勉強していないと言った受験生の娘
緊急事態をなんとかできた
最近、ぜんぜん勉強してないの
ほんと、勉強してない!
寝室に来て
語り始めた受験生の娘
そんな事を言われたら
あなたならどんな気持ちになりますか?
ここ最近は
今月にせまった大学受験の
あれやこれやで忙しくしていて
わたしに愚痴ることもなかったけれど
今日はオンラインで受けるはずの
講座にzoomでうまく入れず
娘はかなりあたふたしていました。
パソコンでパスワードを打っても
つながらないので
スマホで通話しながら
先生とやり取りしていました。
結局スマホでは入れたので
パソコンの何かが良くなかったらしく
時間も過ぎてしまったその講座は
また別の日に受けられるように
なったそうです。
まあ、この緊急事態を
自分で何とかできたのが
わたしとしては
「よくやった!」
と感心した一件でした。
子どもを認められない親だった
以前のわたしはこうやって
娘のことを素直に認められる親では
なかったんです。
「なんで前もって準備しないの」とか
「ちがう方法は考えなかったの」
なんて言っていたはずです。
いつも
「もっとやれるはずだから」と
娘を追い立てることしか
考えていなかったんです。
毎日学校に通って
友だちと仲良くして
勉強も一生懸命
部活動も全力でする
そんな理想の生徒像を
我が子に押しつけていたので
娘も「いい子」でいなければ
ならなかったと思います。
どれだけ心の負担になって
いるかなんて考えもしませんでした。
繊細な面を持ち
人一倍努力家の娘は
頑張って頑張って
頑張り続けて
ある日学校に行けなくなりました。
大きな勘違いをしていた子育て
そもそも
わたしの大きな勘違いは
親子なら何も言わなくても
気持ちが通じるものだと
思っていたことです。
娘のことは
わたしが一番わかっている
そしてわたしの言いたいことは
娘に伝わっている
と信じて疑いませんでした。
でも
親子だからといって
以心伝心
何でも通じるわけではなく
相手の行動をよく見て
話をしっかり聴かなくては
本当の気持ちはわかりません。
まともに話を聴いてくれない親に
子どもは本音を話そうとはしません。
だから娘はずっと
本心が言えなかったと言います。
今日は
カレーじゃなくてラーメンが食べたい
そんな何でもないことさえ
言い出せなかったそうです。
信頼してもらえた嬉しさ
娘が不登校になって
心身共にどん底だった時
わたしは
娘の心と身体を安定させる
ためにはどうしたらいいのか
それだけを考えていました。
勉強とか進路は
どうでもいいと思いました。
青白い顔をして
満足に食べることもできず
一日中寝ている娘を見て
この子が元気になることをしよう
と決めました。
少し体力が戻ってからは
行きたい所に連れて行ったり
食べたいものを食べさせたり
今まで聴いてこなかった
娘の話をじっくり聴いて
できることは一緒にしました。
そして
エネルギーが戻った娘は
前を向いて自分から
一歩を踏み出すことができました。
今では
推しのバンドの話だけでなく
将来の話や悩んでいることも
話してくれるようになりました。
受験の前なのに
やる気がでない状態も
隠さずに教えてくれます。
親に聴く姿勢があれば
子どもはちゃんと
話してくれようになるんですね。
「勉強してない」と言われた時
わたしは嬉しかったんです。
自分のだめだと思う所も
素直に行ってくれるようになって
本当によかったと思いました。
怒られるとか
責められると思ったら
こんなことは言えませんからね。
やっと娘に信頼してもらえたと
胸がちょっぴり熱くなりました。
来年の春には
家を出てどこかへ行ってしまう娘
寂しくなりますが
残された時間を大切に
いろいろおしゃべりしながら
過ごしたいと思います。