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【グローバルランキング】2020年に発行された特許・実用新案

2021年度がスタートしました。

ここで昨年2020年に発行された特許のグローバルランキングについて紹介したいと思います。

YouTubeでの解説は以下をご覧ください(2021年4月4日ライブ配信)。

なお、ランキングをご覧いただく際に以下の点にご留意ください。

・最先発行日が2020年1月1日~12月31日であるものが対象です。
・パテントファミリーベースで検索を行っているので、出願件数ではありません。
・中国は特許出願と同等規模の実用新案出願がありますが、特許と実用新案について合わせてランキングを算出しています。
・出願人・権利者名はPatbaseの推定出願人を利用しています(当社で名寄せは行っておりません)。

1. グローバル特許・実用新案発行トレンド

2001年以降の全世界の特許・実用新案の発行ファミリー数は以下のようになっていて、2020年には4,478,485ファミリーが発行されました。

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2. グローバル特許・実用新案出願人ランキング

出願人・権利者というのは特許・実用新案を出願している企業や大学・研究機関(もちろん個人発明家も含まれます)です。

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トップは中国の家電メーカーZhuhai Gree Corp.(珠海格力集团有限公司)、2位に日本のキヤノンがランクインしています。

中国実用新案の影響もあると思いますが、上位にはGree以外にHuawei、Tencent、China Petroleum And Chemといった中国企業だけではなく、Univ. Tianjin(天津大学)やUniv. Zhejiang(浙江大学)、Univ. Nanjing Forestry(南京林業大学)、Univ. Jilin(吉林大学)、Univ. Tsinghua(清華大学)といった大学もランクインしています。

3. 主要国=日米欧中韓+PCTの出願人ランキング

続いて日米欧中韓およびPCT(国際出願)の出願人を見ていきましょう。

まずは日米欧中韓およびPCT(国際出願)の2020年発行ファミリー数分布です(欧州はEP特許を対象)。

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中国の発行ファミリー数が3,774,761ファミリーと2020年全体の4,478,485ファミリーのうち実に85%を占めています(間違いなく中国実用新案の影響であり、3,774,761ファミリー中2,369,533ファミリーが実用新案)。

なお日本の最近の特許出願件数は30数万件と言われておりますが、上記では約18万ファミリーとなっています。これは本記事では出願件数ベースではなくパテントファミリーベースである点、また出願されてから公開まで1年半のラグがあることに起因しています。

それでは各国別のランキングを見ていきましょう。

3-1. 日本

日本のランキングを見ると、キヤノンがトップでトヨタ自動車、デンソー、パナソニック(出願人はパナソニックIPマネジメント)と続いています。

上位は自動車メーカー・エレクトロニクスメーカーが多く、その他三共や三洋物産のようなアミューズメント企業も散見されます。

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注意:名寄せを行っていないために、トヨタ自動車がTOYOTA MOTORとTOYOTA JIDOSHAの2つに分かれてしまっています。ただし、2020年発行のトヨタ自動車の特許・実用新案はこの2つを単純合算すれば良いわけではありませんのでご注意ください。

3-2. 米国

続いて米国です。IBMがトップで2位がサムスン、3位がキヤノンと続きます。

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IBM以外にクアルコムやインテル、アップルなどの米国企業も上位にランクインしていますが、日本や韓国を始めとして海外企業が上位にランクインしているのが米国の特徴です。

3-3. 欧州

欧州(EP出願)になるとトップはドイツのシーメンス、2位は米国と同様にサムスン電子になります。

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米国ランキング以上に欧州以外の企業が上位にランクインしてしているのが特徴的です。なお日本企業でトップはキヤノン、2位以降はトヨタ自動車、リコーと続きます。

3-4. 中国

さて2020年発行ファミリーのうち実に85%を占めている中国のランキングは以下のようになりました。

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中国の特許・実用新案の特徴としては、圧倒的に国内出願人が多い点です(これは日本も共通)。またもう1つの特徴としては企業だけではなく、大学や研究機関も積極的に特許・実用新案出願を行っている点です(上記ランキングには登場しませんが、中国科学院などの研究機関からの特許・実用新案出願も盛んです)。

3-5. 韓国

韓国も日本や中国同様、ドメスティックな企業が上位を占めています。

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サムスン、LGやヒュンダイのような財閥系企業の出願が多いですね。あとは韓国の大学や研究機関からもランクインしています。

3-6. PCT(国際出願)

最後は国ではありませんが、PCT(国際出願)の出願人・権利者ランキングです。

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中国はHuaweiがトップで、2位がサムスンです。日本企業でトップなのは三菱電機でした。

特許出願には各国個別に出願するか、またはPCT(国際出願)のような国際的な枠組みを利用して出願するかの2つに大別されます。ただし各社がどの国・地域でビジネスを行っているか?事業活動に伴い、どの国・地域で特許が必要か?という点で出願するルートは異なりますので、一概にPCT出願が多いことが良いわけではありません。

また来年この時期になったら2021年発行特許・実用新案のグローバルランキングについて紹介したいと思います。

4. 分析条件

データベースPatbaseを用いて以下の検索式でヒットした4,478,485ファミリーを対象にしています(検索実施日:2021年4月2日)。

EPD=20200101:20201231 NOT (DESIGN=YES)

EPDは最先発行日、DESIGN=YESは意匠なので、意匠はNOT演算で除外しています。

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