「星屑曲」
第15番 ヘ短調
あいつ
やっと息をひそめたっぽい
土の奥に
沈んでった
マントル破って
ずっと向こう、
もうわからない
不可知の領域を
突き抜けてった
このまま
何も言わずに
星屑になって
落ちていくの？
暗い暗い闇の中を
1秒なんて
長い旅
星屑になったら
お願い事をしている
子どもたちを
にっこり笑って
見つめ返してあげよう
時と重み、
地図との縁も
これまでだ
私を縛るものはなにもなく
ただ
闇の中で
静かに
見つめながら
のらりくらりと
漂うのみ
そんなことを
のんきにしていたら
私は
すっかり
姿形を忘れてしまった
そうか
私は
星屑より
もっと悲しく
もっと速くて
もっと鋭い
きっともっと
大したことなんてない
何もない
ふるえ
ずっと
音楽になりたかったんだよなぁ