佐藤あんこ

音楽が好きです。最近はベネズエラのGaita Zulianaにハマってます。

佐藤あんこ

音楽が好きです。最近はベネズエラのGaita Zulianaにハマってます。

マガジン

  • サブスクで聴くGaita Zuliana

    ベネズエラの「Gaita Zuliana」についてのノート。国内盤が出る望みなど無いガイタも、サブスクなら国境なき聴き団。本当は現地ディグしたいけど、遠いし政情不安定なので難しそう。ゆるく更新します。

  • CDアルバム商品番号のあゆみ

    邦楽CDアルバムの商品番号(規格品番)の歴史を紐解いていく、時間がかかる割に誰の特になっているのかよく分からない記事

最近の記事

ベネズエラのガイタを、どう聴いたら良いのか|日本でのリスナーを増やすためのリズム・スキーマ

はじめに南米のベネズエラには「ガイタ(Gaita Zuliana)」という音楽がある。私はガイタが大好きだ。しかしながら、ガイタを聴いている日本人というのはとても少ない。 というか、自分以外に熱心にDigしている人を見たことがない。2年前に上記のツイートをしたが、その後も自分が世の中を検索する限りにおいて、状況は変わっていない。 「あ〜日本でもガイタが流行ってくれないかな〜」などとボンヤリ考えながらシャワーを浴びていたある日、ふと「日本でガイタが流行るために、お前は何か貢献

    • GAITAS 2022 ⚡

      昨年に引き続き、2022年リリースの音源のみでGaitaのプレイリストを作成した(Apple Musicはこちら)。 自分のDigスキル向上もあり、今年はプレイリストに60曲以上が収録された。全曲は難しいが、とりあえず特筆すべき30曲ぐらいにコメントをつけて、2022年の締めくくりとしたい。 Jorge Luis Chacin - La Voy a Tocar a Pieここ数年、クリスマス時期にガイタ動画のYouTubeアップが慣例になっていた元GuacoのJorge

      • 【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.7】Melody Gaitaの初期作品

        Melody Gaitaは1984年に、首都カラカスで結成されたガイタのグループである。創設者・監督は、ラジオ番組「Viva la Gaita」のパーソナリティや、「Ultimas Noticias」でのGaitaコラム連載でも知られるÁlvaro "Cuchillo" Durán。 ガイタでは、だいたいのグループに"お決まりのロゴ"が存在するが、その流れで専属のマスコット・キャラクターを設けるケースがある(Cardenales del Exitoの赤い鳥、Estrella

        • ゼロから始めるCharrascaの弾き方|チュートリアル|COVER GAITERO CHARRASQUERO

          先日、ベネズエラのEmiro Cordero氏から、Instagramでメッセージが届いた。 Emiro Cordero氏はチャラスカ奏者で、以前からYouTubeにチャラスカの演奏動画をアップしていた。手元をアップで映してくれるチャラスカ演奏の映像は多くないため、自分は彼の動画をスロー再生するなどして、練習時に非常に参考としていた。 今年の2月頃、どうしても30cmのステンレス製チャラスカが欲しかった私は、Instagramで彼にどうやったら入手できるかを聞いてみたのだ

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        • サブスクで聴くGaita Zuliana
          12本
        • CDアルバム商品番号のあゆみ
          3本

        記事

          核P-MODEL『ビストロン』 - イベント「Amigo Analyzer」報告

          日程:2022年11月5日(土) 昼 会場:ROCK CAFE LOFT 出演:佐藤あんこ 以下、洗い出した音要素と簡単なコメント。 01 二重展望3リズム:9 ベース:2 フレーズ:2 その他:2 Alarm|ステレオで鳴っている。音はミ。 電気琴|一般的な調律(A=440Hz)ではない。A=446Hzぐらいなので、いわゆるカラヤン・チューニング。 ユーワーイ|アンチ・ビストロンの「自由はいかが」の「由はい」説。 アチャー|元ネタ不明 Bass上|16分のウネウネ。ス

          核P-MODEL『ビストロン』 - イベント「Amigo Analyzer」報告

          佐藤あんこ - プロフィール

          1991年生まれ、東京在住のミュージシャン/文筆家。 2010年に活動を開始以降、多数のコンピレーション作品に参加。リスナーとしての豊富な聴取を背景としつつも、歌モノとして独自のポップネスに昇華させる作風で、「佐藤あんこ」としか言いようのない音楽を制作する。 2019年には町あかり、入江陽、君島大空、長谷川白紙、直枝政広(カーネーション)等の作家陣と並んで、姫乃たまの地下アイドル卒業作である『パノラマ街道まっしぐら』(ビクター)へ楽曲を提供。 近年は南米ベネズエラの「踊れる3

          佐藤あんこ - プロフィール

          ガイタと私 - ああ素晴らしき Gaita Zuliana の世界

          本文は、とあるZINEのために2021年に書いた文章をリライトしたものです。内容はエッセイで、約8000字あります。単にガイタのプレイリストだけを聴きたい場合は、ページの一番下まで飛ぶことを推奨します。 はじめに Gaita Zuliana(ガイタ・スリアーナ。以下、単に「ガイタ」とする。)とは、3/4拍子と6/8拍子のミックスや、フーロやチャラスカといった楽器の使用を特徴とする、南米ベネズエラの伝統的なクリスマスシーズンの音楽である。  この文章のテーマはガイタであるが、

          ガイタと私 - ああ素晴らしき Gaita Zuliana の世界

          Gaita Zuliana 2021 🌅⚡🌊

          サブスクにある2021年のガイタをまとめたプレイリストを公開した(Apple Musicは https://t.co/sAnFnBcVtU ) 2019年からベネズエラのガイタを本格的に聴き始め、今年はほぼガイタしか聴いていなかったといっても過言ではないくらい熱心に聴いていた。 どうしてもサブスクにあるものに限定されてしまうが、日本人からしたらサブスクで聴けるだけでも御の字だし、それ以上を掘ろうとすると泥沼なので(既に片足を突っ込んでいるが・・・)これで良しとする。 本記

