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不登校が終わったらあなたは何をしたいですか?
ぐっすり眠りたい!
ゆっくり味わってご飯が食べたい!
久しぶりに友人に会いたい!
おしゃれをして出かけたい!
映画を見に行きたい!
推しのライブに行きたい!
これは臨床心理士の先生が
「不登校が終わったらあなたは何をしたいですか?」
と質問した時の私の答えだ。
そして先生はさらに
「では、その中のひとつを今からやってみましょう。」と言った。
「え?この人何言ってんの?」失礼だけど私はそう思った。
「子どもが不登校なのに、自分だけ楽しめる訳ないじゃん!」
「何もわかってない!」
心の中でそう叫んだ。
でも先生はこう続けた。
「不登校は長丁場になりますよ、お母さんが我慢して乗り切れるほど甘くありません」
その言葉を聞いてもまだ私の頭の中は「???」状態だった。
そして
「私が我慢さえすればいいと思っていませんか?このまま気持ちを張り詰めたままでいると、お母さんのメンタルが危ないです。あなたには自分をいたわる時間が必要です。罪悪感を感じる必要はありませんよ。あなたは十分、よくやっています」そう言った。
涙が出た。
私は「理想の母親像」なんて今どき古い!!
と言いながらも、一方では「母親なんだから、ちゃんとしなきゃ」と自分に厳しかった。いつも子どもを優先して自分のことなんか常に後回しだった。だから自分が楽しむなんて考えられなかった。でも、体に不調が出てきているのは事実だった。夜中に何度も目が覚めたり、食欲がすごくある時と全くない時の差が激しかったり、年齢やホルモンのせいだけではない変化があった。
先生の言葉で少し肩の力が抜けて、視野が広がった。正直、子どもの体調や機嫌に合わせて、一喜一憂する毎日に疲れていた。子どもを愛していることと、自分が犠牲になることはイコールではない。「私にも私の人生がある」と先生に教えられた。
不登校になった子どもとずっと一緒にいると、心配と不安に押しつぶされそうになる。できれば変わってあげたいと思うこともある。でもそれは無理だし、一緒に悩んだり考えたりすることはできても、最終的には子どもが自ら動き出すのを待つしかないのだ。だから母親だからって遠慮しないで自分の時間を作って、自分を楽しませよう。
「自分をいたわる」のは実は誰にとっても大事なことかもしれない。女性は特に「誰かのため」に生きている。子どものため、親のため、夫のため、職場のため、あげたらキリがない。ずっとそうやって生きてきたから、「自分をいたわる」なんて知らなかった。でも「ありのままの自分を認めて愛する」という意味の「セルフラブ」という言葉は耳にしたことがある。
「私がわたしに優しく接する」のは自分のためでもあるし、子どもや家族、周りの人のためにもなるはずだ。余裕のない生活はストレスを倍増させる。余裕があれば人にも優しくできる。
不登校が終わったら(終わってないけど)やりたいことの1つ!
私がトライしたのは「映画を見に行く」だった。夫の休みの日に朝イチの上映に行った。周りもおひとり様が多くて、ゆっくり集中して見ることができた。よかった。
私はわたしを楽しませることができたよ!