2022年旧作映画ベスト10

10位 ラリー・ピアース『ある戦慄』(1967)
群像劇から密室劇へ。恐怖の前では他者は平等に他者。

9位 ジョン・フリン『殺しのベストセラー』(1987)
殺し屋役のジェームズ・ウッズの怪演が印象的。男同士の友情とは別の関係性が美しい。

8位 山中貞雄『丹下左膳余話 百萬両の壺』(1935)
山中貞雄の作品がもう少し現存していれば、映画の寿命は延びてたんだろうな、ってほどの傑物。

7位 塩田明彦『月光の囁き』(1999)
映画とはすなわちNTRである、と教えられた。

6位 バスター・キートン『キートンの大列車追跡』(1926)
列車を捉える構図の多さにビビる。緩急と天丼の普遍的な面白さ。

5位 バーバラ・ローデン『WANDA』(1970)
虚無、憂鬱、無気力。時代を先取りしたバーバラの才能に触れられる機会に感謝。エリア・カザン『草原の輝き』を観た時から印象に残ってたけど、まさかこんな傑作を撮ってるとは。夭逝が悔やまれる。

4位 シャンタル・アケルマン『囚われの女』(2000)
アケルマンは『ジャンヌ・ディエルマン』(1975)と最後まで迷ったけどこっち。人間が“囚われる”とはなにか。哲学的かつ芸術的な画面にうっとり。

3位 増村保造『最高殊勲婦人』(1959)
この世で一番面白い映画のひとつ。昭和の最高の女優、若尾文子の魅力が爆発してる。川島雄三『幕末太陽傳』(1957)ばりの多幸感がジャケットからも見られる。

2位 今敏『パーフェクトブルー』(1998)
今敏のベスト。俺が今まで観た悪夢のすべてが詰まってる怪作。映画は悪夢の再演なのかと認識させられた。

1位 ハワード・ホークス『港々に女あり』(1928)
ホークスは好きな作品がたくさんあるけどこれがベストかも。ホークスらしい男女逆転がホモソ内で起きる変奏を初期で作るってなにごと?しかも男2女1の関係性を1ショットで説明してしまうし…英語字幕で観ても理解できる技術に脱帽。


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