2024年の"IP LANDSCAPE"についてGoogleアラートからざっと振り返ってみる
「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
2017年の知財人材スキル標準(version2.0)で日本にコンセプトが輸入された”IPランドスケープ”もほぼ7年が経過し、そろそろ8年目に入ろうとしています。
私の”IPランドスケープ”の捉え方についてはこれまで様々なところで発信してきております。詳しくは
をご覧いただければと思いますが、2017年当初から言っていた通り、日本と海外のIPランドスケープの意味・定義はまったく異なるものになりました。
というわけで、私がずっと過去からGoogleアラートでウォッチしている”ip landscape”というキーワードについて今日は紹介していきたいと思います。
まず1つ目。
① Event Session The Global IP Landscape March 2, 2025 @ 2:30 PM EST
いわゆる、Landscape=景観という意味で捉えて、知財の概況についてディスカッションしようというものです。もともと”ip landscape”といえばこういう意味合いで利用されることが多かったですし、今現在でもそうですね。
続いて。
スリニヴァス・ナレラ氏の”pharmaceutical IP landscape”への貢献と言っていますが、これも医薬品業界の知財全般のような意味合いですね。
次もこれまで出てきたのと同じような意味合いですね。
HKPCが、香港の知的財産分野で重要な役割を果たしていることを示す上で、”Hong Kong’s IP landscape”としてIP landscapeを用いています。上記のスリニヴァス・ナレラ氏の例もそうですが、”IP landscape”で”知的財産分野”のような意味合いもあることはこの記事作成を通じて知りました。
④ Agritech Thymes: Exploring The Agritech IP Landscape – Past Trends And Future Insights
あまりにも日本のIPランドスケープと違う例ばかり出していると、私が意図的に違うものだけセレクトしているのではないか?と疑われてしまうので、日本のIPランドスケープに近しい例も出しておきます。
「アグリテックのIP ランドスケープ」ということで、WIPOが特許情報分析を行った結果に基づいた記事になっています。これは、まだ分析的な意味合いが含まれていますが、
基本的には Patent Landscape 的な意味合いで使われています。ちなみに、WIPOのレポートは以下から閲覧可能です。
⑤ IP landscape supporting medtech in Singapore
これも意味合いとしては知的財産の環境ということですが、抜粋した箇所は「シンガポールの医療技術を支える知財環境」のような意味になりますでしょうか。
もうこれは説明不要ですね。中国の知財の状況、知財の概況、知財の環境などという意味になります。
次はバパットさんも参画しているインドのSagacious IPのブログから。
⑦の方は「企業の知的財産の全体像を把握することで、潜在的なサービスニーズやビジネスチャンスを特定することができます。」という意味なので、まぁ日本のIPランドスケープの持っている意味合いに近いですね。
⑧も後段は「上級職は、戦略的計画や高度な意思決定に関与します。これらのポジションには、AIや機械学習を含む高度なデータサイエンスの応用が求められます。上級専門家は、ビジネス戦略に重要な洞察を提供し、経営陣と協力して知的財産の分野におけるイノベーションを推進することがよくあります。」ということで、直接的に知財を経営・事業戦略立案へ役立つというわけではありませんが、経営・事業・イノベーション推進に知財面で貢献する、その際に経営層と協力して、ということで特許庁のIPランドスケープの定義に近いですね。
実はGoogleアラートでは、かなりの頻度で"ip landscape"に関するアラートが届くのですが、"ip landscape"についての意味合いを見ていくとほとんどが
(知財・知的財産の)環境
(知財・知的財産の)概況
(知財・知的財産の)状況
という意味だったので、途中で見ていくのをやめてしまいました。
ついでに2020年の動画配信ですが、よろしければ合わせてご視聴ください。