見出し画像

あなたの人生の源は、ワクワクすることにある

我が家の数千冊の蔵書のうちの200冊ほどが、いわゆる自己啓発本と呼ばれるものですが、サラっと目を通すだけで、ほとんど通読したことがありません。まず読まないのに、なぜかブックオフに行って、タイトルが面白そうだと買ってしまいます。
そんな中でも、この一冊だけは読んで、内容を自分で実践もしてきて、人にも勧めてきたものがあります。
マイク・マクマナスの『ソース』(ヴォイス)という本です。
この著者は米ワシントン州の上院議員を勤めた人で、自らの人生で実践してきた内容が書かれているという点がミソでしょう。心理学的に見ても根拠のある内容なのにはビックリします。
特に私が気に入っているのは、自分にとって「ワクワク」なことは、95%実践していたとしても、残りの5%が自分を腐らせてしまう。どんなに小さな実践でもいいから、常に100%取り組んでいなさい、という教えです。
他にも、私たちが「常識」だと考えていることを、この人は次々に覆してみせて(しかも実績で応えて)くれているところが痛快です。

この本の要点をまとめましたので、興味のある方はご覧ください。

~マイク・マクマナス『ソース』(ヴォイス)より~

常識のウソをくつがえす

●責任感のウソ


「人が取るべき責任ある行動はただひとつ。自分が心からしたいことをすることである。それが人生でもっとも責任ある行動であり、その人が負う最高の責任である」
○人はやりたいことをやる権利があるのではなく、やりたいことをやる義務がある。
自分自身に無責任な人は、家族や友人知人、仕事、ペットにさえ、責任を持つことができません。なぜならその人からは、憂うつ、イライラ、怒り、恨み、不満、空しさなどが漂い、それがまわりの人間たちにも伝わるからです。

●ヤル気のウソ


「無理矢理にヤル気を出す必要があるのは、したくないことをしなければならないときだけです」
○自分の中から自然にヤル気が湧いてこないことは、本当にやりたいことでないか、あるいは今それをやる時期でないかのどちらかだ。
ヤル気を起こすのは不可能です。ヤル気は錯覚にすぎません。自分にとって自然な方向に進んでいないときに、はじめてヤル気が必要になります。それも持続しませんし、たいして効果がありません。外からヤル気を植えつけようとしてもめったに長続きしませんが、内側から起こったヤル気は持続し、実行力があります。

●能力のウソ


「適性があると言われたからといって、それをする必要もなければ、好きになる必要もない。しかし、適性がなくてもワクワクすることなら、やったほうがよい」
「ワクワクすることや好きなことだが適性がないと思う場合は、なおさらそれをやろう」
能力とは、一定の活動をするために練習して得た技能です。それに対してワクワクとは、心の中からわき起こる衝動です。それをせずにはいられないと感じさせ、それをすると心が満たされるという活動です。能力は経験を積めば積むほど上達しますが、かならずしもその人の興味や関心や好奇心とは一致しません。自分のワクワクを無視して能力だけを追求する生き方をしているかぎり、生きる喜びを得ることはできません。

●上手のウソ


「下手でも心を燃やせるものなら、ぜったいにやり続けよう」
ワクワクすることなら、人は自然にヤル気が出てきて、だんだん上手になっていくし、幸せで満足そうな人のところには人や機会やお金が引き寄せられてくるものです。一方、能力がなければやれないと思い込んでいると、怖くて足を踏み出せません。

●決断のウソ


「私たちにとって最善の行為は、決断をぐずぐず先に延ばすことだ」
決心をぐずぐず先に延ばすのは、ものごとの進行過程においてすこぶる自然で必要なことです。悪いことではありません。私たちがぐずぐずと決断を先に延ばしているとき、実際は、潜在意識が情報を収集して、次に起こる事態にそなえて準備をしているのです。ぐずぐずするのは、「時機が来ていないから待て」または「まだ行動のときではない」というメッセージが潜在意識から送られてきたからです。潜在意識は妥協を知りません。喜んでするか、抵抗するかのどちらかです。

●妥協のウソ


「自分がやりたいことを全部やるのは可能だ。むしろ、やりたいことはすべて同時にやるべきだ。真に豊かな人生を送っている人たちは、やりたいことをすべてやれる生き方をしている」
「二兎を追うものは一兎も得ず」ということわざがありますが、これは自分が望むことが両立しそうもないときには、どちらかひとつを選ばなければならない、という古くからの考えです。それは白か黒かという単純思考、二者択一の論理で、時計の振り子のように極端から極端へと大きく揺れ動きます。
「あちらを立てれば、こちらが立たず」という二者択一を迫られたとき、ガチガチのせまい考え方にしばられていると、人生が堂々めぐりをつづけ、解決策を見つけることができずにいます。こうした誤った考え方にもとづく矛盾から抜け出すには、自分のやりたいことをすべて実現する新しい考え方を見つける必要があります。

