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ME/CFS基本情報:単なる疲れどころではない①

[ドイツ語サイトDie Technikerによる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の紹介記事の訳。長いので二つに分けます。]


忙しい一週間の仕事の後、楽しいパーティーの後、または風邪などの重い感染症の後に疲れを感じるのは普通のことです。しかし、もし肉体的・精神的な疲れが理由もなく現れ、睡眠や休養によっても回復しない場合はどうでしょうか?
ドイツでは、おおよそ25万人が筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に苦しんでいると推定されています。しかし、実際の患者数はもっと多いと考えられています。この複雑な神経学的な病気は、インフルエンザなどのウイルス感染症の後に発症することが多いです。女性は男性よりも発症する割合が高いとされています。

ME/CFSはどのように現れますか?

ME/CFSでは、体が身体的・認知的な活動に必要なエネルギーを十分に供給できなくなります。そのため、多くの患者は日常的な仕事をこなすことが次第に難しくなり、常に疲れを感じ続けます。例えば、パン屋に行くといった簡単な作業でも、しばしば克服できない障害となることがあります。
また、少しの身体的・精神的な負荷でも症状が著しく悪化します。専門家はこの主な症状を「労作後の倦怠感(PEM)」と呼んでいます。PEMによって新たな症状が現れることもあります。PEMは、過剰な負荷をかけた状況から数時間後に現れ、数日から数週間にわたって続くことがあり、長期間にわたって健康状態に影響を及ぼすこともあります。病状が進行している場合、日常的な活動、例えば身の回りのケアや最小限の外的刺激(光や音)でもPEMを引き起こすことがあります。

その他の典型的な症状:

  • インフルエンザに似た症状(喉の痛み、発熱、リンパ節の腫れ、極度の倦怠感、持続的な病気感など)による感染への高い感受性

  • 心血管系の問題(動悸、めまい、血圧の変動)

  • 言語、集中力、記憶の障害

  • 筋肉、関節、四肢の痛み

  • 重度の不眠症、眠っても改善されない症状

原因は何でしょうか?

ME/CFSは1969年に神経学的疾患として分類されましたが、その正確な原因はいまだに明確に解明されていません。ME/CFSは、エプスタイン・バー・ウイルス(伝染性単核球症)、インフルエンザウイルス、またはコロナウイルスなどの感染症後によく発症します。専門家は、免疫機能の欠陥、エネルギー代謝の障害、手術、トラウマなども発症の引き金となる可能性があると考えています。さらに、遺伝的要因も関与している可能性があります。

知っておきたいこと

古い文献では、慢性疲労症候群または慢性疲労障害という用語がよく使用されていました。しかし、ME/CFSの身体的および精神的な脱力は、十分な休養や定期的な運動によっても改善されないため、専門家はこれらの用語を現在では ME/CFSの説明に使用することを拒否しています。研究者によれば、これらの呼称は疾患の重症度を軽視する可能性があるとされています。

(続きます)


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