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私のアンティーク生活、三歩目。新たなる旅立ち…か?

(「私のアンティーク生活、次なる二歩」よりつづく)

目に飛び込んできたのは、ちょっと変わった形の、卓上木製ボックス。比較的小ぶりで、軽くひとかかえで持って帰れるくらいの大きさです。

下一段は引き出しで、その上部分は横から見ると台形型になっており、斜めになったガラス扉が前面についていて、小さな丸いつまみを持って上に開けるようです。中のものが見やすいように、内部にある浅い台板も斜めになっていて、その上には細い腕時計が2、3本、フックかピンのようなもので掛けられていました。今でいうディスプレイボックス、時計屋さんで使われていた什器だったと思います。

これ、いいなぁー!
すすす、と寄って行って、じーっと見ました。うーん、良い!
すかさずお値段を見ると、いまだに忘れられない、6500円。(もちろん腕時計は別でしょう)

完全予算オーバー。買えません。

当然だけど、欲しいと思ったもの全ては、手に入れられない…

ちょっとしょんぼりしましたが、「よし!いいと思ったものを買える大人になってやる!」と、良いものを見抜く目と資本力への憧れ発動。(またの名を物欲)
大人になればなんにでもなれる、という夢の持てる年齢、時代でした。

後日談。
私の見つけたプレゼントに、かけていた眼鏡を額に上げ、祖父はくるりと杯を回して見るなり、「ほぉー……これはいいなぁ。いくらで買ったんだ?300円?さすがは私の孫だ!ありがとうな」

期待と確信にあふれた孫を前にして、教育的配慮と、同志の友情(?)がてんこ盛りのコメント。だれも気がつかなかったけど、もしかして私はものすごい「目利き」なのかも…!(おそらく祖父の配慮とはやや違う方向性です)
私の有頂天は、この時天を突き抜けました。

私の仕事も趣味も人生も、おじいちゃん、あなたのおかげです。

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