          Gaita Zuliana 2021 🌅⚡🌊

          平沢進 新作『BEACON』を聴いて

          はじめに楽曲から受けるイメージや歌詞等については、Twitter等で多くの人が書いており、高橋かしこさんによる『BEACON』への望まれざるライナーノーツ等もあるので、ここではできるだけそれ以外の面にフォーカスしてnoteを書く。なお執筆にあたってはモニクラハシトさんのTogetterまとめ「BEACON」制作日誌が非常に参考となったので、この場で感謝を申し上げる。 楽曲形式について本作における新基軸として、楽曲形式の拡張が挙げられる。 簡単に平沢進のキャリアにおける楽曲

          平沢進 新作『BEACON』を聴いて

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.6】Luis Fernando Borjas & D'Total Zulianidad『Una Misma Historia』(2021)

          D'Total Zulianidadは2012年に結成されたガイタのグループ。比較的新興のグループではあるが、メンバーはCardenales del ÉxitoやGran Coquivacoa、Maracaibo 15等の伝統あるグループに在籍経験のあるミュージシャン達で構成されている。 彼らは2019年頃からサブスクでの配信を始めるようになったが、リリースされたシングルがいずれも良曲であり、(私の中で)アルバムへの期待が高まっていた。特に女性ボーカリストMarisela

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.6】Luis Fernando Borjas & D'Total Zulianidad『Una Misma Historia』(2021)

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.5】Birimbaoのディスコグラフィー

          Birimbaoは1981年に、Jerry Sánchez(ディレクター兼ボーカル)をはじめとするメンバーにより結成されたガイタのグループ。 1984年にヒット曲「Cántame una Gaita Hermano」で「Festival de Gaitas Virgilio Carruyo」の年間最優秀ガイタ賞を受賞。1987年にも大型ガイタフェス「Festival una Gaita para el Zulia」で優勝するなど、人気グループとして活動した。 そんなBir

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.5】Birimbaoのディスコグラフィー

          【CDアルバム商品番号のあゆみ Vol.3】VAP、TOY'S FACTORY

          VAP日テレ等の出資により1981年に設立されたレコード会社。「Video Audio Project」の略称である社名のとおり、オーディオのみならずビデオソフトの取り扱いでも有名。筆者は幼少期に見たアンパンマンのVHSで、冒頭に映し出されていたVAPのオープニングロゴが妙に印象に残っている。 消費税導入まで これまでVol1.、Vol.2とこのマガジンを読んでくださった方には伝わっていることと思うが、CDの商品番号というのはだいたい「記号-番号」という組み合わせで成り立

          【CDアルバム商品番号のあゆみ Vol.3】VAP、TOY'S FACTORY

          【CDアルバム商品番号のあゆみ Vol.2】NECアベニューとPLATZ(日本コロムビア販売系)

          Vol.1で発売元(mfr)としての日本コロムビアを取り上げたため、Vol.2では日本コロムビアが販売元(dist)を務めたNECアベニューとPLATZを取り上げる。 ※「販売元(dist)」と「発売元(mfr)」「販売元:distributor」と「発売元:manufacturer」はごちゃ混ぜになりやすいので、それぞれ「販売元(dist)」「発売元(mfr)」と記載する(心の中でディストリビューター、マニュファクチュアラーと読む)。 両者の基本的な違いについては教えて!

          【CDアルバム商品番号のあゆみ Vol.2】NECアベニューとPLATZ(日本コロムビア販売系)

          【CDアルバム商品番号のあゆみ Vol.1】日本コロムビア

          1910年に設立された独立系の老舗レコード会社であり、長い歴史を誇る日本コロムビア。日本レコード協会の正会員表でも一番上にあり、このシリーズで最初に取り上げるにふさわしい商品番号であると言える。 なお日本コロムビアの特徴として、ジャケットへの商品番号の刷り込みが挙げられる。ネット上に落ちているジャケ画像から商品番号を読み取れるので、私のような人間からすると非常にありがたい。 1986年春頃までCD参入当初、日本コロムビアは「¥¥C3?」という5桁の記号を使用していた。例え

          【CDアルバム商品番号のあゆみ Vol.1】日本コロムビア

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.4】Venezuela de Luz de Renato Aguirre G.『Venezuela de Luz』(2014)

          ※2021年1月1日追記:日本から聴けなくなってしまいました。輸入して聴くしかないかなぁ・・・。 Renato Aguirreは1946年生まれの作編曲家、クアトロ奏者である。いきなり兄弟の話でアレだが、彼の兄はガイタ界の「El Monumental(記念碑的存在)」と称され、「La grey zuliana」を作曲したRicardo Aguirre(1939〜1969)である。兄について解説すると長くなるので、ここではRicardoが交通事故で亡くなった11月8日を、州知

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.4】Venezuela de Luz de Renato Aguirre G.『Venezuela de Luz』(2014)

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.3】Gaiteros de Pillopo『Trascendental』(2015)

          Gaiteros de Pillopoは1980年に、もともとアマチュア野球の指導者だったLuis Adolfo Camachoという人物により立ち上げられたガイタのグループ。 1983年にガイタ界のカリスマ:Astolfo Romeroの加入で一気にメジャー化し、その年の「Festival de Gaitas Virgilio Carruyo」で年間最優秀ガイタ賞を受賞。84年はもう1つの大型ガイタフェスである「Festival una Gaita para el Zul

          【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.3】Gaiteros de Pillopo『Trascendental』(2015)