J-PlatPatでキーワードの近傍検索を使いこなす
「知財情報を組織の力に🄬」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
今日も前回の「J-PlatPatのキーワード検索で発明の名称・要約・請求の範囲のOR演算をする」に続いて初心者向けのJ-PlatPatのキーワード検索に関する記事です。
今日のテーマは近傍検索です。
近傍検索というのは、
ハイブリッド車
ハイブリッド自動車
ハイブリッド電気自動車
のようなキーワード検索を行う際に、J-PlatPatでは
[ハイブリッド,4C,車/TI]
のように検索すると、ハイブリッドと車の間に最大4文字まで含めて検索できる機能です(ちなみにJ-PlatPatではCは順同、つまりハイブリッドと車の順番でキーワードが登場で、Nにすると順不同でハイブリッドと車の順番が百になっても良い)。
この近傍検索をうまく活用すると、より網羅的かつ効率的に特許を検索・ヒットさせることができます。
まず、J-PlatPatを用いた基本的な近傍検索の方法ですが、特許・実用新案検索メニューの選択入力の画面で
右側の[近傍検索]のボタンをクリックします。すると以下の[近傍検索入力支援]ウィンドウがポップアップします。
先ほどのハイブリッド車の例であれば、
のように入力します。ここで[決定]をクリックすると、
のように画面に反映されます。
ここまでは知っている方が多いと思うのですが、実は[近傍検索入力支援]を利用すると、複数キーワード同士の近傍検索を行うことができません。
それでは複数キーワード同士の近傍検索を行うためにはどうしたら良いのか?
それは論理式入力画面で直接手入力で編集すれば解決します。
先ほどの画面の右下の[条件を論理式に展開]をクリックして、論理式入力の画面に行きます。
ここで、車の同義語として移動体やモビリティなどを追加してみましょう。
のように複数キーワードを並べる場合はカッコで囲みます。これで複数キーワードの近傍検索を行うことができるようになりました(ハイブリッドの同義語は思いつかないのでそのまま・・・)。
さて、J-PlatPatでは、実は2つのキーワード群の近傍検索だけではなく、3つのキーワード群の近傍検索を行うこともできます。
ここでは空調関連キーワードを追加してみました。このような検索をすると以下のような特許をヒットさせることができます。
ちなみに
では、682件(日付限定なし)ですが、仮に後半の4Cを
4N(Nは順不同)にすると797件になります。さらに
4Nを20Nで近傍文字数を増やすと、ヒット件数は2,663件になり、より網羅的な検索を行うことができて、以下のような特許がヒットします(近傍文字数を増やすとノイズがヒットしやすくなりますが)。
というわけで、今回はJ-PlatPatのキーワード近傍検索について解説してきました。
私が2002年に当時のIPDL(特許電子図書館)を使い始めた頃から比べると、J-PlatPatの検索機能は大幅に拡張されています(CSV出力件数も要約を含まなければ3,000件ダウンロードできますし)。
今後の特許検索・特許調査や特許分析の実務で、ぜひともJ-PlatPatのキーワード近傍検索についても積極的に使ってみてください。