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凡事徹底

唐突感が否めない

そんな書き出し方とはなるが



私には憧れている先輩がいた。



その先輩は

凡事徹底という言葉に相応しい人だった。




口数は少なく 一見すると

とっつきにくい印象 であったが


先輩は仕事を通して

自分 というものを 体現していた。



一つの仕事をこなすにせよ

人よりも 格段に速く

時に 恐ろしい気迫すら 携え


怒濤の如く

膨大な量の仕事の処理に当たっていた。



現状のことは勿論

その後の流れというものを

常に 把握していて

滞っている人の所へ行き

手助けしている姿は 何度も見てきた。



人が嫌がる仕事も率先してやっていた。



陰口や不平不満は

一度も聞いたことはなかった。



先輩はきっと

人に関心がないから ではないか 

と 思っていたが そうではなかった。





当時

まだその仕事に不慣れだった私のことを

先輩は いつも 気にかけてくれていた。



べったりと

付きっきりでの指導 ではなく


困っている時に

スッと答えを差し伸べてくれるような

先輩らしい スマートな指導 だった。



プライベートなことや 

自分自身のことを

あまり多くは 語らない

そんな先輩だったが



実力があり

能力も高かったため

仲間内からの信頼も厚く 慕われていた。




私は

そんな先輩の後輩になれたことを

誇らしく思う と 共に


私もいつか

先輩のようになりたい

先輩に

まずは追いつきたいと思うようになった。



その後 我武者羅に

仕事に 奮起 没頭し

いつしか

幾つかの担当を任されるまでに

成長することができた。

 


何度か転職を繰り返し

今に至るが


その都度 要所要所で

困難な状況に

立ち向かわねばならぬことが

多かったが


それらを

心で乗り越えることができたのは

やはり先輩のお蔭だった。




“きっと先輩なら 

顔色一つ変えずに

淡々と 処理されるのだろうな。” と。




弱虫で情けない

そんな自分を戒める魔法の言葉



今でもこの言葉は 心のお守り だ。





先輩が私に植え付けてくれたもの



それは『 経験と自信 』だった。



仕事を通して 体現してくださった

人間性にまで及ぶ様々なことは

それを受け継いだ後輩として

きちんと守っていく義務 

と すら 感じている。



経験を積んでいくと自信が生まれてくる。



しかし どのような時にでも

自分で自分を 過大評価しない。

自分の力を 見誤らない。

時折 振り返り 

現実を きちんと 見ること。


自信を 傲慢に 変えない。

自分の常識

他人の非常識と 

心得ること が 大切であろう。




憧れの追求をしていたら

様々な思考と出会った。




人生はまだまだ長い。




凡事徹底




自分を見つめ直す

良い機会をいただけたことに 感謝。

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