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【幻覚きのこ】米国マサチューセッツ州の住民投票の結果🍄
歴史的な結果なのか、それとも単純にガラスの天井は打ち破ることはできなかったのか?米国2024年の大統領選挙の結果はトランプ氏の勝利がほぼ確定となりました。そこで同時に投票が行われていたのが、大麻の合法化や人工中絶法案についてなどです。
その中でも特に気になったのが、マサチューセッツ州でのシロシビン合法化投票です。シロシビンとは、高城氏が度々、ネクストGreen Rushの走りであるとして、世界中を取材に訪れているマジックマッシュルームの成分です。
正確には医療目的としてうつ病などの治療に使われる成分がマジックマッシュルームに含まれている幻覚成分であるシロシビンやシロシンなのですが、これらを適量にして摂取する事により医療効果を得るマイクロドージングという方法が近年流行しています。
1. はじめに:シロシビン合法化提案の背景
アメリカ全土で進行中の「精神的自由」を巡る議論があります。その中でも、特に注目されていたのがマサチューセッツ州でのシロシビン(幻覚成分を含むキノコ)を合法化するための住民投票です。
この提案は、シロシビンだけでなく、DMT、メスカリン、イボガインといった他の精神活性物質も合法化し、21歳以上の成人が合法的に栽培、使用、所持できるようにするものでした。
すでにワシントン州やコロラド、カリフォルニア州では非犯罪化されており、オレゴン州では一部合法化されています。
今回マサチューセッツ州は有名なボストンを有す州で、ボストン自体は合法化に賛成派が多く見られましたが、全体では多くの反対を受け、合法化は実現しませんでした。
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2. シロシビン、DMT、メスカリン、イボガインとは?
これらの物質はすべてサイケデリック(幻覚を引き起こす)な作用を持ちますが、それぞれに特徴があり、具体的な例を挙げてみましょう。
シロシビン(マジックマッシュルーム)
シロシビンは、一般的に「マジックマッシュルーム」として知られるキノコに含まれている化学物質で、精神的な変容や幻覚体験を引き起こします。これらのキノコには、シロシビンが体内でシロシンに変化することで、深い瞑想的な体験や感覚の変容をもたらします。
DMT(ジメチルトリプタミン)
DMTは「トリップ」として知られる強力な幻覚体験を引き起こす物質で、自然界でも見られます。特にアマゾンの先住民が伝統的に使用している「アヤワスカ」という植物の混合物に含まれていることでも有名です。アヤワスカは、DMTを活性化させる成分と組み合わせて飲まれることで、非常に強烈なビジュアルや精神的な体験をもたらします。
メスカリン(ペヨーテ)
メスカリンは、特にペヨーテというサボテンに含まれるサイケデリック物質です。アメリカ南西部やメキシコの先住民が伝統的に儀式で使用しており、その主な作用は視覚的な幻覚、感覚の変容、そして精神的な気づきにあります。ペヨーテサボテンを乾燥させて食べることで、数時間にわたるサイケデリック体験が起こります。
イボガイン
イボガインは、アフリカのガボンなどに自生する「イボガツリー」の樹皮に含まれる化学物質で、精神的な浄化や自己認識の促進に利用されることがあります。特に薬物依存症の治療法として注目されており、個人の深い内面にアクセスし、過去のトラウマを解放する助けになるとされています。しかし、強い作用があるため、使用には専門的なガイドが必要です。
3. 投票結果とその影響
2024年の投票結果を受け、シロシビンを含むサイケデリック物質の合法化は見送られることとなりました。
反対票が多数を占めた結果、この新しい政策の試みは一歩後退。しかし、結果がどうであれ、このような議論が行われること自体にアメリカの自由で挑戦的な精神が色濃く表れています。
4. アメリカらしい「挑戦的な議論」の文化
アメリカは、歴史的に新しいアイデアや社会的な変化に対して常にオープンであり、時には先駆的な議論を行う場所でもあります。今回のシロシビン合法化を巡る住民投票もその一例です。
アメリカの一部では、サイケデリック物質の医療用途や精神的な治療効果に注目が集まっており、合法化を求める声は少なくありません。しかし、同時に「薬物依存症や治安悪化のリスク」を心配する声も大きいのも事実です。
今回の結果が「合法化の終わり」を意味するわけではありません。むしろ、この議論は今後も続き、他の州や都市でも同様の住民投票が行われる可能性があります。例えば、オレゴン州やコロラド州ではサイケデリック物質の医療用途の合法化が進んでおり、その効果や社会的影響を見極めるためのデータが蓄積されつつあります。今後、マサチューセッツ州での議論が再燃することも十分に考えられます。
まとめ:議論を恐れず、変化に挑むアメリカの精神
シロシビン合法化の賛否を問う住民投票の結果は反対多数で終わりましたが、議論そのものが示すアメリカの社会的風土こそが重要です。どんなテーマであれ、議論をオープンに行い、社会的な変化を模索し続けるこの精神が、アメリカの魅力の一つであり、世界中に影響を与えてきた要因の一つだと言えるでしょう。
今回のマサチューセッツ州の住民投票の結果は「反対」でしたが、この議論を通して私たちは、アメリカという国がどれほど自由で挑戦的な精神を持っているかを再確認しました。
合法化が実現しなくても、議論の場が開かれたこと自体が一つの進展であり、今後の展開に期待が寄せられます。