日本酒のお話 〜 御代栄と鶴喜そば
私 進雅が長年のファンである蕎麦屋が、滋賀県の坂本の地にあります。
日吉大社や明智光秀の墓のお膝元です。
それがこの鶴喜そば さんです。
昔から人気の店で、久々の来訪ですが変わらぬ美味さ。
好物の味を堪能し、満足して目の前の通りを数百メートル行き来しながら、昔からある酒屋さんに入りました。
店のおかみさんと思われる方曰く
「冷やして飲むならちょうど夏酒のいいのが入りましたよ。」
とお勧め頂いたのがコレです。
北島酒造さんの 御代栄 というお酒の季節限定の品らしいのですが、同社のHPにも見当たらないので、ラッキーな巡り合わせだったものと思われます。
スペックはこの通りです。お店で見かけた記憶では日本酒度は確か+7…あれ、+4だったかなという具合のいい加減さでアテになりません💦
まあしかし辛口セレクトって表示してあるんだから、辛口なんだろうと思って飲んだそのひと口目の感想は、
「はて?このお酒、辛いか?」
というもので、ニ口三口と飲み進めてもラベル見て身構えていた感覚とはだいぶ異なり、いい具合のニュートラル感です。
確かに甘口とは言いません。しかしそれがこの季節限定品の御代栄の間口の広さに繋がっている様に感じられました。やたらとアルコール感や苦味が強烈だったり、酸味が全体のイメージを支配する様なこともなく、良く言われるフルーティーな口当たりの印象を前面に出すでもなく、だからこそ飲んだ後の爽やかさとバランスの良い旨みを舌が覚えている様な感じと言えば伝わりますでしょうか。
実は最後に100mlのグラスで十分飲み干せる量を残しておいて、別の日に他社の「これは甘口ですよ」と言われて買ったお酒と飲み比べてみたのですが、そうすると甘口ではないのはより鮮明に分かります。じゃあ辛口かと言われると、それ程辛いとも感じない。おつまみの種類やジャンルを選ばない、中国式四柱推命で言うところの中庸を以て良しとするに当てはまる様な、また買いに行きたくなる日本酒でした。
…テナコト書いててふと思ったのですが、実は私は日本酒の好きな人が唸る様な、本物の辛口がどういうものか分かってないんじゃないか?と。
つまり私の様な何か勘違い?している方々が、辛口セレクトという限定ラベルを見て、先入観を持ってしまうのは実にもったいない、まぁいいから飲んでみてよとこの記事を読んで頂いた方々にはお伝えしたい良酒でした。
私が生まれ育った地元には、灘や伊丹の酒どころがあります。それすら以前はイマイチ良さを分かっていなかった人間にとっては、滋賀県勢の日本酒に対する特別な認識など無かったのですが、北島酒造さんのこの御代栄の季節限定品は、滋賀県にもこんなのがあるんだぜぃ!という印象を与えてくれたと記しておきます。