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南アルプス市立美術館の「川崎小虎展」
「詩情あふれる美の世界 川崎小虎展」2021.4.17〜6.27
「桜花鷹狩図」から「芍薬」「小猿」「おしどり」のような日本画らしい題材のなかに「白菜」や「胡瓜」の作品が登場するのがなんだか楽しい。なかでもその存在感に惹きつけられたのは「ひまわり」。その題名と描き方との印象に小さな衝撃を感じた。
川崎小虎(かわさきしょうこ)は明治19年岐阜県生まれ。祖父川崎千虎に大和絵を学んだ、東京美術学校の教授でもあったが、戦時中から戦後にかけて南アルプス市(旧落合村)に疎開しており、この地の風景や草花をスケッチして作品を残したという。
展示の後半でその様子が感じられるのだが、なかでも小虎の長男と娘婿・東山魁夷が、偶然甲府から同じ峡西電車の車両に乗って戦地から戻ってきたというエピソードが興味深い。
決して大きな展覧会ではないけれど、日本画の優美な風情とともに、人と土地の記憶までも感じられるものになっている。