ジゴロック(運営編)
3/16〜17に大分スポーツ公演で開催された大分初のロックフェス「ジゴロック」。
前回は【アーティストのステージ】について書いたので、今回は【運営について思ったこと】について書きたいと思います。
↓前回の記事はコチラ
〈よかったところ〉
・シャトルバスが最高に乗りやすかった
事前に公式サイトで確認すると「降車場から徒歩25分」とありブーブー文句を言っていたのですが笑、いざ行ってみるとバスを降りたらすぐに会場内に入れて。
「25分」というのは恐らくバスを降りてからライブエリア(有料)までの時間を指していて、その手前にリストバンド交換や物販、フードの屋台が並んでいるので体感としては徒歩3分程で到着する感じになり道路を延々歩かされるということはありませんでした。
さらに行きも帰りもまったく待たずに乗れて。
これは東京や大阪のフェスだと考えられないことで、様々な交通手段で参加する地方ならではのメリットかなと思いました。
・シートエリアが広い
ステージエリアのすぐ後ろに広大なシートエリアがありました。
ここにレジャーシートを敷いて拠点を作り、観たいアーティストのときはライブエリアで楽しみ、疲れたらここで休憩すると。
ちなみにシートエリアからでも全然ライブは観れます。
長崎のスカイジャンボリーや福岡のCIRCLEもこういうシステムですがよりコンパクトになっていて快適でした。
さらにこのことはテレビの事前番組でもアナウンスされていてとても親切だなと。フェスに慣れていない方にとって最良のフェスだったのではないでしょうか。
・フードが充実していた(無料エリア)
フェスといえば「フェス飯」と呼ばれるフードエリアですが、大体どのフェスに行ってもズラーーっとお祭りのように屋台が並んでいます。
ジゴロックも例に漏れずではあったのですが有料ゲートの手前にあったのが面白かったですね。
これは恐らく埼玉の「ビバラロック」を参考にしたのだと思いますが、このエリアは誰でも無料で入ることができ、さらに子供向けのコーナーやカラオケブースなんてのもあって(オセロの中島さんがMCをしていた!)、チケットを買わなくてもこれを目当てにフラっと遊びに来ることが出来るのです。
〈よくなかったところ〉
・有料エリアにもう少しフードコーナーが欲しかった
前述しました通りチケットを買っていない人でもフード等が楽しめる造りだったのはいいのですが、反対にライブエリア内が少し手薄だったのかなと。
フードはライブエリアを出てすぐのところにも少しあったからいいとして、ドリンクだけでももうちょっと近くで売って欲しかったです。
スポンサーの「ニカソー」(二階堂焼酎のソーダ割)で独占したかったのかもしれませんが。←ニカソーも美味しかったけど!
・グッズ売り場が不便
グッズ売り場の場所が変なところ過ぎた。苦笑
ドーム前にある「武道スポーツセンター」という施設のロビーのようなところだったのですが、ライブエリアから歩いて10分以上かかるような屋内の施設の中で販売していまして。
朝イチでオフィシャルグッズの列に並んでいたのですが、アイドルとのコラボグッズ?の列と何故か同じ列になっていてそれと「1列ずつで2列」だったのですが、スタッフさんが持っているプレートには「オフィシャルグッズ最後列。2列にお並び下さい」みたいに書いてあって。僕らも実際に途中まで違う列に並んでしまっていて開場までずっと待っていたのに結局また並び直すハメになってしまいました。
このオペレーションの部分もですが、そもそもなぜ「武道スポーツセンター」内に作る必要があったのかなと…。リストバンド交換やフードと同じく外のテントで良かった気がしました。
ようやく中に入れたと思ったら販売受付の列が1つずつ独立していて。
ここは横一列に受け付けて行列は一つ、空いたところから順に買っていく形の方が良いのではと思いました。大体どこのフェスもそうしているんじゃないかなと。
屋内だったのは天候や在庫管理の兼ね合いだったんですかね。僕の中で今回一番の欠点だったかもしれません。
・お笑いステージ中に隣でマイクチェック
隣り合う2つのステージで交互にライブが行われる仕組みなので転換の時間を待たずに観れるのはいいのですが(これは退屈しなくて本当にありがたい)、お笑いステージのときだけは同時にマイクやアンプのチェックをするのは厳しい気がしました。
スリムクラブのネタ中にガンガン隣のステージの音が入ってきていて、彼らは笑いながらネタにしていましたがやりにくかっただろうなと。
お笑いステージのときだけでもマイクチェックの最中はせめてネタじゃなくてトークの時間とかにして、終わってからネタの時間に入るのが良いのかなと思いました。(なので全編通してそういうMCの方とかがいても楽しかったかなと。ぜひアナウンサーさんや野良レンジャーで!)
