煙
私は
怒っている。
心底、燃える。
冷え切った暗い海の底でも
一番奥の
おく
マグマの心に近いところでは
ぐつぐつと沸騰しているはずだ。
街を破壊し
食べ物を奪い
人々を瓦礫の下に埋め
灰色の石にしたとしても
忘れてはいけない、
あなた方にわたしたちが見えないから、
聞こえないからといって
私たちを消し去ることは
できないと
わたしたちは
冷めない熱となって
畏怖すべき
自然現象として
またここに戻ってくる
あなたの
肺が焼けて
呼吸できないほどに
熱く
逃げてしまいたいほどに
重い
空気として
1人の人間としてではなく
1人の延々と立ち昇る
煙として
ここにいる