ミライ基盤が切り拓くQastの未来 - 挑戦し続けるエンジニア3人の本音座談会 -
シリーズB資金調達記念 any的アドベントカレンダー🎄本日は第7弾!テーマは「ミライ基盤(品質管理)」です!今回も座談会形式でお送りします。
今回のテーマは「ミライ基盤(品質管理)」。普段からプロダクトの改善や革新に取り組んでいるメンバーが、ミライ基盤チームの立ち上げから現在の取り組み、そして今後の展望について率直に語り合いました。
ざっくばらんな雰囲気の中、意外な本音や熱い想いが飛び交い、笑い声も絶えない座談会となりました。ぜひ最後までご覧ください。
ミライ基盤チームの始まり
柳川:
anyの開発組織には、中長期的に必要な仕組みの導入や技術負債の解消などを推進する通称「ミライ基盤チーム」があるけど、ミライ基盤チームはどのような流れで立ち上がったの?
櫻井:
もともとチームとして立ち上がったわけではなく、約3年前にGoogleの20%ルールを参考にして、Qastの未来のために通常の開発とは別に時間を確保する仕組みを試していました。
ただ、当時は先頭に立って進めていく人がおらず、最終的には新機能のリリースを優先しなければいけない状況になり、残念ながら取り組みは頓挫してしまいました。
そんな中、大手企業の厳格な品質管理のもとで経験を積んできた大星さん(2023年9月入社のエンジニア)やしょーごさんが続々と入社し、品質向上への機運が社内で再度高まりました。
荒川:
そうでしたね。僕も大手企業から来て、品質の重要性を痛感していました。
櫻井:
しょーごさんや大星さんが「こんな品質改善をしたい」という具体的な提案をたくさん持ってきてくれたので、自分の中でも改めて品質に関して、「これをやりたい、あれをやりたい」という気持ちがたくさん湧き上がってきたのを覚えています。
荒川:みんなやりたいことがいっぱいあったよね。
櫻井:
そうですね。それをきっかけに、既存のメンバーからも「本当はこれが気になっていた」「これもやりたかったんだよ」とたくさんアイディアが出てきて。でも、それを実現するには専用の組織を作らないと対応しきれないくらいのボリュームだったことから「ミライ基盤チーム」を作ることになりました。
柳川:
なるほど、つまりボトムアップでみんなが「Qastの未来のためには品質管理も重要だ」って提案した結果だったんだね。すごい!
櫻井:
ミライ基盤の役割って、品質の向上だけじゃなくて、組織全体の課題を解決するための“基盤”を作ることだと思っています。例えば、開発の速度を上げるためにリソースをどう使うか、みんなで議論して進めていく感じですね。
柳川:なるほど。ところで「ミライ基盤」って、名前がすごく特徴的だよね。
荒川:
そうですね、名前を決めるときに土台を意味する「基盤」という言葉が自然と出てきました。それに「ミライ」を加えたのは、単なるプラットフォームという意味ではなく、未来を見据えて進んでいこうという意志を込めたからです。そういう思いを込めて「ミライ基盤」という名前になりました。
さらに、カタカナでキャッチーな名前にしようという話もあって、ミライはカタカナになりました。
柳川:いい名前!
櫻井:カタカナがいいですね!キャッチーなので社内で完全に馴染んでる。
ミライ基盤チームの加速
柳川:
そういえば、私が入社したばかりの頃、ミライ基盤系のタスクの話になると、みんなが「個人的に進めてます」みたいなことを話してて、ロードマップ開発以外のタスクはエンジニアが胸を張ってやれていない状況なのかもしれない、と感じたんだよね。
荒川:
そうですね、ミライ基盤としてやりたいことはたくさんありましたが、専任でリソース割ける状況ではなく、みんな通常の開発業務をやりつつ、その中で各自が時間を見つけて少しずつなんとか対応していたのがその頃です。
柳川:
ロードマップ開発って、機能をリリースすることでお客さまに価値を届けられるし、開発以外のみんなもお客さまもロードマップ開発が前に進むことを望んでいるように感じていて、だからロードマップ開発以外の仕事にリソースを割くことに遠慮があったのかも。でも、ロードマップ以外の開発も重要だと感じているからこそ、そのせめぎ合いの中で、難しかったんじゃないかなと思うんだけど、実際どうだった?