●優先順位のウソ


「自分にとっていちばん大事なことから順番に優先順位をつけ、リストのいちばん上から実践すると、自分のニーズ、プロジェクト、欲望やワクワクに順番をつけることになり、リストの最後まで実行する時間はまずありません。ところがたいていの場合、リストの最後にあるのがいちばん楽しいことであり、心を満たしてくれることなのです」
ひとつのことをいつも優先させていると、かならず人生のバランスがくずれてきます。ものごとに優先順位をつける考え方は、人間がさまざまな要素からなる複合的な存在であることを忘れて、あたかも生産工場の機械の部品のようにとらえています。いつも優先順位にしたがって生きていると、心の喜びがわからない人間になり、人生の重要な決断をする際に多面的に考える能力を失います。

●「現実的になれ」というウソ


「人が『現実的になれ』と言っているとき、その言葉の本当の意味は『自分のやりたいことを、やりたいようにやるな』という意味です」
個人の能力の問題と同じように、現実的かどうかを決めるのは本人の主観の問題です。現実性がないと批判されても、自分の夢をあきらめたりしないでください。実在する現実はただひとつ、あなたが自分で創り上げる現実です。

ワクワクを実現するための方法論

●自分のワクワクを全部書き出そう


ワクワク実現の第一歩は、「過去」や「現在」や「近未来」から自分が好きなものを探し出すことです。そこで見つかったものが「ワクワクのリスト」を構成します。ワクワクのリストに書かれたことは、あなたの心をわきたたせ、喜びや満足感をもたらす活動です。
自分のあらゆる面を発見したら、そのすべてを生活に取り入れる努力をしてください。たくさんあるワクワクのうち、たったひとつでも無視すると、生活全体がアンバランスになり、心の満足感は得られません。自転車のスポークが一本欠けているようなものです。

●同時実行が生む相乗効果


自分のワクワクはすべて実行しましょう。たとえ一部でも、おろそかにしたり無視したりすると、その人らしさの一部が欠けてしまい、全体の美しさや輝きがそこなわれてしまうのです。
まず、自分がワクワクすることを発見し、次にそれを生かせる生き方を設計して(それがたとえ無謀なものに見えても)、最後にその生き方を可能にする手段や職業を見つける、という順番で行動しましょう。
ワクワク、そして直観の指示にしたがって行動し、その効果が現われるまであきらめずに続けることが肝心です。

●同じ量の情熱を傾けよ


すべてのものに同じだけの情熱を傾けるというのは、それぞれのワクワクについて同じくらいの情熱と関心を持って向き合うということで、同じだけの時間やお金や体力を使うことではありません。
どんな活動をするにしろ、それをしている時間は、たとえ一時間でも五分でも、そのことだけに一生懸命になりましょう。そうすれば、あなたの生活に秩序と安定が生まれます。
自分がすることすべてに同じ量の情熱を傾けるようになると、最初に考えているより、時間の余裕が出てきます。精神を集中して時間を有効に使うようになるので、少ない時間でより多くを達成できるようになります。家族やまわりの人間に対しても、いっしょに過ごす時間の質が向上して、満足度が高まります。
注意することは、自分がやりたくないことに時間や情熱をかけないようにすることです。自分の嫌いなことや義理の付き合いなど、やっても何の喜びも得られず時間を食うだけの活動は少しずつ減らしていって、代わりに自分の心をわきたたせる行動を増やしていきましょう。仕事や「やるべきこと」を全部すませていないと、好きなことはできないという発想は捨ててください。ワクワクのすべてを同時に実行しないと効果は見えてきません。

●小さな一歩を踏み出そう


達成までに何年もかかるような願望を一度にいくつも実行しようとすると、考えているだけで疲れてしまい、とても実行不可能だとあきらめてしまうかもしれません。そんな時、今すぐできる小さな行動は何か、と考えて実行してみるのです。プレッシャーを感じたら、その一歩はあなたにとって大きすぎたということです。気楽にできる範囲まで、行動を細かく分けましょう。
人生に問題はつきものです。問題をなくす努力をするのは大切なことですが、問題が全部なくなることはありません。だから、問題を解決してから自分の生きたいように生きようと考えていても、そんな日は永遠にやってきません。それよりも問題や障害物があろうが、自分の生きたいように生きるという態度(決意)が必要なのです。問題があることを言い訳にしてはいけません。

<やりたいことをしない言い訳リスト>
  ○ 時間がない。
  ○ 疲れている。
  ○ お金がない。
  ○ 家族が許してくれない。
  ○ 会社が許してくれない。
  ○ そんなことをしたら、仕事を辞めさせられる。
  ○ そんなことはここではできない。今まで誰もした人はいない。
  ○ どこから手をつけたらよいかわからない。
  ○ 他にやることがたくさんあって、できない。
  ○ 仕事があるから。
  ○ そのうちやる。チャンスに恵まれたらやる。
  ○ そんなことはできない運命なんだ。
  ○ それだけの才能がない。