・ステージ間の移動がしづらい
シートエリアを広くとっていた為か通路が少し狭めでステージ間の移動も混雑していて毎回移動が大変でした。
公演中はともかく公演の合間だけでもステージ間のロープを外す等して移動ができるようにしてもらえるとありがたいなと思いました。スタッフの方は大変でしょうけど。
・シャトルバスの時間(帰り)
公式サイトに「復路は19時から発車開始」とあって途中で出入りできないのはツライなと思いました。
2日目は18時から開始になっていたようですが、それでも途中で出入りできないのはなかなか厳しいなと。
確か駐車場も同じように書いていた気がするのですが実際そうだったんでしょうか。
福岡のPayPayドームのフェスなんて合間に隣のマークイズで買い物ができるくらいなので、随時パークプレイスと往復できる仕組みでもあればとも。
この日だけ「バイクシェア」を設けておくとか。
個人的にはストレスなく移動できましたが、交通アクセスはやっぱり課題かもしれませんね。どこもそうかもしれないけど。
まとめ(というか一番言いたかったこと)
苦言のようなことも色々書いてしまいましたが、今回 大分初のロックフェスの誕生に立ち会えたことがとても嬉しかったです。
出演アーティストさん達も合間のMCやSNSで仰っていましたが軒並み好評だったみたいで。きっとあれは社交辞令じゃなくマジのやつのはず。
ダイノジさんをはじめ県外の数々のフェスに参加経験を持つ運営スタッフさん達がそれらのフェスの良いところを取り入れようという気概が随所に感じられて感動しました。
あと今回本当にこれが一番言いたかったのですが、とにかく大分市内でこんな規模のフェスが開催されたことが本当に嬉しくて嬉しくて。
都心で育った人には共感されないかもしれませんが、我々大分県民が今までフェスに行こうとすると最短でも福岡まで足を延ばすしかなく、そこそこのお金と時間を使って参加してきたのです。
当日に仕事や学校の休みを確保する(そして家族から時間をもらう)なんてのは当たり前で、開催地によってはその前後も取る必要があるといった環境で。
もちろんそれはそれで普段の日常と切り離された“非日常”のスペシャルイベントとなり楽しくはあったのですが、裏を返すと「一大イベント」過ぎて消費カロリー(費用)が半端じゃなかったというか。かなり気合を入れての参加となっていたのでした。
これが自分達が暮らす街、大分で開催されたことで大分駅から車(バス)で20分程の距離感で参加することができた。
僕らの“日常”にフェスがやってきたのです。
SNSにもこれまで沢山の県外のフェスに参加してきたであろう音楽好きによる同様の投稿が溢れていてなんだかグッときました。
僕のお友達に「家族がパークプレイスで待ってるからもう帰るね!」と言って午前中の2組くらい観て帰っていった強者もいましたが、実際そういうこともできるよなーと。(僕はケチなのでガッツリ最初から最後までしがみ倒しましたが笑)
実際に学校帰りの高校生や近所のおじちゃん、おばちゃん達も多く参加していて。(近所かは知らんけど)
結局フェスの良いところって普段自分から聴かない音楽に出会えるということだったりするので。そういうライト層を巻き込めたのはとても良かったのでは思っています。
それと同時に思ったのは年齢層の広さ。普通こういったフェスだと8割くらいは若者が占めているのですが、むしろ我々と同じくらいの年齢(30〜40代)からさらに上の方のほうが多かったんじゃないかと思えるくらいで。これも凄く良いと思いました。
運営の方々のこちらからは見えないような細かい部分に至るまでの気遣いや熱量が、結果的に観客や出演者たちをあんなにいい表情にさせたのだと。そういうものは絶対に伝わるので。
そういう意味では本当に奇跡的な大成功だったと思います。
それは偶然に起きたことなんかではなく、何度も延期になって苦い思いをしながらなんとか開催にこぎつけたダイノジさんやTOSさんをはじめとする運営の皆さんの努力の賜物以外の何物でもありません。
大分にロックフェスを作ってくれて本当にありがとう。
もし良かったら来年もぜひお願い致します。
この数年間、本当にお疲れさまでした。