櫻井:
そうですね。冒頭でも出てきたエンジニア界隈でもよく言われる「20%ルール」みたいに、余裕を持てればいいんですけど、スタートアップだとそれがなかなか難しい。Qastは早い段階から大手のお客さまも期待し信じてくださっていたので、その期待に応えることが事業の成功、Qastの進化に直結する感覚がありました。そのため、特に展示会や大きなイベントの前は、そこでなんとかお披露目しようと全社一丸となっているので、なかなかミライ基盤系のタスクを表立って進めるのが難しい、そんな現実がありました。
それでも、通常の開発業務に追われながらも、密かに「ミライ基盤」の仕事に時間を割いていました。振り返ってみると、それはやっぱりやりたかったこと、自分が好きなことだったからだと思います。
荒川:僕もそう。なんだかんだで、それが息抜きになってた部分もあります。
櫻井:ほんとそれ!エンジニアって不思議な生き物ですよね。
柳川:
ロードマップ開発が優先されていたのも、スタートアップの環境では仕方ない部分もあると思うし、逆にその状況がモチベーションになっていたからこそ、やれたこともあると思う。でも、「ミライ基盤」の考え方や取り組み自体は素晴らしいし、やっぱりエンジニアにはロードマップ以外の開発も胸を張ってやってもらいたい。ましてや密かに進めるなんて思って欲しくない。だからこそ、意識改革も含め、仕組みを大きく変える必要があると思いましたし、それは、これから入ってくる人のためにも”今”着手する必要があると強く感じました。
荒川:
ゆえさんが進めてくれているチーム横断の「ミライ基盤出張プロジェクト」の発足を通じて「みんなでミライ基盤を進めよう!」という流れになり、みんなでタスクの重要度を話し合って決めたりして、今はすごく前向きな状態ですよね。
柳川:
そうだね。「ミライ基盤出張プロジェクト」は20%ルールのように、週に1日ロードマップ開発から離れてミライ基盤チームのメンバーとしてタスクを進めていくプロジェクトとしてスタートさせました。以前20%ルールが続かなかった要因がプロジェクトを推進していく人がいなかったと聞いていましたが、目指すべきゴールが曖昧だったところに課題があったのではないかと私は思ったので、今回はミライ基盤チームとして、チームのゴールを描いてみんなでそこに向かって進んでいけばうまくいくのではないかと考えたんです。
櫻井:
まず合宿(*)をしたのには狙いがあったんですか?
(*みんなで集まって2-3時間集中して話すことをanyでは”合宿”と言うことが多いです。)
柳川:
私がチームとして大事だと思うのは、そのタスクを持っている人だけが責任を負うのではなく、チーム全体で全てのタスクに対して責任を共有することなんです。だから、「ミライ基盤」というチームにみんなが参加して、お互いのタスクに対して責任を分け合いながら進めていけるといいなと思っていました。 それを実現するためにも、まずみんなでタスクの重要度を一緒に決めるところから始めたい、という想いがありましたね。
櫻井:
そうだったんですね!その話、合宿の時にも聞きたかったです。今さらながらすごく感動してます。そういう背景があったのかって。
柳川:あれ、伝わっているかと思ってたよ。
荒川:もちろん僕には伝わっていました!笑
櫻井:
あとは、ミライ基盤だけじゃないんですけど、自分にとってはやっぱりしょーごさんと大星さんがanyに入社してくれたのが大きかったです。まず、2人ともが「品質管理も重要だ!」っていう強い思いを持っていたのがとても嬉しかった。そして次に、ゆえさんのサポートもあって、「ミライ基盤出張プロジェクト」が立ち上がったことが、個人としては嬉しかったし、チームとしての成果に目を向けるきっかけにもなりました。
特に、しょーごさんと大星さんが進めていたDatadog導入によるオブザーバビリティの向上のような取り組みが、ようやく日の目を見るようになったんですよね。実は、2年前にも一度取り組もうとして、諦めていた事があったんです。
プロダクトとして直接お客さまに届ける価値ももちろん大切なんですけど、こうした基盤の改善も同じくらい重要で価値のあることだと思うんです。最初にこの話を聞いた時、今度こそ未来に向けた取り組みに時間があてられる、しかもチームで堂々と取り組めると思って本当に嬉しかったです。
柳川:よかった。しょーごさんはどうでした?
荒川:
そうですね、先ほど出たDatadogだと、これまでのミライ基盤の中に組み込まれると、おそらく緊急度から5番目/6番目になるかなと思います。ただ、自分としては重要度が高いと感じていたのですぐに取り組みたいのですが、緊急度順に並んでいる中で、なかなか先に手を出しにくかったんです。それが「ミライ基盤出張プロジェクト」として、みんなでタスクの重要度から取り組む順番を決めれるようになったのが大きいですね!
