新型コロナウイルス考 その2

まだまだ先のみえない新型コロナウイルス感染。仕事や学業を始め、生活に様々な影響を及ぼしています。
大勢が集まる機会や人の移動を制限したり、陽性者を隔離することなどで被害を減らす対策がとられていますが、早期にシビアな封じ込めを行った国や地域以外は、日々新たな感染が報告されています。

情報が増えるにつれ、徐々にウイルスの性質がわかってきてはいます。
ひとつは、高齢者や特定の疾患をお持ちの方以外、言い換えれば若い人やいわゆる「健康なひと」は感染しても重症になったり命を落とすことは少ないこと。
それもあって「重症にあてはまらない人は自宅待機で治して」と推奨されています。
(ちなみに、一般の風邪=ウイルス感染は、インフルエンザなど一部を除いて特別な治療法はありません。症状を緩和する薬をご希望される方は服用し、熱は上がりすぎた方は下げますが、あとは自力で回復しているのです。)
不幸にして亡くなられた方の人数は、報道されている3月6日のデータで、陽性と判明した方々の1-2%(日本)。東洋経済オンラインのデータでは、PCR検査を受けた方の約5%が陽性とあります。この陰性だった方は、割合は不明ですが、多くが「陽性の方と濃厚接触疑い」か「疑わしい感染の症状はあるが、コロナか別のものか不明」のどちらかと思われます。
後者のように、症状はあるのに検査で陰性だった方が多数いらっしゃったことからは、以下のことが考えられます。
結局「これが新型コロナウイルス特有の症状だ」と断定できる特徴が少ない。つまり「ただの」風邪(これもウイルス感染症)なのか、「新型コロナ以外のウイルス感染」なのか、または「ウイルス以外の感染」なのかは検査しないとわからない。
発表されている「37.5℃以上が4日以上(持病のある方や高齢者は2日)、呼吸苦」も新型コロナだけの特徴ではない。

このことは、逆も示唆します。
すなわち「ニュースで言われているような熱もないし元気だから、自分は『ただの』風邪だろう」と考えてあまり気にせず感染を広げてしまうケースもあるのではないか、と。
そう思うと「不特定多数が触れたものは、基本、汚染されている可能性ありと考えて行動しないといけないのか?」と暗澹たる気持ちにもなります。

そして、もうひとつ気になる情報がありました。
「2回目に感染すると重症になりやすい可能性がある」とのこと。
病原体に感染すると、多くの場合免疫といって、再度同じ敵が来襲したときに覚えていて身体を守る働きが作動します。ただ、これは絶対的なものではありません。また、2回目以降に危険がます病気は他にもあります。例えば蜂にさされた時には「2回目以降は危険が増す」と注意や対策を促しますし、以前都心で問題となったデング熱も、再度の感染でデング出血熱といって重症化することがあります。
もし気がつかないうちに感染して治っていた場合、初めてと思っていた新型コロナ感染でいきなり重症となる可能性もゼロではありません。

と、ここまで考えてくると、やはり思うところは前回と同じです。

・自分の感染予防につとめる。
自らの命を守るためでもありますが、それ以上に、感染させる側にならないために。
手洗いやうがいを必要時に行う。
すぐにできないときは、自分の目、鼻、口元などに触れないよう気をつける。
のどは、水分を少量ずつこまめに飲んだり、保湿も有効。また、鼻毛は鼻経由のウイルスをある程度トラップすると言われています。口呼吸でなく鼻呼吸がベター。
マスクをする場合、他から飛んでくるウイルス混じりの飛沫のうち、サイズが大きいものは防げる可能性があるが、自分を守りきるだけの万能さは期待しない。(まあ、今は私も買えませんが、、)ちなみに、インフルエンザなど鼻の奥で増殖するウイルスは、鼻からの飛沫で強力に感染します。
貴重なマスクを使う方は、必ず鼻まで覆ってくださいませ。

・感染を拡げないためのエチケットを、公共マナーとして一人一人が徹底する。
新型コロナかそうでないか、、と、症状によって自己判断しない。また、明らかな症状を出していなくても鼻や口からの飛沫を不用意に周囲に拡散しないよう気を配る。

・ウイルスに感染した場合に、自分の「治ろうとする力」が十分発揮できるよう、体調管理につとめる。
「免疫を高める」といっても、病気によって、免疫のどの働きが直接有効かは異なります。
身体に良いと言われる各種サプリやビタミン(C,D)、食材をとることももちろん結構ですが、本来備わった「免疫力」を落とさないための注意も大切と思います。
例えば、
質のよい睡眠
身体を適切にあたためること
腸内環境を整える
など。
一方、移動制限や各種催しの中止等で、様々なストレスが増した方も多いのではないでしょうか。私も同様です。
そのなかでも自分自身やご家族、お仲間と上手に時間を使い、ストレスによって体調を崩すことを避けていただきたいと思います。

そして、持病のある方はしっかり治療を続ける。
「いつもの風邪ではない」と感じたらその時点で早期に相談する。

長文をお読みいただき、ありがとうございました。
早期終息を願いつつ。

イラストACより借用

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