ゼロから始めるCharrascaの弾き方|チュートリアル|COVER GAITERO CHARRASQUERO
先日、ベネズエラのEmiro Cordero氏から、Instagramでメッセージが届いた。
Emiro Cordero氏はチャラスカ奏者で、以前からYouTubeにチャラスカの演奏動画をアップしていた。手元をアップで映してくれるチャラスカ演奏の映像は多くないため、自分は彼の動画をスロー再生するなどして、練習時に非常に参考としていた。
今年の2月頃、どうしても30cmのステンレス製チャラスカが欲しかった私は、Instagramで彼にどうやったら入手できるかを聞いてみたのだった。結局、チャラスカを製造しているメーカーの情報は手に入らなかったのだが、彼はその時のことを覚えていて、メッセージをくれたのだった。
以下は、自分用の備忘録も兼ねて、彼の動画の内容を日本語に文字起こししたものである。なお、相変わらずのDeepl翻訳・大雑把意訳であり、ところどころに誤訳の可能性がある点はご了承願いたい。
私のチャンネルへようこそ。Emiro Corderoです。ベネズエラはZulia州のCiudad Ojeda出身です。私はパーカッショニストであり、ガイタをはじめとする音楽のコレクターでもあります。
今回、チャンネル登録者とSNSのフォロワーの要望で、「ゼロから始めるチャラスカの弾き方」という動画を用意しました。
それでは始めましょう。
はじめに チャラスカの持ち方
私のケースは少し特殊かもしれません。6〜7年前はチャラスカを持っていませんでした。
ある日、私は明るい金属的な音を鳴らしたくなり、ドライバーでスプーンをこすってみました。チャラスカのように大きな音は出ませんでしたが、明るく金属的な音が出ました。
昔のお祭り騒ぎではソフトドリンクの空き瓶がチャラスカの代わりに使われていたようですが、私には空きボトルすらもなかったのでスプーンとドライバーで代用することにしたのです。
このスプーンとドライバーは今でも持っています。これで長い間パーティーをしました。学生時代の仲間はずっと覚えてくれています。
私以外にこんなことをした人はいないと思いますが、割といいアイディアだと思うんです。
もしあなたがチャラスカを習いたいのに持っていない場合、スプーンとドライバーや、ギザギザのあるジュースの空き瓶があれば、昔の人のように代用できるということです。
さて、チャラスカ(もしくはボトルかスプーン)が手に入ったところで、チュートリアルを始めましょう。
まずチャラスカの握り方です。チャラスカを持ったことがない人が初めて手にすると、約3~4キロの重さに感じると思います。
同じ系統に属するという意味で、ギロを連想する人が多いようです。音は全く違うんですけどね。始めてこの楽器を手にした人は、この2つの穴に指を入れて、縦に構えたくなるようです。
推奨される握り方は手の大きさによります。手が小さい人は、人差し指を1つの穴に入れて安定させるのもありだと思います。
私の場合はこんな感じで持っています。
パターン1 Gaita de Furro のリズム
チャラスカを演奏したいと思ったら、まずはGaita de Furroのリズムをマスターすることです。
Gaita Zulianaには、誰もが知っているGaita de Furroの他にも、Gaita Tambora、Gaita Perijanera、Gaita de Santa Lucia、Tamboreraといったバリエーションがあります。
他にも、DANZA、CONTRADANZA、DECIMA、VALS、BAMBUCOなど、Zulia州独自のジャンルがありますが、それらについては別のビデオでお話しようと思います。
さて、Gaita de Furroのリズムパターンは、前に1拍、後ろに2拍の計3拍で繰り返す周期となります。123、123、123…。速度を上げていきましょう。123、123、123…。
これはチャラスカを演奏するための基本的なリズムとなるので、これがマスターできるまで動画を巻き戻して練習してください。
パターン2 Floreo(トレモロ)
次に進みます。Floreo(トレモロ)です
これは、チャラスカの溝に沿ってスクレーパーを引きずるというものです。
Floreoには3種類あります。
まずはFloreo Continuoです。連続してFloreoを行います。
次はFloreo Intermedioです。
これはGaita de FurroとFloreoを交互に行うものです。
最後はFloreo Mixtoです。これはFloreo ContinuoとFloreo Intermedioをミックスして一斉に行うもので、様々なバリエーションがあります。
また、よく行われるのが、フレーズの最初にFloreoをもってくるやりかたです。Tamboraのリムショット連打と組み合わさるといい感じになります。