でも、一番ありがたかったのは、ミライ基盤系のタスクを肩身が狭い思いをしながらやらなくてよくなったことですね。本当に良かったです。実際に評価面でもそう感じます。例えば、MYSQLのアップデートのような取り組みも、結果的に全体のパフォーマンスが10%とか20%向上するんですけど、それを評価してもらうのがそれまでは結構難しかったんですよね。ミッションにも掲げていたはずなのに。
柳川:
評価と紐付けること、それが本当に大事だなって思っています。メンバーがやっていることをちゃんと見て、それを正当に評価していくこと。そのためにも、目の前のロードマップ開発が優先、ミライ基盤もやった方が良いのは分かるけど二の次という曖昧な状況から脱して、どちらも堂々とやれる環境にすべきだと感じました。
だからこそ、その分の時間をちゃんと確保する仕組みが必要だし、それを明文化してリソース配分を明確にすることが大事だと思います。それが結果的に「ミライ基盤出張プロジェクト」という形になったんですが、そうやって会社としてしっかり取り組むことの必要性を強く感じました。それは、開発のスピードアップやシステムのスケールのしやすさなど、ミライ基盤はあらゆる面で事業成長に大きな影響を与えるからで、ロードマップ開発と同じくらい大切だと捉えています。みんながロードマップ開発にもミライ基盤にもポジティブに向き合える環境が作れるなら、それはメンバーにとっても、会社にとってもすごくいいことだなと思いました。
荒川:
ちゃんとプロジェクト化し、会社として重要なことだと目線が合ったのは大きいと思います。今では、こうした取り組みがちゃんと価値としてみんなにも見える形になってきたので、本当に良かったなと思います。
櫻井:自分も本当に嬉しいです。Datadogのありがたみといったら…!
柳川:
エンジニアじゃない人たちにも、ミライ基盤のようなタスクの重要性を相手に分かる言葉でしっかり伝えられるようにならないといけないと思うんです。そういうところを解決していくのが、ミライ基盤のプロジェクトの一つの役割なんじゃないかなと思っています。だから、そこはエンジニアたちとこれから一緒に進めていきたいなって本当に思っています。
荒川:
すでにエンジニア以外のメンバーにも伝わり始めていると思います。ゆえさんのおかげですよ。
柳川:
本当? ありがとう!エンジニアでないとどうしても開発のことは分からない部分があると思います。だからこそ、共通の言語をしっかり持てるようになるといいですよね。それができれば、もっとリスペクトも深まってany全体としてもより強い組織になっていけるはずです。
柳川:
せっかくなので、もう少し具体的な話もしていきたいなと思います。こういったミライ基盤に興味がある人って結構いると思うんです。例えば、今後組織をスケールさせていくことや、開発スピードを上げること、安全にものづくりをしていくことなど、いろんな観点がミライ基盤には含まれていると思う。その中で、実際に「これをやりたい」と思っていることを、いくつか挙げてもらえますか?
荒川:
僕の場合、セキュリティ全般で考えています。どちらかというとプロダクト寄りの視点で考えていて、今後さらにセキュリティの堅牢さを追求していくことでエンタープライズ向けのサービスを展開していく礎になっていくと考えています。しっかりガバナンスを効かせてどんな方でも安心して使えるサービスにしていく。それが、今一番やりたいことであり、やるべきことですね。
柳川:
確かに、その通りだね。セキュリティ面での安心感がさらなる信頼を得る鍵になりますね。
櫻井:
僕が今意識しているのは専任のSRE(サイトリライアビリティエンジニア)ですね。今のメンバーは、インフラ、フロントエンド、バックエンドをバランスよくこなせる人が多いですが、逆に専門的に突き抜けた分野を持っている人がこれからはもっといても良い。特にSREやインフラ周りは、みんな手探りでやっている感じがあるので、そこを強化したいなって思います。
あとは、QAエンジニアの方にも来て欲しい!
荒川:うん、QAの方は絶対来て欲しい!スピードを落とさずに、品質を安定させたいよね。
櫻井:
そうそう。やっぱりスピードを上げようとすると、テストの量が増えたりして負荷がかかるから、そこをどう最適化するかが重要ですね。
柳川:
基本的にはエンジニアがテストを行う仕組みが必要で、QAの人にはそのガイドラインを作ったり、品質を担保するための仕組みを整える役割を担ってもらいたい。
櫻井:
そうですね。例えるなら、ブルドーザーみたいに、高速道路を整備してくれるような人。品質管理の土台をしっかり作れる人が仲間になってくれたら理想です。
柳川:
それに加えて、スケールしていくための取り組み、DevOpsやローカルDXも課題ですね。挙げていくとやることは無限にあるから、優先順位をつけて取り組んでいかないといけないね。
櫻井:
その通りです。これだけタスクが多いと、どれも中途半端にならないよう、しっかりとリソースを確保して進めたいですね。
柳川:まずは、一歩、一歩、進めていきましょう!
