【おススメ書籍】情報分析に必要な仮説思考・仮説構築
「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
特許情報分析に限らず、各種情報分析を行う上で必要となるのが仮説思考・仮説構築。
私も特許分析セミナーにおいて、クライアント・依頼主からの依頼内容・要望をヒアリングした上で、仮説(この段階では予備仮説)を構築した上で分析設計・デザイン(=母集団形成や分析軸の設定)を行う重要性をお話しさせていただきます。
この仮説思考や仮説構築、分かるようでいてなかなか分かりにくい。もちろん場数を踏むことも重要なのですが、最近は仮説思考や仮説構築に関する良書もたくさん出版されているので、私が購入して参考になった本を紹介させていただきます(もちろん私が読んでいないだけで、もっと良い本もあると思います)。
1:仮説思考
元BCG日本代表で現在早稲田大学教授の内田先生による著作。おそらくこの本で仮説思考という言葉が広く世の中に広まったのではないかと思います。
ちなみに私は購入していませんが、マンガ版も出版されています。まずは手っ取り早く知りたい方はこちらからでも良いのではないでしょうか。
ちなみに、内田先生の仮説思考シリーズは三部作で、『論点思考』、『右脳思考』と続きます。『仮説思考』、『論点思考』と左脳=ロジカルできて、最後に左脳だけではなく、右脳も重要だということで『右脳思考』が出版されているので、ぜひとも三部作を通して読んでいただくと良いと思います。
ちなみに内田先生の『論点思考』に関連して、おススメの書籍がヤフーの安宅氏による『イシューからはじめよ-知的生産の「シンプルな本質」』。
そもそも仮説を立てる前に、解くべき問い=論点を見極める重要性について学ぶことができます。
2:仮説構築
仮説を構築するという点では、『筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」』がおススメです。
タイトルに入っているとおり、「地図」が示されているので、どこから着手すれば良いのか?どういうステップで問題解決をしていけば良いのか、仮説構築のテンプレートという形で利用できると思います(もちろん自社の置かれた環境に合わせてカスタマイズする必要がありますが)。
あとはコンサルタントの方が書かれた『「ゴール仮説」から始める問題解決アプローチ』も良いと思いますが、上の書籍の方が個人的には好きです。
3:仮説構築のためのロジカルシンキング
仮説を立てたら、それを情報分析のためのストーリーにする必要があります。私はこのストーリー化の際にツリー構造(ピラミッド構造)で整理するのが良いと思っています。
このツリー構造(ピラミッド構造)で整理するというのはロジカルシンキングで、バーバラ・ミントの古典『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』がおススメです。
日本人の著書であれば『ロジカル・シンキング』。
4:仮説構築に役立つフレームワーク
仮説を構築するにあたって、フレームワークは覚えておくに越したことはありません。ビジネスフレームワークについて解説された本はたくさんありますが、1冊だけ挙げるとすると『武器としての戦略フレームワーク 問題解決・アイデア創出のために、どの思考ツールをどう使いこなすか?』です。
各種ビジネスフレームワークを「並列化」「階層化」「二次元化」「時系列化」「円環化」の5つで整理してあり、それぞれのフレームワークを利用する際に留意点なども書かれているので、様々なフレームワークを知ってはいるがどう使い分ければ良いのか混乱している人にはお勧めです。
あと会計とフレームワークの関係性を理解したい場合は『ビジネススクールで身につける 会計×戦略思考』。
第1部は会計力をつけるための損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)の読み方、第2部が5F、バリューチェーン、4Pなどのフレームワークと会計の関係性の理解という内容で、類書はあまりみない気がします。
5:仮説構築と分析
仮説構築と情報分析をつなげるという点では、『ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力』がコンパクトにまとまっています。
より基本的な内容であれば『統計学に頼らないデータ分析「超」入門』。
6:ストーリーで学ぶ仮説構築・問題解決
仮説構築といっても、ストーリー性をもって学びたいという場合は『問題解決 ― あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術』。
仮想ストーリーに沿って解説されており、また随所に図解も入っているので、分かりやすく仮説構築および問題解決への道筋を理解することができると思います。
おわりに
ここで紹介した本以外にも良い本はたくさんあると思いますが、「情報分析には仮説思考・仮説構築が重要だ!」という際に、参考になる私のおススメ書籍を紹介させていただきました。
ぜひ皆様もおススメ書籍もあればコメント欄で教えていただければ幸いです。