マルチ商法に遭遇した話(前編)
どうも、あんぱんドラゴンです。
しれっと名前を変えました。ローマ字表記からただ、柔らかくしただけです。今月、症例検討会の発表者だったので、忙しくて全然更新していなかったのですが、ひと段落したのでまたぼちぼち始めていきたいと思います。
今までは新人指導の話ばかりをしていましたが、話題をガラッと変えて僕の経験をもとに赤裸々に話をしていきたいと思います。
信憑性を高めるために詳細に書いていきますが、地名を書いていくと特定されそうなので、ある程度は控えさせて頂きます。
が、本気で書いていきます。
何故なら僕のように被害に遭われる方(ぶっちゃけ金銭的な被害はなかったが、その手前まで行った)が出ないようにしたいからです。少しでも記事に目が留まった方々に伝われば幸いです。長くなると思うので、記事を分けるかもしれませんがご了承下さい。
1.会わせたい人がいる
4年程前だったと思います。臨床経験が5年目になり、彼女は居なかったけど、将来のこととかいろいろなことを考え始めるようになり、友人(同い年の同僚)と遊んだりして、とにかくお金が無かったです。
これは正直あるあるだと思います。一人暮らしをして、社会人にも慣れてきて休日が充実するようになり、大人の遊び(といっても僕の場合はカラオケぐらいだけどw)もいろいろ楽しくなる時期。
その分お金はかかっているのだけど、何に使ってるのか分かっていなくて、とにかく出費が重なっている不思議時期。口癖は「あー金無ぇー」。給料日前は大体カツカツになっていて、財布の中身は現金26円だけとか。
なんとかして楽してお金貯まる方法ないかな~
そんなことをずっと考えていました。株をやろうと思っても知識はないし、口座開設とか面倒くさい。
アンケートサイトでポイント稼ごうと思ってもiphoneは非対応だったり、当時は既にYouTubeも流行っていたと思うんですが、僕にとっては敷居が高かったですし、ブログでもやろうかと思いましたが、仕事は仕事で忙しかったので(残業時間も酷かった)、平日は疲弊していました。
とにかく当時は楽してお金を稼ぎたかったです(こんなことを書くと怪しいコメントが来そうですが…笑)。
そんな時にいつも遊ぶ友人(職場の同い年の同僚)から、「会わせたい人がいる」と声をかけられました。
この時点で怪しさMAXですが、やはり友人が言う話や、誰が言うかによって、話の内容にはバイアスがかかるものです。当時の僕は極めてアホだったので、「へー誰?笑」くらししか、思っていませんでした。恐らく「何をしている人?」くらいは聞いたと思うんですが
「それは言えない。でも凄い人。HIROさんって言うんだど、珈琲とか詳しくてさ。定期的に珈琲会をするんだけど、一緒に行かない?」
それどこのEXILEのリーダーやねんと思いましたが、それ以上は何故か正体を伏せられました。ぶっちゃけ僕は珈琲も好きだし、あのEXILEのHIROさんが淹れる美味しい珈琲が飲めるならラッキーとぐらいしか思っていませんでした。
さっそく仕事終わりに友人の車で仙台まで連れて行って貰い、八乙女駅周辺のマンションに連れていかれました。3階くらい昇っていったのですが、玄関前にはビカビカに光っているロードバイクが置いてありました。
今、思うとあれも羨望を受けるための仕掛けだったのかもしれません。インセンティブ的な。完全に自分もこうなりたいと思わせる手法ですよね。(ただ、外に置いているだけかもしれませんが笑)
ロードバイクは僕もやっているから分かるのですが、ピンキリではありますが、最低でも一通り揃えるには10万円はかかります。ビンディングも買えば+2~3万、フルカーボンやギアに出したら、何十万という世界ですし、前の病院の院長は一本20万もするタイヤをつけていました。
血潮を流して働いて稼いだ僕のひと月の給料が自転車のタイヤ一本分の価値もないとかふざけんな。
