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11:葬式の常識や当り前は本当か!?

結論から言うと実際に行われてる万国の葬式で分るように当り前や常識など無い。理由は宗教儀式ならマチマチ、また日本人の80%は無信仰と言われるのですから統一などできません。

日本では仏教の葬式が一番多いですが、世界に目を向ければ最大宗教キリスト教22億人、イスラム教15億人、ヒンドゥー教9億人、仏教4億人、無信仰8億人(ブリタニカ調べ)ですから、僧侶が読経を唱え戒名を付けてやらねが浮かばれないと言ったところで、なら仏教より多い45億人と他宗教信者合わせて53億人は全て浮かばれないのか!?ってことになるし、4億人が53億人に対して言っても説得力はない。

また各宗教毎に葬式は全て違いますから、死後の世界は宗教の数だけあって日本人の80%も含め無信仰者用の死後世界もあるの? と聞かれても不思議でなく途中で信仰変わりした人はどうなるの? 

もっと言えば同じ仏教でも死後は四十九日の旅に出ると考える十三仏信仰する宗派もあれば、浄土真宗のように旅などしないと考える宗派もあります。

骨壺で言えば東日本は7寸主流で全拾骨だけど、西日本は4寸主流で一部拾骨で分骨が当り前の地域もあるし、納骨に於いても骨壺のまま墓の下に掘られたカロートに納める地域もあれば、骨壺から出して撒いたり、焼骨を麻布に包んで投げ入れる地域もあるし、土葬や散骨が当り前の国や地域もある。

皆さんが当り前や常識だと思ってる事の大半は、その地域限定の常識であって日本の常識ではない――、というより逝去直後から遺骨処理に至るまで地域毎に全て違うと言っても過言では無いほど違います。国内でも違う例をいくつか書きますので御自分の地域と同じか違うか突き合わせてみれば葬式に当り前は無く、常識という言葉は当てはまらないと分るでしょう。

『家族が逝去すると仏壇を閉じる地域』
仏壇とは仏教で仏様の入る場所、逝去した日から数えて三十五日~四十九日の忌明で仏となる為、それまでは「まだあんたの来る所じゃないよ」と閉めておき、忌明けが済むと扉を開けて仏として扱うわけです。

その意味では『仏教は仏になる』『神道は家の守り神になる』『キリスト教は復活する』これだけ聞いても普通、常識、当たり前はないと分る。

『骨葬が当り前の地域』
前橋では納棺状態で葬式が当り前ですが、県内北部では先に火葬を済ませ骨壺に納まった状態での葬式も普通の地域があります。これは火葬場利用地域が広大で火葬炉が少ない為、各地元式場で葬式するには効率的だからです。

『告げが来ないと葬式に行けない地域』
一般葬は誰でも会葬できる葬式形態ですが、葬式が起こると二人一組になって葬式がある旨を伝え歩く告げと呼ばれる風習がある地域では、告げが来なければ会葬に行くことはできません。

『即日納骨と四十九日納骨』
火葬後は墓に行き納骨、供えた果物を墓で切って食べる地域もあれば三十五日や四十九日を納骨する日と考える地域もあり、この違いは地域だけでなく菩提寺住職の考え方で違うこともあります。

納骨に関して日本は本来土葬、土葬は葬式当時ですから即日納骨が本来の姿と考えて良いでしょう。四十九日とは仏の仲間入りをする日(忌明)です。

『墓に供える塔婆の無い地域』
本州以北の人達は墓に塔婆とうばと呼ばれる木の板があるのを当たり前と思っておられるでしょうが、九州の人達の中には「塔婆ってなに?」見た事が無いと言われる方もいるはずです。

『花輪や生花の関東、しきみの関西』
かつての葬式は花輪が当り前でしたが、今では生花スタンドが当り前の関東に対し、関西ではしきみを並べるのが当り前です。

『火葬中コップの水を何度も替える地域』
群馬県太田地域では、火葬炉前に台を置きコップがいくつも用意され火葬中に家族や会葬者が何度も水を取り替える珍しい習慣があります。

『火葬炉前に置く物の違い』
前橋、高崎では火葬炉の前に遺影と位牌のみ置きますが、地域によって一膳飯・水、枕団子を乗せた白木膳を置く地域や、果物やうどんを置く地域もあり火葬場毎に全て違と感じます。

本項では葬式で当たり前、常識、当然のように書かれたものを全て信じ込む必要はなく、仮に葬儀屋やこれが普通だと言っても信じられるとは限らないこと、大事なのは施主や家族がどう思うかです。

相談するなら偏見や固定概念の強い人で無く、家族のことを本気で考えてくれる人にアドバイスを求めましょう。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」

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