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【メモ】ネイガウス-ナウモフ系ピア二スト、アンドレイ・ディエフを聴いて
とにかく衝撃的でした。
私はモスクワ音楽院の研究科で学んでいるので、音楽院で行われるコンサートにはよく行く方です。
ディエフ先生のリサイタルが行われた小ホールでは、これまでも沢山のピアニストが演奏しています。私は毎回ほぼ同じ場所(2階席の後ろの方)で聴くことが多いので、それぞれのピアニストの音の違いなどわかっている方だと思っています。
ネイガウス-ナウモフ系のピアニストは有名どころですと、先日久しぶりに来日したアンドレイ・ガブリーロフ、若くして亡くなった鬼才アレクセイ・スルタノフ、女性ピアニストのアンナ・マリコヴァ、日本でも活躍されているイリヤ・イーティン、浜松国際コンクールの審査員にも招かれたアレクサンドル・コブリンなどなど……。
これらのピアニストの音が好きで、ずっと惹かれていました。
ディエフ先生、初めのベートーヴェンのトルコ行進曲変奏曲からもう『音が違う』。
衝撃的とはこういう事を言うのかと思ってしまいました。
尖ったものでスッと瞬間的に、本当に一瞬だけ触れているような、パァッと響き渡る音。
弦楽器や声楽のようなレガート。
何もかもが私の好みで聴き入ってしまいました。
幾ら鳴らそうが全然うるさくない。音の層が綺麗に重なる。まるで、高級ミルフィーユ。
『ピアノってこういう音なんだ』っていうのを体感でき、益々ネイガウス-ナウモフに興味を持ちました。自分もこのような音を出せるようになりたい、と今まで以上に強く思った瞬間でした。
終演後に楽屋へ行き、ディエフ先生とお話しし、レッスンか見学かできませんかとお願いしたら快諾してくださいました。早速明日になりましたが、何か少しでもあの音の秘密を知れたらいいなと思います。
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