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ジャングルジュースでkichi-guy Trek America

トレックアメリカ Trek America

18~38歳の限定のキャンプツアー
オリジナル( Original ) ツアー : 従来のミニバンで移動、少人数13名までのキャンプツアーとBLTツアー。 キャンプツアーは参加型ツアー。 大自然により近づけるスタイルでお勧め。 多くのキャンプ場はシャワーを初めとした施設が整っている。 食事は現地にて1日$10x日数で徴収。 皆で買い出しをし、当番制で作ります。 BLTツアーでは安宿やホステル、バンガロー利用。2~6名1室。 2名1室のホテル利用であればバスルームは各部屋に、ホステルやキャビンに泊まる場合は複数(6名等)1室利用でバスルームは大勢の人と共有。食事は含まれません。 ツアー1日目の早朝出発、 最終日の夕方にツアー終了。 ツアー前後に延泊必用。

というアメリカのキャンプツアーに
1996年だったか21歳の時に参加

当然ですが英語は片言
アメリカ2ヶ月チョイの旅行予定で
そのうち1ヶ月を
Trek Americaの西海岸のツアーに参加

L.A.のハシエンダホテルのロビーに現地集合
なかなかハードル高かったです
ざっくり言うと
アメリカ西海岸
L.A.〜S.F.〜シアトル
そして内陸部にちょっと入って
ナパバレー〜ヨセミテ〜グランドキャニオン〜ラスベガス
そしてL.A.に戻ってくるという1ヶ月でした

カタコトの英語のみ
当然参加者で日本語話せる人はナシ
全部で12人の若者たち
英語が話せない自分
唯一のアジア人

最初は
かなり疎外感がヤバかった

今のようにインターネットが無く
日本人がどんなだか知られてない世界だったので
みんなリアルな日本人を知らなかったかと

自分以外のヨーロッパからの参加者たちは
速攻で仲良くなって
21人乗りのダッチのバンでワイワイガヤガヤ
日本人の自分には
とても優しく気を遣っているみたいでしたが
なんか壁が…

たしかツアーが始まって2日目か3日目
キャンプ場で
運転手兼ツアーコンダクターさん(Bill Spainって名前だったかな?)が

「おいっ!今夜はお前が、なんか面白い企画やれよな!」

と無茶振りと笑顔とサムズアップポーズ
(おいおい、俺には無理だろ…)
と泣きそうになりましたが
腹をくくって企画を考えました

伝家の宝刀【ジャングルジュース】
これをやるしかない

参加者全員から
好きな果物と好きな炭酸ジュースをアンケート
それを買いだししてきて
でっかい鍋にフルーツザク切りにして
氷とジュースで全部混ぜる
まぁアメリカで言うフルーツポンチなんだけど
それにウォッカをしこたまぶち込む!

フルーツがファンタやスプライトに浸かって
サングリア的になって
ウォッカで殺す

それをでっかい鍋に大量に作りました

夜になり
キャンプ晩ごはんの途中で
鍋からお玉でジャングルジュースをすくって
マグカップに注ぎ
自分からカタコト英語で主旨説明

「え〜
 世界各国から
 12名の多種多様な方々が集まり
 色々な趣味と考えと
 好き嫌いがあると思いますが
 それが全て混ざるとどうなるか
 この1ヶ月かけて
 ゆっくりと楽しみたいと思います
 本日はみなさんの好きなものを
 ドリンクに全部入れましたので
 お楽しみください
 【ジャングルジュース】と呼んでください
 ルールーはたった一つ
 そそがれたドリンクは
 笑顔で
 全て飲み干すことです
 楽しい1ヶ月を!
 チアーズっ!KANPAIっ!」

と一気に飲み干して
ふと周りをみると
最初はポカーンとしていたみんなも
めちゃくちゃ笑顔で拍手してくれました
そこからは記憶があいまいですが
みんなで楽しくワイワイガヤガヤ


気がつくと朝…
知らないテントで寝てました
しかも女の子たちのテント…

ソーリーソーリーと言いながら
テントを出て顔を洗いに水場に行くと
いろんな人たちが

「ヘイッ!キチガイジャパニーズ!」
「グッモーニン!キチガーイっ!」
「ドランキンボーイっ!」

どう考えてもツアー参加者じゃない
キャンプ地にいた人たちが
みんな笑顔で自分の肩をバンバンたたいて
嬉しそうに笑ってる

「おれ?なんかしちゃいました?」

とおもって
顔を洗ってから自分のテントに戻り
宴の後片付けをしている
ツアー仲間に合流すると

みんな大爆笑してる
海外の人たち
アニメみたいに
ほんとに腹を抱えて笑うんだね…

「ソーリーソーリー
 昨日は途中から酔っ払って
 覚えてないんだよ」
と白状すると

ツアー仲間たちが
笑いを堪えながら教えてくれました

「全然話さない
 クソまじめな日本人ボーイが
 ジャングルジュースという謎の液体を振る舞い
 案外感心するスピーチをした」

「途中から何を話しているか
 わからなくなったけど
 トイレに行って帰ってきたら
 キャンプ地にいた
 全然関係ない人たちを
 たくさん連れてきて戻ってきた
 しかも
 お前はなぜか
 みんなに担がれて帰ってきた」

「とりあえず
 謎のジャングルジュースのせいで
 みんなベロベロになって酔っ払った」

「お前はずーっと
 日本語でフランスの女の子達を口説いていた」

「女の子2人が
 お前を担いで
 どこかに消えていくのを
 みんなで見ていて
 あの日本人はやるなって話してた」

「誰かが
 唯一知っている日本語は
 クールとかクレイジーという意味で
 【kichi-guy】という言葉があるから
 明日からあいつの名前は
 【kichi-guy】にしようと決まった」

「あいつ
 英語無茶苦茶だけど
 話せるじゃん
 心配してたけど大丈夫じゃん
 あいつアホじゃん」

ということだったみたいです

キャンプ場ですれ違う人たちが
笑ってる意味が
よくわかりました…

まぁ
このジャングルジュースのおかげで
急速に12人が仲間として
楽しく過ごすことができる
きっかけになったのでとてもよかった

この時以降
基本キャンプの時は
ジャングルジュースが作られるようになりました

時は流れ
2〜3週間経った頃
大きめのキャンプ地で
他のTrek Americaのツアーチームと
合流することがありました

そしたら
なぜか他のチームの人たちが
自分のところにやってきて

「君が【kichi-guy】?
 あの
 ジャングルジュースの発明者の?
 握手させてくれよ!」
とかわるがわる
握手してくる人が…

どうやら
スタッフ同士のミーティーングが
電話で行われたりしてたみたいで
ウチのチームのツアーコンダクターが
ジャングルジュースを激推しして
他のチームにも伝染してたみたいです
「チームにヤバイ日本人がいて
 これを飲むとシャイな奴らも
 仲間になれる魔法のドリンクなんだぜっ!」
というふれこみ…


今夜の合流するチームに
ジャングルジュースのオリジナル始祖がいると
ふざけて宣伝してたみたいでした

握手したり写真とったりサインしたり
意味がわからない
アホな時間をすごせました

あだなが【kichi-guy】ってのはなぁ…
とにかく
Trek Americaに参加して
人としてとても成長できました
同年代の色々な国の人たちと
交流できて
喧嘩して仲良くなって
たのしい1ヶ月でした

残念ながら
Trek Americaは
コロナで倒産してしまったみたいですが
ジャングルジュースが
世界に広まっていたら

始祖はワタシです

というハナシ

★そもそも大学でジャングルジュースを知ったから
 オリジナルではないか…



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