そこには会員なのか、はたまた同じように誘われた人達なのか15人くらいの人が大きなテーブルの周りに輪になって座っていました。みんなで珈琲を飲むんですが、上座にはEXILEのHIROが鎮座していました。
胸は開いていませんでしたが、高身長でポロシャツからは運動していますよと、ほどよく筋肉質な上腕を覗かせている壮年男性でした。珈琲を淹れるは奥さんだったのですが、奥さんもエレガントな佇まいで、着ている服もちょっと派手だったのを覚えています。
その日は軽く自己紹介をして、お客さん的な感じであくまで雰囲気を感じる程度だったのですが、OT(作業療法士)も参加しているということで、気が付いたら親近感が沸いていました。
その後も何回か珈琲会(勝手に命名)に参加させて貰い、皆さんで夢を語ったりしていました。
もちろん僕も例外でなく、ちなみにその頃駅前留学を始めたばかりだったので「英語を使って海外で、か、活躍しゅたいですぅ!」と言ったのを自前のスケッチボードに書いて赤面しながら発表したのを覚えています。
何となく意識高い系の人達が夢を語る集まりなのかなぐらいにしか最初は思っていなかったです。
2.休日開催のミーティングに参加する(させられる)
その後も珈琲会ではなく、休日土曜日の午前から今度は別の会員の家でキャッシュフローゲーム(人生ゲームみたいなボードゲーム)を使ってお金の勉強をするようになりました。もちろん職場の同僚も一緒です。
駒を進めていく中で持ち金を増やしていって、最終的にゴールでいくら稼いだか競うゲームでした。
その中で不労所得についての表(ググれば出ます)を使ったりして、僕には比較的新しい知識だったので、「へ~なるほど」とか言いながら律儀にメモを取っていたりしました。その会では終わったから必ず感想を言うルールが決められていて、「今日は勉強になりました、ありがとうございました」と自分もそれなりに感想を言っていました。
終わったら、少人数のメンバーと近くのカレー屋さんでご飯を食べながら、「次いつ開催しますか」と、少しずつのめり込んで行っていました。
また別の日の休日にボードゲームやっていた日に、新しい参加者もいて「あ、どうも」みたいな雰囲気で始まったんですが、その方の表情がずっと優れなかったんです。
結局ゲーム途中で「急用を思い出したので帰ります」と言って帰ったんですが、今の時代そんな漫画みたいな理由で帰る人がいるんだなwと思いながらも、「こんな勉強になるのにもったいないなぁ」と、僕は「今まで休みの日はテキトーにグーたらしていたけど、休みの日に勉強会に参加して有意義に過ごしている。」
と、他の人はやっていないことだというある種のプレミア感に浸っていました。優越感にも似ている感覚ですが、社会心理学的には認知的不協和に陥っていたのだと思います。※イソップ童話の酸っぱい葡萄が有名です。
恐らくこの時点でマインドコントロール的には60%以上になっていたと思います。もはや自分の感覚を疑うことはなかったです。
その後も勉強会と称して、アウディに乗ったEXILE HIROの側近が、とにかく「夢を叶えよう!」「お金の心配をする人生から解放されよう」と言葉巧みにマインドコントロールを仕掛けてきました。
そんなある日、友人はどうやら僕の一歩先のステージにいたらしく、僕以上にプレミア感を放っていました。「ここから先はこれをやると言って決めないと言えない」「教えたいんだけど、言ってダメと言われているんだ」と、とにかく口が堅かったです。
未知なるステージへの好奇心と、経済的枯渇、そして認知的不協和による優越感とすべてのカードが揃い、ついに封印を解いてしまいました。
「いいぜ、やってやろうじゃねぇか」
僕はいよいよ禁断の扉を開いてしまいます。
長くなったので、後編に続きます。
令和2年6月20日 あんぱんドラゴン