日本酒のお話 〜 福寿(限定品)と松尾稲荷神社
●●限定品!という謳い文句には弱いのが人の心理ですが、実際に買ってみると玉石混交なのは世の常です。
今回はそんな中で玉も玉、大当たりの良品の記事です。
くどい様ですが、私 進雅は占い師です。日本酒評論家ではありませんし、酒好きのおっさんでもありません。しかし、だからこそ書けることを意識して書いているのですが、そんな私が一発KO食らう程の、
「こんな美味い日本酒、反則技だよ。」
と思ったのがコレです。
日本酒に詳しい人なら、
「あれ?福寿って青か緑の瓶じゃなかったか?」
と思うかもしれません。実際その通りで青がレギュラー商品の純米吟醸酒、緑がレギュラー商品の純米酒です。
この白い瓶の福寿・純米吟醸酒は、灘五郷の一つ御影郷にある神戸酒心館さんの敷地内にあるアンテナショップ・東明蔵さんでしか買えないお酒です。写真にも蔵元限定と記されていますが、今年から始めた日本酒だそうで、ネット販売にも出していないそうです。(2023.5月現在)
そもそものキッカケは神戸の松尾稲荷神社にお参りしようと国道43号線を走っていた時に、神戸酒心館さんの看板を見つけたことです。あぁ、福寿の蔵元じゃないか、ここにあったのか…と思ってその時は通り過ぎましたが、今度買いにこようとチラッと意識に残ったのですが、日をあらためて買いに行ったという訳です。
生まれも育ちも兵庫県の摂津国エリアの私にとって、灘の生一本という言葉は地元名品の一つを指し示すものでしたが、実はその良さや業界での位置付けなんかもよく分かっていませんでした。
「何か漫画で悪口言われてるのって、暗に灘や伏見の大手酒造メーカーを指してるのかなぁ?」
程度の認識で、大して味も分かりませんでした。日本酒とはこんなもん、というよくあるパターンだった訳ですが、そんな私の灘酒に対する認識を根底から変えたのは、初回の記事にした白鷹さんです。
神戸酒心館・東明蔵さんに入り、店員さんに聞いてみました。評論家の先生方や、日本酒愛好家の方々の様な知識も評価能力も無い私は、だいたい素直に聞く様にしているのですが、その際に
「西宮郷の白鷹さんの純米吟醸、あれは自分の中で大変美味しい酒なんですが、福寿さんならどれがいいですか?」
とお伝えしたところ、
「白鷹さんですか、これはまた強敵ですね。しかしそれならば丁度いいのがあります。このショップ限定のコレです。どこに出しても恥ずかしくないです。」
と自信たっぷりに出して下さったのがこの蔵元限定品の福寿・純米吟醸でした。
ウリの一つが新しい酒造好適米である Hyogo Sake 85 を使っていることで、ラベルにも書かれています。
山田錦と五百万石の味の違いも分からん私にはその意味するところがよく分かりませんが、兵庫県立農林水産技術総合センターや農林水産省のサイトに色々出てました。
という訳で冷やして飲んでみたところ、ひと口飲んだところで
「うわ、何この美味い日本酒、いや東明蔵さんの言うだけのことはあるわ。」
もうね、余計な形容詞を並べるのも愚かですよ。純米吟醸酒の良さがバランス良く整っていて、極めて高いレベルで色んな評価軸が融合している印象です。
口当たりの良さ、ちょうどいい酸味とフルーティー感、そして灘酒らしい辛さも微妙に残しつつ、お米の酒だよというメッセージもあり、後味もスッキリ。全てにおいて尖ったものがない素晴らしさ。
日本酒党の方々には、
「大吟醸だ吟醸だって言うけど、俺はやっぱり辛口の本醸造や普通酒あたりを燗で飲むのがいいね。」
という向きがあるのは承知していますし、そういう方々の好みではないかもしれません。
しかし特別日本酒好きという訳でもない、普段あまり飲まない人にこそ飲んで頂いて、新しい発見に繋がるといいなと思わせる実力派の逸品でした。
という訳で福寿 Hyogo Sake85 純米吟醸 蔵元ショップ限定品は、私 進雅と木咲の間では殿堂入りが決定致しました。
ちなみに後日リピートして再び買いに行ったことも白状?しておきます。
断っておきますが、私は神戸酒心館さんの回し者でも何でもありませんので念の為。