ミライ基盤チームの今後の展望
柳川:
では最後に、それぞれがミライ基盤に期待することや、今後どうしていきたいかについて教えてください。
荒川:
僕としては、プロダクトを加速させるための「トリガー」になれればいいなと思っています。正直、手段にこだわるのはあまり好きじゃないんですが、エンジニアとして、プロダクトの質を高めるための裏方的な仕事がしっかり評価されて、目に見える形になることが大切だと思うんです。
あとは、anyには技術的に成長できる場があるのに、それがまだ十分アピールできていないのが課題だと思っています。でも実際には、anyの開発組織って、そういう環境が整っているし、成長もできる。だから、そういう魅力をしっかり伝えて、「ここで働きたい」と思ってもらえるようにしたい、そういう仲間と出会いたいです。
そうやってエンジニアが増えていくことが、最終的にはプロダクトの成長スピードに繋がると思っています。そういう流れを作るのが、一番理想的だなと感じていますね。
櫻井:
僕も同じです!これからエンタープライズ企業での導入がさらに加速していくと、ミライ基盤で今やろうとしていることは絶対に必要になってくると思います。ミライ基盤合宿で挙げたようなひとつひとつの取り組みを、1年後に振り返ったときに、「お、これ進んだね」ってみんなで実感できる日が来るのが楽しみです。
柳川:
そうですね。ミライ基盤は、会社全体の成長に直結するプロジェクトだと思っています。その重要性をもっと発信して、共感してくれる仲間を増やしていきたいですね。今日の座談会もその一助になれば嬉しいです。
荒川:
今の組織には「良くしていこう」っていうマインドを持った人が多いから、何か提案すればみんなが受け入れてくれる環境が整っている。それが大きな強みですよね。
柳川:
そうそう。ポジティブに「やっていこう」っていう姿勢のメンバーが揃ってるから、改善したいことがあれば提案できるし、フレンズさん(*)含めそれをすぐに形にできるエンジニアが揃っている。そういうところ、本当に良い組織だなって思います。
櫻井:
本当にそうですよね。ここにいる人たちは変化を恐れず、「今のままじゃダメだ」って常に考えて、もっと良い状態に変えようとする意識がある。それがこのチームの強みだと思います。
ミライ基盤チームの取り組みは、まだスタートしたばかりです。しかし、メンバーの熱意と行動力で、すでに大きな変化が生まれはじめています。
プロダクト開発とミライ基盤を両立させることを諦めず、チーム全体で進むべき道を共有し、確実に未来へ向かう基盤を築いているプロダクトチーム。今後もミライ基盤の進化にご期待ください!
🌿 お気持ち と お知らせ 📅
今回座談会に参加した柳川です!
今回の座談会を通して、anyのエンジニアがいかに品質に向き合い、オーナーシップを持って開発を前に進めているかを感じていただけたのではないでしょうか。
「ミライ基盤」の名前の通り、anyのミライに向かってエンジニアの手で土台を築き、エンジニア自身がそこに対して一番ワクワクして取り組める環境を、これからもつくり続けていきたいと思っています。
この座談会でも話題にあがっていたDatadogの導入や、それ以外にも技術的なトピックスがブログ記事になっておりますので、ぜひご覧ください!
▼荒川執筆の記事「SaaS開発のObservabilityを支えるDatadog」
https://zenn.dev/any_dev/articles/datadog-for-b2b-any
▼櫻井執筆の記事「Amazon RDS for MySQL 5.7系から8.0系へ!変更点への対応と実践記録」
https://zenn.dev/any_dev/articles/b4e5756921507d
また、現在プロダクトチームのメンバーで、
any Product Team Advent Calendar 2024 に参加しています。
https://qiita.com/advent-calendar/2024/anyinc
個性豊かなプロダクトメンバーの記事となりますので、ぜひこちらもご覧いただけたらうれしいです!
anyでは共に事業を推進する仲間を募集中
候補者の方々にとって、これからは個人としても組織としても新しいチャレンジをしながら事業フェーズをダイナミックに変えていけるステージに突入していきます。最高のチームと、最高の仕事がしたい方のご応募お待ちしております。
現在募集中のポジションはこちらですが、それ以外のポジションも近い将来募集させていただく可能性は十分にあるので、ご興味を持っていただいた方はまずは一度お話しましょう!