剪定枝をバイオ炭にして地中に埋めると。。。
竹林や森林の整備、あるいは通常の木々の剪定などで出たものは、燃やして灰にしてしまうことが多いと思いますが、単に焼却してしまうのではなく剪定枝などを炭化させて利用することが出来ると嬉しいですね。
どのような利用法があるのか、代表的な炭の用途を三つほど挙げてみます。
火鉢や炬燵などの暖房や煮炊きなどの燃料
昔は暖を取ったり、あるいはコンロで煮炊きしたりすることに炭がよく使われていましたが、最近は、電気、ガス、灯油などにとって代わられて、焼き肉やバーベキューなどの場合を除き、日常生活で炭を見ることは殆どなくなったように思います。土壌改良
農作業の観点から土に埋められると土壌改善の役に立つそうで、その農法は数百年前から今に至るまで使われているようです。二酸化炭素削減
バイオ炭*(注1)を土に埋めることにより二酸化炭素と炭素自体を土に封じ込めることが出来ることから、地上における二酸化炭素とそのもととなる炭素を削減できる点が注目されています。 つまりカーボンネガティブ*(注2)を実現できることになります。 2015年にフランスで行われたCOP21において同国が提唱し多くの国や機関が参加している「4パーミルイニシアティブ(4 per mille initiative)」をきっかけに、日本においては、山梨県が2020年4月に取り組みを始めたそうです。
*(注1):燃料で使用される炭と異なり土壌改良や二酸化炭素削減の目的で木・竹・草・動物の糞など生物由来の有機物を炭化させたものを指します。
*(注2):単に木々や植物を燃やすのであれば、それはカーボンニュートラル(つまり木々は光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を排出しますが、その木々を燃やした時に出る二酸化炭素と相殺されるので二酸化炭素の出入り合計がゼロつまりニュートラルであるとする概念)となります。 しかし、炭素の塊であり少量ながら二酸化炭素も含まれている炭を地中に埋めて貯蔵してしまえばその分二酸化炭素並びにそのもととなる炭素を地上から減少させることが出来るという意味においてカーボンネガティブ(つまりカーボン量がマイナスとなるとする概念)とされます。 この言葉は、米国のマイクロソフトが使い始めたといわれています。
二酸化炭素削減に貢献してみては?
話が長くなりましたが、上記三番目の効用、つまり二酸化炭素削減は正に、現代社会の喫緊の課題の一つ地球温暖化ガスの削減に貢献することになります。
燃料用の炭を量産するには、窯を用意するなど面倒そうですが、個人用としては意外と簡単に作る方法があるようですので、ご興味おありの方は「炭の作り方」などのキーワードで検索してみて下さい。 燃料用でなくバイオ炭も同じように比較的簡単に作れそうで、その道具も市販されています。 空き地の樹木整備や庭木の伐採などで発生するものを、業者任せで廃棄したり燃やしてしまったりすることなくご自分でバイオ炭を作り地中に埋めることで温暖化ガス削減に貢献してみるのは如何ですか?(AS)