日本酒のお話 〜 最上稲荷とご神酒(白菊酒造)
日本三大稲荷とよく言われますが、たいていはバラつきがあり、私の知る範囲では
・伏見稲荷大社
・豊川稲荷(妙厳寺)
・笠間稲荷神社
・瓢箪山稲荷神社
・最上稲荷(妙教寺)
・祐徳稲荷神社
が候補に挙げられていることが多い様です。どの「三大」でも伏見稲荷大社は必ず入っているので不動の四番バッターみたいな位置付けなのでしょう。豊川稲荷(妙厳寺)もだいたい入っている様に記憶しています。しかしコレは「三大」の括り方を100%神社限定にした場合、豊川稲荷の代わりに別の神社が入り、笠間稲荷神社、瓢箪山稲荷神社、祐徳稲荷神社が残り2枠を争う…訳ではないでしょうが、解釈が分かれるところの様です。この三社に伏見稲荷大社を加えた場合、瓢箪山稲荷神社だけがご祭神が保食神(ウケモチノカミ)様で、伏見、笠間、祐徳は宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)様という違いがあります。そこから100%神社の「三大稲荷」には瓢箪山稲荷神社を入れたり、逆にむしろ外して別格視してみたり、という傾向を感じたことはあります。まぁ、そんなものは人間が勝手に言っていることで、神様側の都合でも何でもない訳ですが。きっと何か物凄いスーパー霊能者様がそのうち解き明かしてくれるでしょう。某巨大掲示板やSNSあたりで、俺様の言うことが正しいの、私が見えているのが本物のとウォウォガタガタとマウントの取り合いしながら(笑笑)
今回行ったのは岡山県の最上稲荷(妙教寺)です。同じお寺の豊川稲荷と並び評されるのをしばしば見聞きします。
エレベーターがあったり、近時のバリアフリーの設備もありますが、やはり山の斜面に広がるお寺だけに階段や坂も境内にはあります。稲荷と名のつくお寺だけに、と思いきや、そこら中狐の置物や像に溢れているのかというとそれほどでもないのが印象的でした。境内には神社もあるあたり、特定のカラーを中和しているかの様でもあります。
お参りを済ませて駐車場のお土産物屋さんを見てみたら、ありましたよ、お神酒の日本酒が。
この箱に入っているのが実はミソでして、ご祈祷済は箱入りで、ご祈祷してないのは箱無しで、その分値段が少し違うのです。
そう言われりゃご祈祷済にするか、とまんまと釣られ…じゃなくて有り難く乗っかりました。
蔵元は同じ岡山県内の白菊酒造さんで、表示からして普通酒と思われます。
他の日本酒と比べてみたいということもあり、これも冷やしてから頂きました。
正統派辛口の普通酒の軸を堅持しているお酒で、かつよく味わってみるとうっすら甘口の面も隠し味の様に効いています。
最近どういう訳か普通酒づいていて、神社にお参りして門前などで出会うケースばかりなのですが、何やらこれもまたご神徳、メッセージなのだろうとありがたく頂いております。その結果今さらながらですが、普通酒の味わいというのを少しずつ見直しつつあります。
確かに特別純米酒や純米吟醸酒とは風味が明らかに異なる訳ですが、普通酒には普通酒らしさというのがあり、それ自体は優劣の話ではないと思います。優劣やお気に入りの順位に言及するなら、純米吟醸酒なら純米吟醸酒の括りの中で、普通酒なら普通酒の括りの中で述べるのが本線の様な気がします。あとは好みの問題であり、純米酒が好き、純米吟醸酒が好き、本醸造酒が好き、普通酒が好き…という分類をするもよし、どの括りにも自分のお気に入りの銘柄があるというのが飲み手としては賢明にしてお得なんじゃないでしょうか。
このお神酒もバランスの良い日本酒だと思います。結局、アル添ウォー‼️って何なんだ?と思わせる様な、蔵元の個性が垣間見える普通酒の一つに入れておきたいと思います。
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