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知財業界でコンサルタントとして独立する③-どのようにして顧客開拓したのか?-

「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

「知財業界でコンサルタントとして独立する」第3弾は「どのようにして顧客開拓したのか?」です。

前回の「不安」の中でも言及しましたが、収入がないと会社は継続できませんし、家族を養うこともできません。その収入を確保するためには顧客・クライアントを開拓する必要があります。

今回は、この顧客開拓について取り上げたいと思います。

結論=営業はしていない

最初に結論を言ってしまうと、独立前・独立後に営業活動をしたことはなく、独立前のセミナー・講演や執筆活動、SNSでの情報発信などで得たご縁でお仕事をいただくことができました。

マーケティングと営業

ここで私なりの”マーケティング”と”営業”というものを定義させていただくと、

マーケティング=たくさんいる企業の中から見込み客(ポテンシャルカスタマー)に自社を認知してもらうこと
営業=自社を認知してもらった見込み客から依頼をいただくこと

になります。見込み客を探し出すことも含めて”営業”と定義される方がいれば、独立前も独立後も営業活動をしていたことにはなります。

もともと、誰でも人から何か商品・サービスを売り込まれるのが好きな人はいないと思います。それは特許出願・権利化だけではなく、特許調査や特許
分析でも同じだと思います。

そのため、「イーパテントの分析は良いですよ」のような営業トークはしたことがありません(酔っ払って言っていたらスイマセン)。

何かスマホやパソコンなどの商品のように、価格やスペックが比較可能なものであれば、その商品の違いについて説明して、自社商品の良いところをアピールするというのは当然のことだと思いますが、独立してやろうと思っていたことは特許分析やコンサルティングで、ある意味無形のサービスになります(一応報告書という電子データは作成しますが)。

無形のサービスは、価格だけでは優劣を比較できませんし、分析結果の質が良いかどうかもクライアントが判断すべきであって、自分自身では判断できません。

そのような無形のサービスの場合、「この会社に分析を相談してみようかな」、「この会社にコンサルティングをお願いしてみよう」と、クライアント自身にイーパテントにお願いする理由付け(リーズニング)をしてもらう方が、価格競争等にも巻き込まれずに良いと考えています。

そのため、独立前から続けているSNS等の情報発信は継続していますし(もともと独立するために始めたものではありませんでしたが)、セミナー・講演や書籍・論考の執筆等は積極的に受けています。

書籍や論考の執筆を引き受けると、そのテーマについて自分自身の考えを整理できるので、マーケティングの一環だけではなく、自らの知識の棚卸のためにも活用させていただいています。

情報発信した結果は蓄積して効果を発揮してくるので、最近ではクライアントから「書籍読んでます」や「YouTube見てます」と言っていただける機会がだいぶ増えてきました。

というわけで、独立起業を目指しているのであれば、上記でいうマーケティング(あなたは誰か?あなたはどんなことができるのか?)活動はしておくと良いと思います。

ただし、私はNGB→ランドンIPと事業会社側にいなかったので、情報発信等がしやすかったという側面は否めません。事業会社勤務の方であれば、組織の規則などで実名での情報発信はなかなか厳しい可能性もあります。実名が難しくても、匿名でマーケティング活動をしておくと、いつか独立起業する際に役立つと思います。

ちなみに私はちゃんとした副業はしたことがないのですが、副業OKの会社であれば、副業もマーケティングの一環になると思います。

友人・知人は大切に

独立起業した際に、受注が確定していたのはセミナー・講演のみでした。

イーパテントとしてセミナー・講演以外での初の受注は古くからの友人からのコンサルティングの依頼でした。

また、その後も友人・知人経由でクライアントを紹介してもらったり、大変お世話になっている知財業界の方に業界団体のコンペの仕事を紹介してもらったりしました。

実は、前職時代にサインした雇用契約書に「会社を辞めてから2年間は取引先とは取引してはいけない」という条項があったので、イーパテントで独立してからしばらくのクライアント企業は、以前に取引がなかったところでした(一部、セミナー・講演は個人での依頼なので例外)。

そんな状況で、「お仕事もらえるかな・・・」と不安になっていたのですが、友人・知人のおかげで1年目から順調にお仕事をさせていただくことができました。

知財業界は狭いので、いつかどこかでお仕事のつながりができるかもしれない、と思って良い関係性を保っておくことが重要だと思います。

「お仕事お願いするね」はあまり信用しない

友人・知人関係で、独立起業する際に「独立したらお仕事お願いするね」と言われることがあると思いますが、これはあまり信用しない方が良いと思います。

その友人・知人の方が悪いというわけではなく、当然その方々にも事情があって、本当は依頼したかったけど依頼できなくなったかもしれません。または、独立開業を祝う軽い気持ちで「独立したら何かお仕事お願いするね」と言っている可能性もあります。

というわけで、「独立したらお仕事お願いするね」という言葉はあまり信用せずに、本当にお仕事をご依頼いただいたら、ありがたくいただけば良いと考えています。

おわりに

今回は顧客開拓というテーマで書いてきましたが、ありがたいことにそこまで顧客開拓には苦労しなかったというお話でした。これも人の縁、そしてこれまでの情報発信の蓄積の賜物だと考えています。

最後に、上述した私の考えている営業・マーケティング戦略については、イーパテお昼のミニ講座で以前に話しているので、よろしければこちらもご覧いただければ幸いです。


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