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プレゼンして学んだこと
来週いっぱいまでが繁忙週間。
担当している本の最終締め切りが迫る一方、この本について社内の各所で数回プレゼンをしなくてはならないのだ。
本日午後に1度目のプレゼンをした。
(プレゼンというのか発表というのか、「今こんな本を作っています・こんな感じで売りたいのでよろ!」ということを広くお知らせする。パワポを使って説明し、質疑応答がある。自分の中のイメージは「プレゼン」が一番近い。)
昨年も一度やったので流れ自体はわかっていたが、やはり新人一発目でやった時よりも断然長丁場になり、途中で喉が渇いても水を飲む余裕もなく、口の中はカラカラ、頭がカッカする状態で喋り続けた。大人相手って、それはそれで授業とは別の緊張感がある。
で、終わってみれば結構評判は良かったのだが、その中で気づいたことが2つある。
① やっぱ図式化、具体化が大事なんだな。
他にもプレゼンした人はいたが、うちの部署(編集部)の人間はやっぱ書籍編集に興味があるだけあって、活字に全く抵抗がない。逆を言えば、パワポの画面も文字で埋めがちになっていて、図が少ない。
これは昨年のプレゼンを見たときに「いやいや、これ目が滑るやろ」と強く感じたので、スライド毎に図を入れるようにした。
文字は最小限、箇条書き、体言止めを心がけた。
それが功を奏したのだろう、「一番わかりやすかったよ」との評価をもらった。
国語の授業でも一緒だが、やはり人間が文字情報を脳みそに取り込んで変換し、理解するには時間がかかる。
限られた時間で伝達を行うには、できる限り具体的な図式や画像を使うことが望ましい。
……まあ、文字情報(具体)を瞬時に噛み砕いて理解(抽象化)できるのが一番で、そのためには常日頃から文字情報に慣れるのがよいのだろうけど……スマホもあるし仕事や生活環境もあるし、みんなが活字ラバーというわけではないし……。
かくいう筆者とて、活字オンリーの娯楽よりかは漫画やアニメのほうに惹かれがちである(ただし、作画が好みのものであれば、という条件付き。作画が良くなければ活字のほうがマシ)。
②大人も、結構みんな人の話を聞けない。理解できない。
まあこんなのは、普段仕事してても国会中継見てても自明のことではあるが、ついついやっぱり、高校生向けの授業と比べてしまう。
「先生、◯◯って何ですか」
「それさっき言ったやろ」
「えー、そうでしたっけ」
なんてのは授業中や授業後あるあるだが、今回のプレゼン後の質疑応答でも同じであった。
違うのは、「さっき言ったやろがァ!」と心で思っても、口に出さないというところだけ。
特に、プレゼン中に最も強調したつもりだったポイントについての質問が出て、全く同じ調子で再度説明したところ、「ああーなるほどね! 今のでよくわかりました」と超晴れやかな笑顔でご納得いただけたのには、なかなかガックリきた。(もしかしたらトイレにでも行っていたのだろうか? と一瞬思ったが、ドアは発表者の後ろにある部屋であった。)
なんかこれ、デジャヴやな……教室や職員室の隅でよくやってたな……って。
そう、きっと大人も子供も関係なく、結局みんな、
「『これが知りたい』と自分から強く願ったときにしか、本当の理解はできない」。
ただプレゼンを聞いている=情報を与えられるだけじゃ、大半の内容は右から左。
「ん? これってどういうこと?」と脳みその皺に引っかかる要素があって、それについて主体的に確認をしなければ、本当の理解というものは、おそらくできないのだろう。
(と言いつつ、自分とて、普段どれだけのものを右から左に流しているのだろう……と思いを馳せる。)
——ということで、2回経験してみて、いよいよ学校の授業と同じなんだなということがわかってきた。
次はもっとうまくやってやるぜ。
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