しています。
データ送信間隔の調整
バッテリー寿命を延ばすため、送信間隔を適切に設定するなどの工夫を行います。Sleepについて(要調査)
5. リファレンスなど、情報の活用
ハードウェア仕様
Seeed社のGitHub Wikiなど。ソフトウェアリファレンス
Arduino IDE用の定数や関数のリファレンス。個人レベルの研究成果の共有
すでに、高知のすさみさんが独自の解析を進めています。
6. 実装事例から学ぶ
実装事例を参考にすることで、より効率的な活用方法を学ぶことができます。今後、使用事例が増え、早い段階から効率的に使用できることを願っています。
来週以降、今日書いた上記の内容がわかるような、複数の実験を進めていきます。