あきらめずに製品の使い道を考える
私は、2019年7月にシードプラスという屋号で独立事業主として事業を始めました。その中で、私は自社製品をいくつか開発しています。今回は、自分が製品開発で体験したことをお話をさせていただきます。
「やってしまった…」。 どんな会社にもあることですが、「これはいい」「売れる!」と思って作ったものが思惑通りにいかないときがあります。
私の事業のコンセプトの一つは「自社開発」なのですが、売れないものを作ってしまうリスクは常にあります。残念なことに、製品開発でやらかしてしまうこともあります。自分がやらかしてしまったことを認めるのは本当につらいことです。黙ってはいますが、失敗から目をそらしていては何も始まりません。そこで何とか復活しようと筋道を考え、悪戦苦闘していきます。
しかし、不思議なもので、悪戦苦闘していくうちに残念商品がとんでもない可能性を秘めたものに変わっていくことがあります。いつのまにか失敗が成功にすこしずつ変わっていく。達成感よりも、安堵のほうが先に来ます。
今回、私が紹介するお話は「多目的緩衝シール」という、杖などに使用するクッションシールについてです。創業当初より、私は「スマホのすべり止め」という製品を開発し、ネット販売を中心に販売を続けています。この製品は評判も良く、おかげさまで毎日お客様に選ばれています。それをみて、私は次の製品を作り始めます。どうしてそう思ったか忘れましたが、「次は杖用かな?」と製品を企画し始めました。
しかし、「多目的緩衝シール」は杖用のクッション材としてはほとんど売れませんでした。不調の理由をいろいろと考えましたが、最大の理由は「自分が、周囲の方に勧めにくかった」のです。この製品には、どんな魅力があるのだろうか?どんな問題が解決できるのだろうか?深堀りして、理解して製品を作っているつもりでも、やってみると理想としていたところとはずいぶんかけ離れた結果となりました。
それから、もっといい使い道はないかと探していく日々が始まりました。インパクトのある説明を、違う角度からできないだろうか?自分で使ってみたり、パートナーとも呼べるユーザーさんたちに使ってもらったりして道を探りました。ただし、その中には杖を使っている方は(ご家族も含めて)一人もいませんでした。残念ながら、杖を使っている方にこのシールはまだお使いいただいていません。
やがて、あるユーザーさんの一言で転機が訪れます。「このクッションシール、あまりごみとかホコリが付かないんだね」...。確かに、「多目的緩衝シート」は表面にホコリが付きにくいのです。同じユーザーさんが続けて、「これ、クローゼットの中で衣類のすべり止めに使うと、すごくいいよ」。
ためしに、「多目的緩衝シール」を自宅のクローゼットの、ネクタイハンガーに貼ってみました。このネクタイハンガーはメッキ仕上げで、布製品をかけるとよく滑ります。ネクタイが毎度ツルツル落ちてしまい、そのたびに私のテンションも下がっていました。ところがこの「多目的緩衝シール」を貼ると、まったく落下しなくなりました。しかも、布からのホコリもほかの類似素材に比べて付かず、清潔な印象です。ハンガーに貼って、すべすべした素材の洋服でも効果があることがわかりました。
クローゼットで思いのほか役に立つことが分かった「多目的緩衝シール」。同じようなクローゼットのお悩みを持っている人は多いようで、いまでは多くの反響をいただいております。
どんな製品か、ご覧になりたい方は↓
パッケージも改訂中で、amazonさんからはプリンタ出力のパッケージを使用した製品をご購入いただけます。
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