特許情報を活用した競合他社の見極め方-自動運転車両Zooxを例に-
事業戦略など各種戦略を策定する際、競合他社の分析は欠かせません。
分析を行う際に競合他社ってどのように設定されていますか?
ここでは、日本経済新聞ウェブサイトに掲載されたAmazon参加の自動運転車両企業Zooxを例にとって、特許情報を活用した競合他社の見極め方を解説したいと思います。
なお、以前にも【顕在競合だけではなく潜在競合も意識した】競合分析のための特許情報検索・分析テクニックという無料記事をアップしておりますので、合わせてご確認いただければ幸いです。
1. 競合他社の種類
まず競合他社といっても、いくつかの種類があります。
「え?競合って種類があるの?」
と思われるかもしれません。競争環境が激しくない時代であれば、業界構造も固定化しており、競合他社も容易に特定できましたが、昨今のように異業種参入が激しいと競合他社の特定も容易ではありません。
また、競合他社の設定を見誤ったことで、せっかく立案した事業戦略をゼロベースで見直さなければならない可能性もあります。
競合について以下のマトリックスを使って説明していきましょう。
競合といってすぐに想起するのは顕在競合だと思います。
これは自社の製品・サービスと直接的な競争関係にある会社です。事業部門や営業・マーケティング部門の方だけではなく、すぐに思いつくと思います。
分析を行う際に顕在競合のみに限定してしまうと、新規参入企業の存在を見落としてしまう可能性があります。そのような競合が潜在競合です。
潜在競合には自社と同じ製品・サービス領域で競争関係にある企業(製品・サービス領域の潜在競合)と、もう1つ自社の製品・サービスの提供価値において競争関係にある企業(価値領域の潜在競合)の2つがあります。
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