出だしのフレーズはプレイされるガイタの種類にも寄りますが、華やかに始まるのが良いと思います。
パターン3 Golpe Cacharro と Golpe Trancao
次に説明するのは、最初の説明したGaita de Furroと同様にリズムパターンのベースとなる、Golpe Cacharro及びGolpe Trancaoです。通常、詩やコーラスが繰り返されるときに使われます。
基本的には同じようなパターンなのですが、よりアクセントが強調されているのが分かるかと思います。
ここまでが基礎となるので、この3つのリズムパターンは復習してください。
パターン4 その他
ここからはオマケです。楽器に慣れてくると、いろいろなバリエーションができるようになりますし、自分なりに工夫することもできるようになります。
1つ目は「Arrastraos」です。
Picadoと呼ばれる亜種パターンもあります。スクレーパーを引きずるのではなく、空中で連打するやりかたです。
と、もう1つあります。
2つ目は「Repique」です。TamboraにもRepiqueと呼ばれる奏法がありますが、それに似ています。スクレーパーを引きずらずに、連続でベルのようにCharrascaを鳴らします。
今はチャラスカを動かしながらRepiqueしましたが、通常の演奏の中でCharrascaを動かさずにRepiqueすることも可能です。
これらのテクニックは、基本的にはチャラスケーロのソロのように、目立ちたい時に有効でしょう。まあ、演奏されるガイタによってケースバイケースであることはお話したとおりですし、曲の冒頭で使う人もいるかもしれませんが。
おわりに
次回のビデオでは、CharrascaでのTamboreraの弾き方を説明します。
もしよければ、このチュートリアルをどう思うか、動画にコメントをお願いします。チャンネル登録もよろしくお願いします。
これからはより頻繁にビデオをアップロードしたいと思うので、何か質問があればSNS等で連絡してください。
また、次のビデオでお会いしまししょう。ごきげんよう。
非常に有意義なチュートリアルであった。これまで自分なりにCharrascaを見よう見まねで弾いていたが、テクニックを体系的に捉えられたことで、より演奏の解像度が上がったように思える。
上記のレッスンを参照しつつ、Emiro Cordero氏の実演動画を見ると面白い。
さて、問題はどうやったら30cmのステンレス製Charrascaが手に入るかだ。
一度中国の業者にオーダーメイドで作らせようとしたが失敗している。
本当はオリジナルのものをベネズエラから輸入したいが、難しそうなので自作を本気で考えるべきか……。
追記(2022年12月12日)
Emiroが新しい動画をアップしたので、以下に訳を追記する。
CharrascaでのTamboreraの弾き方|TUTORIAL | COVER GAITERO CHARRASQUERO
このチャンネルの新しいビデオにようこそ。
チャラスカのチュートリアルを続けます。今回のテーマはGaita Zulianaのバリエーションの1つで、60年代後半に誕生したTamboreraです。これはガイタと、San BenitoのChimbangleを融合させたものです。
音楽的に言うと、Gaita de furroのリズムが6/8拍子であるのに対し、タンボレラのリズムは4/4拍子となっています。リズムの面ではサルサに近いものがあります。
タンボレラにおける象徴的グループのひとつにGran Coquivacoaがあります。また世界レベルでは、ベネズエラのスーパーバンド:Guacoでしょう。Guacoのリズムの基礎はCharrascaやTamboraです。
では、チャラスカを片手にチュートリアルを開始します。
パターン1 基本のリズムパターン
前回のビデオと同様、少しずつ速度を上げていくので、動画に合わせて練習してみてください。
パターン2 Floreado(トレモロ)
次はFloreado(トレモロ)です。
先程の基本のリズムパターンを補うように、チャラスカの溝に沿ってスクレーパーを引きずります。
このタンボレラのFloreadoは、サルサのギロに似たところがあります。ギロの場合はこう、タンボレラの場合はこう…。
パターン3 複合系
基本のリズムパターンとFloreadoを組み合わせます。タンボレラの演奏が始まって、順調に進むとこんな感じになります。
以上がチャラスカでのタンボレラの弾き方のチュートリアルでした。気に入った方はチャンネル登録や動画へのコメントをお願いいたします。それではまた次のビデオでお会いしましょう。
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