<小さな一歩を踏み出すために必要な要素>
  ○ 方向(自分が体験したいこと)
  ○ 小さな一歩(最初の行動)
  ○ いつ
  ○ どこで
  ○ 所要時間
  ○ 費用
  ○ 誰と(あるいは一人で)

あらゆるワクワクに対して「小さな一歩」を同時に実行することによって、それぞれの部分の総和よりも偉大な結果が全体として生じます。考えてもみなかったようなすばらしいことが起こり始めます。ただし、こうした「奇跡のシナジー効果(相乗効果)」が起こるのは、たとえ小さな一歩であれ、すべてのワクワクを同時に実行しているときだけです。ワクワクの九十五パーセントしか実行していなかったら、シナジー効果は生まれません。

●目標を立てるな


目標を立てずに、進む方向だけを決めると、予期しなかったすばらしい体験にめぐり会うチャンスが生まれます。「大らかさ」や「創造力」は人生に大きな喜びをもたらす源泉ですが、目標を設定すると、この二つが失われます。
目標を定める代わりに、方向だけを決めると、その方向に向かって踏み出す一歩一歩が勝利への道程になります。勝敗を決める必要もなく、点数を記録する必要もありません。そこには勝利者しかいません。そしてその勝利者はあなたです。それに反して、目標を定めていると、目標点に到達しないかぎり、たとえなんらかの成果はあっても敗北感につきまとわれます。

●自分の直観を信じよう


ワクワクのシナジー効果を信じて前進するためには、重要なことであろうが、ささいなことであろうが、人物や状況に対して自分が直観的に感じたことを決して無視しないでください。「この話にはどうも気が乗らない」とか「この人はどうも信用できない」とか「なぜかあの人に急に会いたくなった」といった直観に注意をはらいましょう。何も感じられなければ、感じられるまで決断を延ばすのです。待っていれば、いずれ何かを感じます。その感覚があなたの本当の直観です。
何がほしいか、何をすべきで何をすべきでないか、どこに行きたいか、なぜそうしたいか、いつ始めるべきか、どんなペースでどうやって進むべきか、などを教えてくれるのは、すべて直観です。
自然にわき起こる直観はあなたの親友のようなものです。大切な友人と付き合うのと同じように、尊敬し、直観のメッセージをきちんと聞いて、信用しましょう。
ただし、喜怒哀楽の感情と直観を混同しないでください。

<感情と直観の見分け方>
○感情は生理的な反応であり、激しく心が揺れ動き、一過性のものである。感情にもとづいた決断をすると、人生にゴタゴタが生まれ、後から後悔する。
感情は、肉体や精神が情報処理をする結果として生まれるものだから、無視しないでそのまま味わえばよい。感情を抑えつけると、心身の健康に悪影響をおよぼす。
○直観には感情の揺れがなく、落ち着いて平坦である。一貫性があり、持続し、急変したりしない。直観は潜在意識からのメッセージであり、その力を信じる人にとっては、高いレベルからのメッセージだと感じられる。また、直観はしつこい。直観のメッセージを無視すると、いつまでもその気持ちが去らない。ところが、その直観を認めて行動すると、とたんにその気持ちはなくなる。

理想の仕事や伴侶は努力して探しても見つかりません。自分の直観にしたがい、本当の自分を尊重し、生かす生活をしていれば、まるで磁石に引き寄せられてくるように、いつのまにか自然と自分にふさわしい仕事にめぐり会い、自分にぴったり合う伴侶にめぐり会うのです。これは本当に自分らしい人生を送る人だけが手にする、すばらしいプレゼントです。

●ワクワクに生きる人生にストレスはない


ストレスの最大の原因は、やることが多すぎることではなく、やりたくないことをやることです。
心身症の研究によると、楽しいことをしている人は病気に対する抵抗力がつくそうです。楽しいことをしている人の間では、偏頭痛がほとんど見られず、胃潰瘍や高血圧、慢性腰痛や皮膚病、咽頭炎、インフルエンザ、風邪など、ストレスと関係している病気も見られませんでした。
自分が生まれ持ったワクワクを生かし、好奇心のおもむくままに行動し、大好きなことを夢中になってやるようになると、自然と抵抗力がつき、ストレスがあなたの生活に入ってこられなくなります。
ワクワクすることをする人生は川下に向かって泳ぐようなものです。数あるワクワクを生活に生かせば生かすほど、川幅が増し、流れが速くなって、人生の旅路が楽になります。


無料公開中の記事も、有料化するに足るだけの質と独自性を有していると自負しています。あなたのサポートをお待ちしています。